『タダで、何度も、テレビに出る!小さな会社のPR戦略』下矢一良・著
広報PR・おすすめの一冊

『タダで、何度も、テレビに出る!小さな会社のPR戦略』下矢一良・著

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報の小嶋です。

今回は、広報PRに関するおすすめ書籍を紹介したいと思います。

書籍:『タダで、何度も、テレビに出る!小さな会社のPR戦略』
著者名:下矢一良
出版社:同文舘出版

この書籍は「テレビに取材されるのに必要な条件は何なのか?」「どうすれば中小企業が何年にもわたって何回も、テレビに出ることができるのか?」を、経済番組のディレクターとして、中小・ベンチャー企業を中心に取材してきた著者が、テレビの制作現場の誰も語らなかった設計図を公開している1冊です。

著者について

著書の下矢一良氏は、早稲田大学大学院理工学研究科(物理学専攻)修了後、テレビ東京に入社。「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」をディレクターとして制作。500社以上の中小・ベンチャー企業を取材します。

その後、中小・ベンチャー企業への関心が高まり、ソフトバンクに転職。孫社長直轄のメディア事業を担当し、孫社長の情報発信術を間近で学びます。現在はコンサルタントとして、中小企業の支援に取り組んでいます。

書籍の概要

「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」は、ビジネスパーソンの認知度が高く、番組に取り上げられた際の波及効果も高いため、様々な企業の広報PR担当かから名前が上がる番組です。その広報パーソンにとって重要なメディアの元ディレクターが著者ということで、思わず手に取りました。

本書では「ベンチャー企業、中小企業で特徴のない商品・サービスの場合、テレビからの取材なんて無理?」「テレビに出るには何が必要か?」「なぜ中小企業が取り上げられやすい環境になっているのか?」という疑問を、テレビ制作の現場にいた著者ならではの気付きや分析で、わかりやすくまとめられています。

前半では商品が優れていても、独自性があったとしても、それだけでテレビが取り上げない理由や、何度もテレビに取り上げてもらう方法、中小企業に歴史的チャンスが到来している理由などを紹介しています。

テレビ取材の判断基準は、明確な答えを導きにくいのは事実です。著者も駆け出しのディレクターの頃、判断基準に疑問を抱き、「どのような心の動きがあって取材先を決めたのか」「他のディレクターは何を思い取材先を選んでいるのか」を、先輩社員の空いている時間を見つけては、積極的に質問したそうです。

その答えが、テレビに何度も出て成長し続けている企業は【共通型のストーリーを持っている】ということなのです。この「ストーリー」の打ち出し方が書籍の要所要所に記されていて、キーメッセージとなっています。

■テレビ制作者が「ストーリー」を取り上げる理由
1)視聴率が取れやすい
2)取材対象のテーマに幅が出る
3)制作者としてやりがいがある

中盤では、なんの関わりもない中小企業と視聴者を結びつける(関心ごとに変える)ためのストーリーの軸について触れており、このストーリーの軸を、(1)社会軸(2)社長軸(3)組織軸の3つとし、更に細分化した8種類の構成案をストーリー作成シートで説明しています。

ストーリーの主人公となる個人の感情や想いを自覚し、言葉で表現することは極めて難しいので、想いの言語化に時間をかけるのです。自身で書き出すことや、他人に話したり、ベンチャー企業の広報さんなら、社長にこの質問を投げかけたりするのも良いかもしれません。

個人的に印象に残っているのは、「ストーリーを持っている」ことで成功を納めた「旭酒造の獺祭」「町工場の星ダイヤ精機」「メガネ21」のストーリー作成シートの事例です。

自社に当てはめやすく解説されている参考書のような読み物なので、ぜひ読んでみてください。

■ストーリー作成シート「社会軸」版
1)どう世の中を変えたいか
2)一般へのメリット
3)そのために取り組むこと
4)将来の夢

■ストーリー作成シート「社長軸」版
1)今の事業を始めたきっかけ
2)きっかけ後の取り組み
3)将来の夢

■ストーリー作成シート「組織軸」版
1)目指している組織の姿
2)組織の姿を目指した理由
3)組織の姿の実現のための取り組み
4)将来の夢

後半では、プレスリリースで取材に繋げる技術や情報の届け方を、テレビならではの背景や理由を元に詳しく説明されています。さらに「出演効果を最大化するネット活用術」の章では、ディレクターの関心を引き寄せる自社サイトでの会社情報や社長プロフィール、SNS(ソーシャルネットワーキングサービ)の掲載方法にも触れています。

自社サイトの会社情報の写真の入れ方や、テレビ番組が好む「好調!」をイメージさせる見せ方はとても参考になります。

まとめ

この書籍は、単にテレビに取材をしてもらうだけではなく、「何度も(タダで)テレビに取材してもらう」手法が記されているのが特徴です。事例も沢山載っているので、何度も読み直す実用書になるはずです。

自社にニュースが無い、画にならないからテレビにアプローチしても無理と弱気になっている広報さんがいましたら、ぜひ手に取ってみてください。思いの詰まったストーリーに出会うことを待ち望んでいるディレクターに、出会えるはずです。

書籍:『タダで、何度も、テレビに出る!小さな会社のPR戦略』
著者名:下矢一良
出版社:同文舘出版

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