取材を受けた後に注意すべきこと[こんな広報担当はマスコミから嫌われる!? ]

取材を受けた後に注意すべきこと[こんな広報担当はマスコミから嫌われる!? ]

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報
代表取締役の野澤直人です。

「こんな広報担当者は嫌いだ!」

親しくしている全国紙の記者さんとの歓談で、時々話題になるテーマです。興味深いのは、広報担当者が記者に不快感を与えるのは、「取材後が多い」という事実です。

「取材前の準備」や「取材を受ける時の注意点」について書かれた広報関連書籍やマニュアルは多いのですが、意外と「取材を受けた後、どうすべきか」について解説しているものはあまりありません。

つまりここが、広報担当者にとっての「落とし穴」なんですね。

記者の本音・その1

「取材の後、いつ記事になるかしつこく聞いてくる広報担当者はうざい。」

これがなぜ嫌がられるかというと、記事掲載の権限が記者にはないからです。記者が書いた原稿を、いつ、どのくらいの大きさで記事にするかは、記者ではなくその上司であるデスクの権限であり、デスクは記者が書いた原稿をボツにすることもあります。

「いつ記事になるかって聞かれても、オレにもわかんないんだよね。困るなー」
というのが記者の本音ですから、過度な掲載の催促は禁物です。

記者の本音・その2

「掲載前に原稿を見せろとうるさい。見せたらみせたで、記事内容に口出ししてきて、やたら修正を求めてくる会社は本当に困る。」

取材して記事を書いてもらうのは、お金を払って広告を出すのとは違います。記事の場合、編集権は媒体側にあり、原則、取材を受けた側が掲載前に記事をみて、修正依頼を出すことはできません。

広報担当者はそれをわかっていても、その上司や社長が、
「なんで事前に記事をみれないの?なんとかしろよ!」
などと言ってくるケースはよくあります。

広報担当者も組織人ですから、上司や社長の指示には逆らえません。つらいところですね。

そんなときの裏技をひとつお教えしましょう。

例えば、日本経済新聞の場合、事前に記事を見せてくれることはほぼ100%ありませんが、お願いすれば、記者が掲載前の原稿を電話口で読み上げてくれることがあります。

記者も誤報は出したくないので、それくらいは配慮してくれるのです。

記者の本音・その3

「記事の掲載後にクレームを言ってくる、訂正文を出せと要求してくる広報担当者(あるいはその会社)とは二度と付き合わない。」

私も以前、雑誌の編集をしていたのでわかりますが、これは本当に嫌われるのでやめましょう。

たまに広報関連の本を読んでいると、
「掲載された記事に誤りがあれば、直ちに文書で抗議しましょう」
と書いてあるものもありますが、百害あって一利なしなので、絶対に行わないでください。

WEB媒体ならまだしも、新聞や雑誌などの紙媒体やテレビは、クレームを言ったところで、記事や放送になったら修正は不可能です。

とはいえ、誤報への対応こそ、広報マンの真価が問われます。誤報を書かれたときこそ、その記者と関係性を深めるチャンスなのです。

誤報が発覚したら、まずその記事を書いた記者に、
「先日取材して書いて頂いた記事ですが、この部分が事実と違いますよ。」
とやんわり指摘してあげましょう。これは記者に対する思いやりです。

自分の書いた記事が間違っているのを知らないままでは、その記者さんがかわいそうですからね。かつ、謝罪や訂正は一切求めない。ここがポイントです。

そうすると、記者側の心理としてはこうなります。
「しまった…(でも、教えてくれてありがとう。以後気をつけますね。)」(言葉にはしないと思いますが。)

こうなれば、しめたものです。

広報マンからすれば、これで、この記者さんにはひとつ貸しができたことになります。

「今回のことはいいのですが、また機会があれば取材お願いしますね。」
と言っておけばOKです。

次回、多少ニュース性が劣る話題での取材をお願いしても、なんとか記事にしてくれるかもしれません。ぜひ、記者の本音を理解して、取材が終わった後こそ、適切な対応を心がけましょう。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

記事の執筆者
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