2019/11/05

【PRのコツ】広報担当者に必要な「雑談力」とは

広報PRノウハウ

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の長崎です。

ここ最近、〇〇の秋、というように、食・芸術・運動など、日々ニュースを目にするようになってきました。

今回は、このような季節ネタや時事ネタをどのように取材につなげているのか?という話を、実際に、今年「アートの秋」として取材、報道された事例をもとにご紹介したいと思います。

キーワードは「雑談力」

私が企業の広報を担当する場合、1ヶ月ほど時間をかけて、社長、広報、社員の方とそれぞれ面談をして、広報の方向性と計画を立てています。

そこで、基本的な会社情報、製品の情報、新製品リリースのスケジュール等、通常のプレスリリース以外の情報も積極的にヒアリング(=雑談)するようにしています。

例えば、

  • 社内にどんな人がどれだけいるのか
  • どんな社風なのか
  • 社長の趣味
  • オフィスの雰囲気
  • 福利厚生
  • 突き抜けた趣味を持っている人はいないか
  • お子さんがいらっしゃる方の割合
  • 離職率

可能な限り実際にオフィスの中に入って、普通の働いている風景に溶け込むように観察したり、気がついたことがあれば、質問するようにしたり、など理解を深めていきます。

そうすると、資料にするほどではないものの、ちょっとした驚きがある人やモノが見つかっていくのです。どんな話題だったかというと、以下のような内容です。

(※複数社の情報が混ざっています)

    ・文房具に、超詳しい人がいる
    ・羊肉を食べ歩いている人がいる
    ・激辛ランチを食べ歩いている人がいる
    ・ふるさと納税を研究している若手社員がいる
    ・手帳の使い方をこだわり抜いた結果、宝くじに高額当選した人がいる
    ・世界的に大ヒットしたアプリゲームを、日本最速でマスターしたエンジニアがいる
    ・ガラケーしか使わない、あえてNOスマホ生活をしている人がいる
    ★会社の棚に展示、無造作に置いてあったものが骨董品だった
    ★会社の真っ白な大きな壁にマジックでフレームを描いて、中に自由に画を書くことができるスペースを作った。
    ★アートを特別な形で鑑賞できるスペースがある

などなど。

ただし、面白いというだけでは広報する意味はありません。

もし気になったこと、面白いことがあれば、それがどのように事業に影響・関係があるのか、落とし所を見つけましょう。また、重要なのは、いつ・誰にこの話を伝えれば取材になるだろうか、とある程度仮設を立てておくことです。

例えば、文房具の話であれば、週一で、ちょっとした雑貨や文房具を紹介する紙面が〇〇新聞にあったな。他、モノ雑誌の文房具特集が年1回あるから、詳しい人の経歴や収集歴、何に対して造形が深いのかなどを資料にして、モノ雑誌の雑貨担当の編集者に紹介しておこう。

他には、

  • アートの話題が今ちょっと多いから、「アートの秋」で提案できそうだな。
  • クリエイティビティを大切にしている各企業の理念も伝えられる。
  • 以前、メディアキャラバンに行ったときに、アートの話題が好きそうな、あの記者の人に伝えてみよう。

ガラケーは、

  • シンプルな働き方=働き方改革の話題として紹介できそうだな。
  • ちょうど働き方改革を進めているし、フックとしても良さそう。
    であれば、ガラケーだけにするメリットはなにか更にヒアリングしておこう。
  • 働き方改革は定期特集もあるし、新聞・雑誌幅広く伝えられるな。

手帳の話題は、

  • 毎年必ずやっている年末号の鉄板特集だから、8月末の企画が走るタイミングで記者に情報提供しよう。
  • 運を引き寄せるとか、仕事への好影響になった点をもう少し明確にしておく必要があるな。

などなど。

情報を伝える価値と、そこそこの掲載確度が見合う話題であれば、自分の中でストックしておき、必要に応じて適切なタイミングで時事的なトピックスとして記者の方に伝えていきます。

例えば、新聞社の文化部の方やトレンド系のご担当の記者の方と相性がいいと思いますが、通常の新着情報の情報提供に加えて、こういった情報も伝えるようにしています。

ちなみに、すでに報道されているアートの秋は、7月頃に記者と面談したときの最後の雑談から実現したものです。

趣味の話題になったときに、アートを題材にした取材をしたいと思っているということから「アートの秋」として、上記のネタのストックから★マークがついた3社の話題を口頭でざっくり伝えました。

結果、その場で取材が決まり、8月に取材が進み、9月に報道、という流れになりました。

クライアント企業からは、働く風景、企業の雰囲気、アートを大事にしている感性やメッセージが、取材を通じて伝えることができ、非常に良かったとおっしゃっていただけました。

上記のように、雑談力を高めることで、ちょっした驚きのある日常や風景を切り取り、適切な時期に適切なマスコミの方に伝えられるPRパーソンは、報道の獲得量が多くなると思います。

BtoBの企業の場合、毎月プレスリリースにできる情報がなくて、広報するネタに困っている、などと聞きますが、雑談をしながら社内にある情報を集める癖をつけてみてください。

常に新鮮な気持ちで、面白いモノや事、人、そこにあるものに興味を持って知ろうとする姿勢、伝えたいという想いや衝動が、次の報道につながります。