記者に誤報を書かれないためにはどうしたら良いか

PR会社 ベンチャー広報の野澤です。

メディアが発言の一部を切り取り、メディアの思惑にそって取材対象者の意図と違った形で報道することは、少なくありません。

佐藤栄作総理大臣が1972年6月に退陣表明記者会見を行う際、「新聞記者の諸君とは話さないことにしてるんだ。新聞になると、文字になると(真意が)違うからね。僕は国民に直接話したい。」と言って、1人テレビカメラに向かって演説したエピソードは有名です。

この問題はそれくらい古くからあるものなのです。

ですから、
広報PRにたずさわる人間は、
「取材を受けたときの発言は(良くも悪くも)必ず編集される」
ということを肝に銘じなければなりません。

報道である以上、
こちらの発言がどう編集されるかは直接コントロールできません。そこで重要なのが、「メディアから好感を持たれる」ということです。メディアも報道するのは人間ですから、感情があります。取材対象者が憎いと思えば記事も辛辣になりがちですし、逆に好感をもてば、批判的な記事は書きづらくなるものです。

メディア対応が非常に上手かったのは小泉純一郎元総理でしょう。
実際にメディア戦略を行ったのは飯島勲・首相政務秘書官と言われていますが、5年以上の長きにわたり長期政権が実現できたのは、そのしたたかなメディア戦略を抜きにしては語れません。

「自分は政治家ではないし、そんなの関係ないよ」
と思われるかもしれませんが、中小ベンチャー企業の取材現場でも、実は知らず知らずのうちに記者に悪印象を与えていることがありますから注意が必要です。

よくあるダメな例を2つ書きます。

いつ記事が出るのかをしつこく記者に聞く

気になるのはわかりますが、基本的にやらない方が無難でしょう。
「取材したからといって、必ず記事を書くわけじゃないよ」
「いつ報道するかまで、取材先のあなたに指図されたくない」
というのが記者側の本音なのです。

新聞の場合には、いつ記事を掲載するかの権限は記者ではなく、その上司であるデスクにあるのが基本なので、記者をせかしても印象が悪くなるだけで、あまり意味がなかったりします。

自分の意にそわない記事が出た際、訂正を求める

「なんでこんな記事が出るんだ!訂正させろ!」
と感情的になり、訂正記事を求める経営者の方がいますが、これもやめたほうがいいです。そんな対応をすれば、その記者あるいはその媒体は二度と取材してくれなくなります。

記者も人間ですから、
悪意なく間違うこともあります。固有名詞などの事実関係の誤記は、(あくまで紳士的に)指摘してあげましょう。自分の意図と異なる書かれた場合でも、相手の記者を非難せず、「私の説明がわるかったですね。」といいながら、自社の情報や自分の想いを再度伝えて、次回の取材につなげるくらいのしたたかさが欲しいところです。

繰り返しますが、
広報PRの難しさは自分の発言内容が必ず編集され、報道内容が自分ではコントロールできない点にあります。

それゆえに、
メディアにどう好感をもってもらうか。

更に言えば、
メディアの中に、どれだけ自社や自分のファンを作れるか。ということが、広報PRを成功させるために重要なのです。

執筆者
nozawa2
株式会社ベンチャー広報 代表取締役 野澤直人
20代でビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上の取材を経験。その後、当時無名だった某ベンチャー企業で広報部門をゼロから立ち上げ、同社在籍中の8年間で朝日新聞、週刊ダイヤモンド、ワールドビジネスサテライトをはじめ毎年100~140件のマスコミ露出を通じて同社のブランディングに貢献。その実績とノウハウをもとに、業界でも珍しい、中小ベンチャー企業専門のPR会社を設立。プレスリリースに頼らない画期的な手法で、多くの企業の広報活動を支援している。