2020/06/03

企業出版の基礎編
~36年のベテラン広報パーソンが伝授!~

新人広報パーソンのための広報いろは。

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の三上です。

皆さんは、企業出版/書籍PRという取組を知っていますか?

以前は、大企業や上場企業の経営者や事業の取組について書籍化が主でした。最近は、中堅・ベンチャー・スタートアップ企業など、ユニークな経営者や話題のビジネスモデルにもフォーカスされています。社会の課題を解消できるヒントがあれば、出版も夢ではありません。私も過去に3冊企画をさせて頂きました。また最近、私の広報PRパーソンとして、大変大きな企業出版に携わりました。

そこで今回は、企業出版の基礎編につい解説させて頂きます。

企業出版と書籍PRの関係とは…

どちらも我々広報PRパーソンとして必要なスキルとなります。

コーポレートコミュニケーションでもあり、マーケティングコミュニケーション両分野にあたります。企業の全体像や自社の製品・サービスなど事業の認知・販促的な目的も達成できるいいとこどりの取組です。出版化が的となりますが、出版後の広報PRも重要で、出版の波及効果に加え、書籍・筆者をフォーカスした報道を得ることで何倍ものメリットが生まれます。

そもそも企業出版とは何?

  • 概念
     
    企業出版とは、企業が主体となって書籍などを製作・出版することです。
    企業出版の形態には、書籍、パンフレット、社史、広報誌などとなります。
    また、そのジャンルは、経営者の経営哲学や自伝、プロジェクトや製品開発の事例などのほか、周年事業として社史を出版することもあります。また社内報やPR誌も企業出版に含まれます。
     
    形式は、紙媒体や電子書籍での出版も増えてきています。
     
  • 目的
     
    企業出版の目的は「ブランディング」にあります。
     
    企業・経営者・商品・サービスのブランディング、売上や顧客獲得、社員のロイヤリティの向上など、経営上の課題を書籍で解決することです。

企業出版が増える背景・要因とは

昨今、「広告の効かない時代」と言われています。

嗜好の多様化やオンライン・オフライン双方でさまざまなメディアが登場したことで、情報が届きにくくなりました。チラシやパンフレット、小冊子を作っても、反響がなかなか得られないという企業も多いでしょう。
広告宣伝費や人材面でのリソースが限られたベンチャー・中堅企業であればなおさらです。そうした中で、注目を集めているのが企業出版です。

自社や経営者・事業の取組が世の中の課題解消のヒントになるコンテンツがあれば、全国規模でこれまで認知されなかったコアターゲットの人々にリーチができます。

最近は人手不足から採用強化として書籍を出版し、採用・教育ツールとしも活用することもあります。加えてにIPOに向けて機関投資家、個人投資家、金融関係などの様々なステックホルダーに企業価値を知らしめる目的で出版も増えてきています。

昨今の企業出版の流れとは

企業出版の多くは、出版コンサルティング業務を請け負う出版社との関係となります。

また、出版社の間にPRエージェンシーや経営コンサルティング会社など、専門に請け負うケースも増えてきています。

これまでは上場企業や誰でも知っている著名企業が主流でしたが、ビジネストレンドもスピードが速く、変化も激しいことから、社会的課題や経営課題など細分化され、ベンチャー・スタートアップ企業も話題性があれば書籍化も可能です。

出版企画の進め方について

まずはどんな種類・テーマ・アピール内容・目的を企画策定していきます。企画案を基に、出版社へのプレゼンを経て出版の運びとなります。

出版社のデレクションにより、ライター、デザイナー、フォトグラファーなどの多くの専門スタッフが携わります。後は出版スケジュールに沿って、印刷・製本から書店向けは発売日が決められ流通させます。

最近の出版社は、出版不況といえどもまだまだ出版の影響力は大きなものがあり、事業として積極的に取り組んでいます。大手新聞社、ビジネス経済系出版社、IT系専門出版社から企業出版専門に扱う会社も増えてきています。

