2020/02/10

そのプレスリリースに記載したデータ(情報)の根拠はなんですか?

広報PRノウハウ

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報の島田です。
 
今回のテーマはプレスリリースやニュースレターに記載する「データと根拠」についてのお話です。(※ニュースレターについてはこちら )
 
 


(以下、架空の企業の話です)

早速ですが、あなたはファイルのやり取りができるビデオ会議システムを提供する企業の新米広報さんです。

ある日、営業部長から
「サービスがいい感じになってきたからリリースだしてよ。なんか不動産関連企業からの引き合いが急に増えてね。不動産業界が使いやすそうな機能をX月X日に実装することにしたよ。」
とお願いされました。
 
 


 
 
リリースを作ってよ!と依頼される時は、こんな感じでざっくりと伝えてくるのがほとんどです。新米広報さんを悩ませる悪魔の一言だったりしますよね。

この依頼を素直に受け取ってそのままリリースに落としてしまうと、
 
『当社が提供するサービスの利用企業が増加しており、特に不動産関連企業での利用が急増しています。このことから、当社ではX月X日に不動産業界の企業で活用いただける新機能の実装をします。〈以下にサービス概要と新機能の説明が続く〜〉』
 
と、あっさりとした内容になります。

「増加している」というデータの根拠も曖昧で、リリースの内容としてはイマイチ…
せっかくリリース作成に時間を割いても、メディアからの反応も薄そうなのが想像に容易いですよね。

こんな依頼があった場合、データを引き出すためにどのような質問をなげかければよいのでしょうか。

まず、依頼された内容に対してできる質問はこちら。

「サービスがいい感じになってきた①からリリースだしてよ。なんか不動産関連企業からの引き合いが急に増え②てね。不動産業界が使いやすそうな機能③をX月X日に実装することにしたよ。」

 

  1. ①サービスがいい感じになってきたの意味は?
     
  2. ②不動産関連企業からの引き合いがどの程度増えたのか。
     
  3. ③どんな機能を実装するのか
     
     
     
    そして、依頼内容以外からも質問すべきなのはこちら。
     
     
  4. ④不動産関連企業からの引き合いが増えた理由
    (社会的背景などとリンクすることもあるので調査しましょう)
     
  5. ⑤実際に利用している企業からのヒアリングは可能か
     
  6. ⑥新機能実装により、どのような効果が見込めるのか

 
この質問を投げかけたところ、こんな回答がありました。
回答内容をブレイクダウンしてデータや根拠を引き出しましょう!
 
 

①サービスがいい感じになってきたの意味は?

2018年1月にサービスローンチしてから利用企業が増加している。
 
(追加質問!)どんな推移で増加しているのか、年毎でおしえて。
 
→2019年1月は100社、2020年1月時点では400社の企業に利用してもらっている。
昨年と比較して、サービス利用企業が格段に増えた。
 

②不動産関連企業からの引き合いがどの程度増えたのか。

(増加率はどの時点と比較して何%増えたのか)

2019年1月時は全体の10%、2020年1月時は全体の35%になった。
 

③どんな機能を実装するのか

不動産業界で負担となっている契約書チェックの進捗確認が一目でわかるようになる機能を実装。業界ごとで使う使わないを選択できるようにオプションとして提供する。
 

④不動産関連企業からの引き合いが増えた理由

(社会的背景などとリンクすることもあるので自分でも調査してみましょう)
 
賃貸取引に係るITを活用した重要事項説明(略してIT重説)という、宅建業法第35条に基づき宅地建物取引士が行う重要事項説明をITを活用して実施しましょうというお達しが国土交通省からでている。
(※この根拠となる資料が掲載されたwebページ等があれば忘れずに!)
 
今回の場合、国土交通省からIT重説に関する説明資料があるので、そのURLを利用します。
資料タイトル:賃貸取引に係るITを活用した重要事項説明 実施マニュアル概要(平成29年9月)
 
これが追い風になり、不動産業界でも自社のサービス活用が増加している。
 

⑤実際に利用している企業からのヒアリングは可能か

大手不動産会社からヒアリングができる。ここは導入により管理コストが20%削減した。
(記者さんへの情報提供の際、利用企業のインタビューができるとお伝えしましょう!)
 

