2019/03/06

日本と海外におけるPR会社の違いと、ベンチャー広報が目指す理想のPR会社像

社長ブログ

ベンチャー広報の野澤です。

日本のPR会社を取り巻く環境は特殊だと言われます。それは、PR会社の立ち位置が海外におけるグローバルスタンダードとは大きく異なるからです。

今回は、日本と海外におけるPR会社の立ち位置とそれに伴う仕事内容の違いや課題ついて説明します。そしてそこから、本来のPR会社のあるべき姿、ベンチャー広報が目指すべき姿についても書こうと思います。

日本と海外におけるPR会社の立ち位置の違い

まずは海外のPR会社について説明します。こちらが、海外におけるPR会社の立ち位置と業界全体の構図です。

海外においては、PR会社はクライアントとパートナー関係にあります。クライアントと専門会社の間に立ち、コミュニケーションの全てを司る立場です。PR会社は、クライアントと一緒になってブランディング戦略を立て、そこからどのようなコミュニケーション施策が必要なのかを見極めディレクションし、実務は専門家や専門会社に任せる形になっています。これが、グローバルスタンダードです。

この構図を頭に入れた上で、日本におけるPR会社の立ち位置と構図を見てみましょう。

日本では、クライアントとパートナー関係になるのが大手広告代理店です。PR会社はその下請けとして位置しており、あくまでも施策を実行する専門会社の一つ。海外とは立ち位置が大きく異なります。

そのため、日本のPR会社が担当するのは、多くの場合、狭い領域のパブリック・リレーションズのみで、コミュニケーション全般をみることはありません。

立ち位置逆転に潜む問題

私は、こうした日本と海外のPR会社の立ち位置の違いは、大きな問題ではないかと思っています。なぜなら、日本の場合、ブランディング戦略やコミュニケーション設計をきちんと立てた上で必要に応じた施策ができているのか疑問だからです。

日本において、コニュニケーションの戦略や設計を行う立場にあるのは多くの場合、大手広告代理店です。
では、大手広告代理店の本業とは、何でしょうか?呼称にある通り、広告です。PRやソーシャルメディア、デジタルマーケティングなどの業務も、クライアントから依頼があればもちろんやりますが、それはあくまで補助的なものにすぎないでしょう。

例えば、大手広告代理店の主な収入源はテレビCMですから、極端な話、テレビCMさえ受注できればあとはどうでもいいわけです。実際に、「クライアントがやりたいと言っているから」と、大手広告代理店がPR業務をPR会社に丸投げするケースをこれまでに何度もみてきました。

私は何も、広告代理店が悪いと言っているのではありません。本来あるべき戦略や設計なしに、各コミュニケーション施策がバラバラに実行されていることが問題なのです。

この逆転の構図になってしまった原因は、日本の大手広告代理店の影響力の強さゆえだと思いますが、同時にPR会社のスキルの低さや知見の少なさ、営業力の低さも影響しているでしょう。

クライアントとパートナー関係にあるのはPR会社でも広告代理店でもどちらでも良いのですが、コミュニケーション全般に知見のある人や会社がきちんとクライアントに近いところにいるべきだと思います。

ベンチャー広報が目指すPR会社のあり方

私はPRを担う立場として、PR会社はグローバルスタンダードを目指すべきであり、コミュニケーション全てを戦略・設計できるようになるべきではないかと考えています。少なくともベンチャー広報はそれを目指しており、少しずつではありますが近づいています。

実際、クライアント企業から「PRだけでなく、コミュニケーション全般を任せるので、戦略作りからお願いしたい」と相談される機会が最近増えてきました。クライアントからのこのようなご要望にお応えしていく中で、だんだんと弊社がお手伝いする領域がPR以外の部分にも広がってきています。

ベンチャー広報がグローバルスタンダードに近づくことができているのは、広告代理店の下請を一切せず、クライアントとの直契約にこだわっているからです。

日本における逆転の構図は簡単には変えられないでしょう。
しかしながら、日本のPR会社は自分たちの本来あるべき姿を見直し、グローバルスタンダードを目指して取り組むべきではないでしょうか。

まずは私たちが、ベンチャー企業・スタートアップの領域でそれを実現したいと思います。