PR会社 ベンチャー広報の野澤です。
- 「プレスリリース自体がWebメディアに掲載されること」と
- 「自社の記事がWebメディアに掲載されること」
は似て非なるものです。
この2つを混同されている方も多いようですので、
今回はこの点について整理してみたいと思います。
広報PRのツールとして
「プレスリリース配信代行サービス」
というものがあります。
その名のとおり、
プレスリリースをメールまたはFAXで各メディアに配信してくれるサービスです。
一例をあげますと、
- 「ア○トプレス」
- 「バ○ュープレス」
- 「ド○ームニュース」
という感じです。
自社でマスコミのリストを持っていなくても、
手軽にプレスリリースの配信ができるのが利点です。
さらに
リリース配信以外の付加価値として、
各社とも以下のように宣伝しています。
- 各種Webメディアとの提携により、配信されたプレスリリースがそのまま有力サイトに掲載されます。
- プレスリリースを送付すると、提携メディアに掲載され一般ユーザーから閲覧・検索されます。
Webメディア側では、
企業のプレスリリースをそのまま掲載するコーナーをコンテンツのひとつとして持っており、要はそこに配信したプレスリリースが掲載されるわけです。
実際に、
プレスリリースを配信するだけで、80媒体以上に掲載されるケースもあります。
それを見て、
「うちの記事がたくさんの媒体に掲載された!」
と大喜びしている方がいらっしゃいますが、これは大きな誤解です。
注意しなければいけないのは、
これは単にプレスリリース自体が転載されただけで、記事ではないということ。
特に広報PRの初心者の方には「プレスリリースの転載」と「記事」を混同している方が多いように思います。
両者には本質的に大きな違いがありますので、ポイントを整理しておきましょう。
「記事」(=マスコミ露出)
- プレスリリースなどの1次情報をもとに、記者や編集者が独自の視点で取材をして作成したもの。
- 発信主体はマスコミ。
- 客観的第三者であるマスコミが発信した情報なので、信用する人が多い。
- 掲載のハードルが高い。
「プレスリリースの転載」
- プレスリリースがそのままWeb上にアップされたもの。
- 発信主体はあくまで企業。
- 企業が自社の宣伝のために発信している情報、と受け取られがち。
- 掲載のハードルは低い。(リリース配信代行サービスを利用すれば、自動的に掲載される)
ただし、
プレスリリースがWebメディア等に多く掲載されることで、そこから自社ホームページへの流入が増えたり、外部リンク増によるSEO効果が期待できるので、そういった意味での価値は高いです。
「プレスリリースの転載」と「マスコミ露出」は似て非なるもの。
それぞれ、異なる価値があることを理解しておきましょう。
野澤直人