⑥新機能実装により、どのような効果が見込めるのか

不動産業界では契約書の種類が多く、また契約書尾取り交わしにおける登場人物が多い。煩雑になりがちだったり、契約書の管理コストが高くなる傾向が強いが、この新機能により、管理コストの軽減に寄与できる。
 
 
では、これをまとめると…
 
 


 
 
2018年1月に提供を開始した当社のサービスは、2020年1月時点で400社の企業で導入され、2019年1月時の導入企業数の100社より大幅に急増しています。

特に不動産関連企業に活用いただくことが増え、2019年1月時は全体の10%程度でしたが、2020年1月時は全体の35%を占めています。

これは、国土交通省が推進する、2017年に本格運用を開始したIT重説(出典:https://www.mlit.go.jp/common/001202497.pdf)が背景にあります。

〈以下、サービス概要と新機能の説明〉

この新機能によって、不動産業界で課題となっている契約書管理の負担が軽減され、管理コストの大幅な削減に寄与します。
 
 


 
 
と、いうような感じで、A.数字の推移、B.業界動向、C.データの根拠や出元を明確に記載できたリリースとなりました。
 
こうなると記者の方の目にもとまりやすく、また、ストレートニュースとして取り扱っていただける可能性も高まります。(導入企業のインタビューがアレンジできることのお伝えもお忘れなく!)

質問を重ねて深堀りすることで、データの根拠が明確になります。そして、自信を持って情報提供ができるようになります。
 
ぜひ新米広報さんは、マーケ部門や営業部門などと連携して、データ共有と情報共有を密に行えるような関係構築をしてみてください!

そして、気になることは記者になったつもりで、どんどん質問を投げかけてみましょう!
 
 

 


 

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1999年立命館大学卒業 フジテレビアナウンサー・フリーのキャスターとしてとして17年半にわたり、ニュース・情報番組を伝え続ける。フリー転身後に企業の広報・PR戦略を担当するコンサルタントを手掛けるOFFICE HASEGAWAを立ち上げ、今まで50社近い企業の顧問として活躍。「実際にニュースにする広報」として、誰もが知る大手広告代理店も相談・依頼をするパブリシティ戦略の第一人者。

概要( オンライン / 会場 )

日 時:2020年6月23日(火)18:30~20:00
 

  • [オンライン]
     
    会 場:Zoom
    入 室:18:20~
    料 金:10,000円(税込)
    定 員先着100名様
     
  • [会場]
     
    会 場:東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRID
        (東京メトロ永田町駅4番出口より徒歩3分)
    受 付:18:15~
    料 金:30,000円(税込)
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  • ※セミナー会場においては、マスクの着用、アルコール除菌、換気の徹底、ソーシャルディスタンスの確保、および収容定員の半分以下とする入室制限など、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を遵守した運営をいたします。

    ※新型コロナウイルス感染再燃に伴い、外出規制が発令された場合、会場での開催およびオンライン配信ができなくなる可能性がございます。その際は開催を中止させていただくことになりますので、あらかじめご了承ください。

    ※本セミナーは、企業の経営者や広報担当者向けです。弊社の競合企業(PR会社)の社員・関係者の方はお申込みをご遠慮ください。

主催:株式会社ベンチャー広報

代表取締役 野澤直人
20代でビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上の取材を経験。その後、当時無名だった某ベンチャー企業で広報部門をゼロから立ち上げ、同社在籍中の8年間で朝日新聞、週刊ダイヤモンド、ワールドビジネスサテライトをはじめ毎年100~140件のマスコミ露出を通じて同社のブランディングに貢献。その実績とノウハウをもとに、業界でも珍しい、中小ベンチャー企業専門のPR会社を設立。プレスリリースに頼らない画期的な手法で、多くの企業の広報活動を支援している。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」を主宰。

 

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株式会社ベンチャー広報は、創業から10年間で中小・スタートアップ企業に特化して300社以上の広報PR活動をサポートしてきました。その中でPRコンサルタントに蓄積されてきた独自の中小ベンチャー企業向けPR手法を、次世代に還元していく場が「ゼロイチ広報」です。

 


 

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スタートアップのためのPR会社・株式会社ベンチャー広報 代表取締役の野澤直人が、雑誌編集者→ベンチャー企業の広報PR担当者→PR会社社長、という異色の経歴から培った、令和時代を生き抜くための広報戦略と野澤独自のゲリラ的広報PRノウハウをお届けするメールマガジンです。