媒体研究〜Webメディアを知る~
新人広報パーソンのための広報いろは。

媒体研究〜Webメディアを知る~

36年のベテラン広報PRパーソンが伝授!

広報活動に欠かせない「媒体研究」ですが、インターネットの発達により、四マス(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)に加え、Webメディアが重要な位置を占めるようになりました。PRパーソンとしてチェックすべきWebメディアや、Webメディアにより変化した情報発信の姿などを解説します。

新年度に入り、広報部署へ新しく配属になった方が多くなる時期を迎えました。

広報パーソンにとって、メディアについて知ること、媒体研究は重要な業務の一つです。
かつては、メディアといえば、四マスと呼ばれるテレビ・ラジオ・新聞・雑誌をいいましたが、昨今では、四マスに加えて「Webメディア」が新たなメディアとして重要となってきています。

変わるメディアの在り方と情報発信の多様化

長引くコロナ禍で、テレワークの普及やデジタル庁の新設など、多くの企業がIT化に取り組み、IT人材の不足が課題となっています。政府や一般企業だけでなく、もちろん、マスコミ業界のデジタル化も急激に進みました。

新聞社や出版社は、紙媒体からWebメディアへデジタルシフトし、紙媒体をもたないWebメディア専門のマスコミも数多くなりました。 Webメディアの台頭やSNSの発達、5G等テクノロジーの進化もあり、ニュースはいつでも誰でもスマホでつぶさにキャッチできる時代となりました。

既に多くの企業が、WebサイトやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)・オウンドメディアを活用しスピーディに、多面的かつ双方向に効果的な情報発信を行うようになっています。

例えば、私がPRパーソンとして、大きく変わったと感じることの一つに資金調達が挙げられます。

そう、クラウドファンディングです。このコロナ禍で、BtoB、BtoC、ベンチャー、老舗を問わず数多くの企業が新たな資金調達とも呼べるクラウドファンディングに挑戦していました。私の新人時代は、資金調達=銀行・投資企業への訴求が基本。全国紙での報道がマストでした。

調達案件の社会的な意義を、募集前や結果の際に、Webメディアで情報発信し記事化につなげるケースが増えています。この報道により多くのステークホルダーに対して、自社の取組みを認知させ、次の資金調達にも有利になります。

Webメディアの種類

Webメディアは、新聞・通信社・雑誌社系と、特定の分野に特化した媒体(ビジネス経済・IT・テクノロジー・美容・ファッション・芸能・スポーツなど)の大きく2つに分かれます。

また、「Yahoo!ニュース」に代表される、ポータル系のニュースサイトや、スマートフォンに特化したSmartNews、ニューススイート、ニュースパス、グノシーなど、まとめ系サイトも大きな影響力を持っていますね。

ここからは、広報パーソンとして知っておきたい主な媒体について紹介します。
これらは、私が日頃意識している基本的な媒体とさせて頂きます。
ぜひこれらの媒体は知っておいて下さい。

一般・総合情報系
・朝日デジタル
・毎日jp
・日経電子版
・産経デジタル
・SankeiBiz
・読売オンライン
・共同通信/47NEWS

ビジネス・経済系
・ダイヤモンドオンライン
・東洋経済オンライン
・日経ビジネス電子版
・Business Insider Japan
・プレジデントオンライン
・NewsPicks

IT・テクノロジー系
・日経XTECH
・日経XTREND
・CNET Japan
・ZDNet Japan
・インプレスニュース
・インターネットコム
・マイナビ
・ASCII.jp

Webメディアと紙媒体の違い

Webメディアは、新聞や雑誌等の紙媒体を主としたメディアから派生したものと、独立系の2つにわけられます。新聞・雑誌系は、若年層を中心とした紙面離れの影響により、デジタルファーストが加速しています。

