しゃべりすぎるPRマンは、マスコミから嫌われます

PR会社 ベンチャー広報の野澤です。

広報PRにたずさわる人間には、高いコミュニケーション能力が求められます。

ただし、高いコミュニケーション能力=トークが上手、ではありません。むしろ逆です。

広報PRの現場では、しゃべりすぎて失敗するケースが多々あります。
しかも、残念なことに失敗した本人はそれに気づいていないことが多い。

情熱があるのはもちろん良いことですが、プロフェッショナルなら、ハートは熱く、頭はクールにいきましょう。

例えば、マスコミの人に電話でコンタクトする場合、自社の商品・サービスについて電話で長々と説明する広報マンがよくいますが、これは絶対NG。
相手に嫌われるだけです。

「面白い情報があるので、今、1分だけ時間もらえませんか?」
と前置きして、伝えたい内容の要点だけを簡潔に説明しましょう。

興味をもってくれたら、
「詳しくはお目にかかってご説明させてください」
といって、アポイントの日時調整に入ります。

電話の1,2分で相手に興味を持たせられなければ、あなたの負けです。

成功確度を高めるために、しっかり準備をしましょう。
初心者の方は、自分が話す内容を文章に書いて、相手に刺さる内容になっているかを精査してみてください。

伝えたい情報の本質を理解していれば1分間でもそのネタの魅力は伝えられるはずです。

マスコミ関係者に直接会って情報提供をする、いわゆる「メディアキャラバン」でも、しゃべりすぎは禁物。

記者相手に、自社商品の魅力をこれでもかとまくしたてる広報マンがいますが、実は相手からするとうんざりなんです。
(これは、私が以前、編集者をしていたときの実感です。)

自分がしゃべるのは面会時間の3割くらいにおさえて、7割は、相手にしゃべらせるように心がけましょう。

そこで必要になるのが「質問力」。
ぜひこのスキルを磨いてください。

何を質問すればいいかのヒントを少しだけお伝えします。

まず、勇気をもってずばり、
「このプレスリリースの内容は、取材になりますか」
とド直球で聞いてみてください。

もし取材NGだったとしても、めげずに次の質問です。
(ただし、詰問調にならないよう、言い方はあくまでソフトに。)

「取材にならない理由は何ですか」
「どうしたら取材になるでしょうか」

たとえ取材にならなかったとしても、この2つさえ聞ければ、次につながりますので、キャラバンは成功といえます。

それ以外では、時間の許す限り、相手についてヒアリングします。(あくまでさりげなく)

  • その記者・編集者の担当分野、最近の興味関心事は何か
  • 担当している連載コーナーがあるか
  • 次に書こうとしている取材テーマは何か
  • 日頃の行動パターン(出社時間や帰宅時間、1日の取材件数、いつ原稿を書いているか)
  • いつなら電話でコンタクトしても迷惑でないのか
  • その記者の過去の経歴(どんな部署を歴任してきたのか)
  • 1日に何枚くらいプレスリリースを見ているか
  • プレスリリースをもとに取材することはあるのか。どんなリリースなら取材したくなるのか
  • プレスリリースを送付するならFAXがいいのかメールがいいのか
  • その記者いる編集局の組織体制はどうなっているのか

これらの情報がわかれば、今後、相手の記者を攻めやすくなります。
この情報がPRマンである、あなたの財産になるのです。

最後にひとつ裏技を。

メディアキャラバンをするときに、ボイスレコーダーを内ポケットなどに忍ばせ、記者とのやりとりを録音します。

キャラバンで相手と会話しながら手元でメモを取るのはなかなか大変で、どうしても記載もれが出てしまうからです。

録音しておけば、会話に集中でき、より効果的な質問をすることができます。
ヒアリングした情報は、後でテープ起こしをして、整理しておきましょう。

ぜひ、聞き上手なPRマンを目指してください。

執筆者
nozawa2
株式会社ベンチャー広報 代表取締役 野澤直人
20代でビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上の取材を経験。その後、当時無名だった某ベンチャー企業で広報部門をゼロから立ち上げ、同社在籍中の8年間で朝日新聞、週刊ダイヤモンド、ワールドビジネスサテライトをはじめ毎年100~140件のマスコミ露出を通じて同社のブランディングに貢献。その実績とノウハウをもとに、業界でも珍しい、中小ベンチャー企業専門のPR会社を設立。プレスリリースに頼らない画期的な手法で、多くの企業の広報活動を支援している。