スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。
僕は事業会社時代は広報のマネージャーとして、PR会社を経営してからは社長として、相当な数の面接をしてきました。
実は、「この質問をすれば、その広報さんが優秀かどうか一発でわかる」という、僕なりのノウハウがありまして、今日はそれを皆さんにシェアしたいと思います。
広報の採用面接で、まともな面接官であれば、必ず何らかの意図を持って質問をしているはずです。
「面接官が応募者の何を見極めたくてその質問をしているのか」
面接を受ける側がこれを正しく理解した上で質問に答えることが、面接を成功させる最大の秘訣です。
事業会社の広報やPR会社への就職を目指し、転職活動をしている方には役に立つと思います。これは面接官の頭の中のネタバラシです。
最も誇れる成果を教えてください
まずひとつ目は「今までのキャリアで、最も誇れる成果を教えてください」という質問です。
広報の経験者の場合、プレスリリースが書けるとかメディアプロモートができるとか、スキルは持っていて当たり前。仕事をする上で大事なのは「そのスキルを活かしてどんな成果を出せるのか」です。
この質問で面接官は何を知りたいのか。実は見極めポイントが3つあります。
ひとつは、その応募者が「何を成果として捉えているのか」。
成果に関する視点や視座です。
広報にとっての「成果」とは何でしょうか。
「たくさんマスコミ露出をとりました」「公式SNSのフォロワーが増えました」「オウンドメディアのPVが倍増しました」
そういう回答も悪くはありませんが、残念ながら不十分です。面接官は、もう一段、高い視座の回答を求めています。
例えば、
・広報活動によって、どんな経営課題を解決したのか
・経営にどれだけプラスのインパクトを与えたのか
ここで求められているのは、そうした経営視点から俯瞰した広報の成果です。
例えば、マスコミ露出が増えることによって、商品の指名検索数が増え、それが商品の売上につながったとか。会社のSNS運用でフォロワーとのエンゲージメントが高まり、SNSから人材の応募が増えて、優秀なエンジニアが採用できたとか。
そういう話ができると良いと思います。
また、その「成果」が定量的に、つまり数字で表現できているかが2つ目の見極めポイントです。「成果」を聞いているのに、数字が出てこなければ、そもそもビジネスパーソンとしての基本ができていないと判断されます。
そして、3つ目の見極めポイントが、その「成果の大小」。
もっとも誇れる成果について聞かれているわけですから、求職者は自分の過去のキャリアの中で最大の成果について答えます。
つまりこの質問で、その人材のポテンシャル、期待できる成果の最大値がわかるわけです。それが会社が期待するレベルに達しているかどうか、それが合否の判断基準になります。
その成果を出すために何をしたか、具体的に教えてください。
実は、この質問にも見極めポイントが3つあります。それは「再現性」「PRパーソンとしての強み」「行動量」です。
前の質問で、応募者が「大きな成果を経営視点で数字を使って」説明したとします。でもそれだけで合格になるほど、面接は甘くありません。むしろ、本番はここからです。
次に面接官は、その成果をどうやって出したのか、その過程やプロセスを掘り下げていきます。
何かユニークなPR企画やアイデアがあったのかもしれないし、メディアプロモートが上手だったのかもしれません。いずれにしてもその過程やプロセスに、その候補者なりの工夫や努力があるはずです。
成果を出すまでの過程やプロセスを聞いて、面接官が再現性を感じられれば、自社でも同様の成果が出せるはずだと推測できます。
また、成果を出せたポイント=そのPRパーソンの強みと考えられます。つまり、この質問をすれば、結果的に、その応募者の強みもわかるわけです。
実は広報の成果というのは偶然出ることもありますし、本人の実力ではなく、たまたま環境が良かっただけ、ということも少なくありません。
例えば、「前職では年間200件のマスコミ露出を実現しました」といっても、それが大手企業の有名な商品であれば、そんなの全然難しくありません。ニュースバリューのあるPRネタは報道が多くて当たり前ですから。
ここで「その200件のマスコミ報道をどうやって実現したのですか」と掘り下げると、「何もしなくても毎日マスコミから勝手に取材依頼が来るので、それをさばいていただけです」みたいな回答だったりするわけです。
ひどい場合には、メディアプロモートをPR会社に丸投げして自分は何もしていなかったのに、成果だけはちゃっかり自分のものとしてアピールしてくる不届き者もいます。
このあたりはしっかり見極めないと面接官も騙されちゃいますね。
もうひとつのポイントは「行動量」です。成果を出すために、その応募者がどんなアクションをどれくらいしたのか。ここを掘り下げます。
例えば、
・プレスリリースを毎月10本以上書いてました
・毎月メディアキャラバンを30件以上こなしてました
・半年でマスコミ関係者100人と名刺交換しました
・毎月10冊、年間100冊以上、広報PR、マーケなどの関連書籍を読んでます
このように行動量の多い候補者は高く評価できます。
仕事においては、量が質を作るのであって、その逆はありません。成果というのは運や偶然に左右されがちですが、行動量は違います。成果より行動量の方が再現性が高いです。
たとえ、直近で目に見える成果がなかったとしても、行動量が多いひとというのは、将来的に成果を出す確率が高いと、ポジティブに評価されます。
仕事で苦労したエピソードや失敗談を教えてください
この質問の意図は「今までどれだけ難易度の高い仕事に取り組んできたのか」「それをやり遂げる力があるのか」ということです。
NG例は、そもそも大したエピソードが出てこないというパターン。プレスリリースを書いて一斉配信するだけとか、誰でもできるような簡単な仕事しかしてこなかった残念な広報さんは、この質問ですぐバレます。
苦労や失敗談のないひと=難易度の高い仕事に取り組んでこなかった、チャレンジ精神のないひとです。
そういう広報さんは、経験が少ないので広報スキルも低いですし、いざ難易度の高い仕事を任せたときに、やり遂げられるのか心配になります。
だから、この質問をされたら、今までどれだけ難易度の高い仕事にチャレンジしてきたのか。そして、どんな苦労をして、どんな失敗をしたのか、これを堂々と、赤裸々に話してください。
失敗談はマイナス評価になると思われるかもしれませんが、そんなことはありません。広報活動に意欲的に真剣に取り組んでいれば、たくさん失敗して当然です。むしろ、うまく行くことの方が少ないのが広報という仕事の特性ですから。
そして、その失敗から何を学び、自分がどう成長できたのかも一緒に話すとより効果的だと思います。
