広報パーソンとして、メディアリレーションを行う上で参考になる、Webメディアと紙媒体の違いをご紹介します。

・Webメディアは、印刷や製本の工程がないため、締切り時間の制約が低く、すぐに記事化ができる

・記事量(文字数)の制約も低く、ストレートニュースの他にも、ストーリー性の高いコンテンツも豊富

・メディアと読者との間に、双方向性がありクイックレスポンスで実現

・SNSやニュースサイト等で記事の拡散ができるため、既存読者以外にも幅広い読者にもコンテンツを認知させることが容易

・記事ごとの反響を、ダイレクトかつ数値で把握できる

・Webで編集・修正ができるため、誤報などがあっても訂正が迅速かつ簡単にしやすいが、拡散力が強いため修正をしても、半永久的に情報が残ってしまう可能性があり、炎上などに至った場合取り返しがつかない。情報の正確性を担保したうえで、情報提供に臨むことが重要。

Webメディアの攻め方の基本

各媒体の編集方針や報道特性を知る
紙媒体と考えは同じです。日々の報道を分析し、どのようなジャンル・テーマ・カテゴリがあるのか知ることが重要です。

読者層・特性をしっかりと把握する
私の経験では、ネットメディアは紙以上に訴求対象を強く意識して報道しています。媒体側が意識している読者層を理解し、それにマッチした情報提供ができれば報道の確率がグッと上がります。

記者の興味関心を徹底的に分析する
紙媒体同様に多くの媒体では編集部があります。編集者・編集記者がいます。ネットメディアは、著名記事が多く容易に記者分析ができます。

情報提供したい記者が見つかれば、Webサイト上で編集部の問合せ先(電話番号やメールアドレス、問い合わせフォームなど)がありますので、そこから情報提供しましょう。

また、Webメディアの記者は、自身でSNSによる情報発信をされている方が多いので、そこからのコンタクトも有効です。

Business Insider Japan 編集長登壇 オンラインセミナーのお知らせ

私が最近注目しているビジネス系Webメディアの中に、「Business Insider Japan」があります。

Business Insider Japanは、2007年、ニューヨークでミレニアル世代のためのオンライン経済メディアとして誕生しました。その日本版であるBusiness Insider Japanは2017年1月にローンチ。11エディションで展開しています。全世界のユニークユーザー数は約2.8億にものぼります。

デジタル世代の読者にフォーカスし、数多くの情報を報道しています。昨年、弊社セミナーに前・統括編集長・浜田敬子様にご登壇頂き、大変ご好評を賜りました。そして、この度、現編集長の伊藤 有様にも、弊社オンラインセミナーにご登壇頂けることになりました。

伊藤様は、2000年代初頭から大手IT出版社の雑誌、およびPC/IT週刊誌で、ハードウェアからWebサービスまで、BtoCテクノロジー全般を主戦場に活動。媒体連動のWebメディアの立ち上げや、日本唯一のアップル発表会の現地生放送の企画・出演、3万人規模のコンシューマー向けITイベントの立ち上げ・企画・運営など形式を問わないメディア展開を手がけてこられました。

編集長代理を務めた後、Business Insider Japan副編集長/テクノロジー統括、2020年1月編集長に就任。近年はAI/ディープラーニングの産業利用の現状と発展に興味を持ち取材を続けていらっしゃいます。

今回はBusiness Insider Japanのメディア運営や編集方針といった、最新の情報について解説頂く予定です。詳細は、後日、弊社Webサイトにてお知らせします。

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記事の執筆者
三上毅一
三上 毅一
シニアPRコンサルタント・書籍プロデューサー

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学/地域活性と事業構想の特別講師。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」講師。PR業界歴36年。上場企業、中堅・ベンチャー企業問わず、戦略策定から広報担当者の育成までこなすベテランPRマン。豊富なマスコミ人脈を活かし広報PRの指南役として、BtoBからBtoC企業を幅広く担当、500社以上の実績を持つ。

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【媒体研究】4大ビジネス誌を攻略する
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