私も、これまでダイヤモンド社で2冊企画担当をしています。私の経験では、企業・経営者が出版されることで…

  • 社会的な認知と信頼度がupする。
  • マスメディアと違い、1冊数千円で購入する書籍読者は、目的意識が強く、読者に強く印象づけ、著者に強いシンパシーをもってもらえる。
  • 読者一人ひとりにメッセージが届きやすい。
  • 出版をきっかけに、書籍PRを行い、新聞・雑誌・テレビなど多くのメディアへの報道露出ができる。出版社やPRエージェンシーのなかには、こうしたクロスメディア・マーケティングまで一括して請け負うケースも増えてきています。
  • 全国的に影響力のあるテレビ番組では、書籍実績がないと取材や出演エントリーできない事も多く、テレビ取材・出演のチャンスが生まれる。

企業出版の種類とは

主に「商業出版」「自費出版」「企業出版」に分けられます。

それぞれの特徴や違いを比較しながら、企業出版が出版業界において、どのポジションにあるのか、確認することが重要です。

  • 商業出版
     
    これは ” 印税が入る書籍 ” を意味します。

    実現レベルは超難関です。一般的な出版というと、この商業出版を思いうかべる方が多いでしょう。こちらは出版社の編集者が企画をたて、編集者から依頼し著者が原稿執筆をします。その後印刷・書店ルートの展開までを行います。

    出版の目的は、書籍の売上と印税です。

    書籍の制作に関わる費用は出版社の負担となります。商業出版において重要なことは、「売れる本を作ること」です。そのため、どんな企画を立て、誰に原稿を依頼するかは、発売日なども含めて出版社が決めます。一般的に初版で3,000部発行します。

    但し、企業や経営者が著名で社会的に影響力のあるテーマやコンテンツの場合は、商業出版として発行されることもあります。
     

  • 自費出版
     
    こちらは、“企業が出版社に依頼して書籍化”してもらうものです。
     
    著者が費用を負担するため、テーマ・執筆内容やタイトルも含め、自分が伝えたいことを粗方表現できるのが特徴です。まずはこちらの企画内容を出版社に提案し、出版社サイドから予算提示してもらい契約となります。企画・執筆内容・デザインなどは、出版社や編集者からアドバイスも受けられます。内容は、自分史や自作の小説・詩集など様々です。商業出版に比べて発行部数は少なく100部程度です。また、書店での流通はされないので、友人や知っている人に配るのがほとんどのようです。

    最近は、ネット通販や電子書籍の普及により、より身近なものになりました。自費出版を専門に扱う出版社も増えてきています。

企業出版

こちらは“企業が抱える課題を解決するための本 ”です。
 
企業出版は、商業出版と自費出版の中間にあたります。自費出版と同じく、費用は企業が負担するため、企業が出版社へ企画提案します。大手出版社は、担当編集者がテーマ、執筆者・内容など企業の意向を踏まえて判断していきます。この場合は、社会的信用を重んじますので、企画が通らない事も多々あります。また、予算は一般的に数千万円ほどとなります。中堅出版社の場合は、企画が通るハードルも予算もかなり低くなります。編集については、出版社で契約しているプロの編集者やライター、デザイナーが制作に協力します。プロの視点でより情報が整理され、洗練された書籍を作れるのが魅力です。さらに、書店で販売することも可能です。

まとめ

今回は、企業出版の基礎編について解説させて頂きました。次回は、企業出版の影響力や書籍PRについて解説させて頂きます。

冒頭お伝えしました、私が企画し4月に上梓しました『全員を戦力にする人財育成術 離職を防ぎ、成長をうながす「仕組み」を作る』(ダイヤモンド社)の企画立案の視点や実際に展開しています書籍PRについて解説させて頂きます。
続編『企業出版の影響力や書籍PR』の配信前にお読み頂けますと、よりご理解深めて頂けるかと思います。

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