広報の心得やプレゼンテクニックを身につけるヒントが詰まった一冊
広報PR・おすすめの一冊

広報の心得やプレゼンテクニックを身につけるヒントが詰まった一冊

広報担当者には、プレスリリースを書くための文章力が問われますが、記者やディレクターなどメディアへ説明するプレゼン力も求められます。そこで今回は、テレビの放送作家であり戦略的PRコンサルタントとしても活躍する野呂エイシロウ氏が興味を引く話し方や雑談力のつけ方について解説する『「話のおもしろい人」の法則』を紹介します。

おすすめの書籍/著者について

タイトル:「話のおもしろい人」の法則
出版社:アスコム
著者:野呂エイシロウ
発売日:2014年4月27日

著者の野呂エイシロウ氏は「ザ!鉄腕ダッシュ!」や「奇跡体験アンビリーバボー」など多くの人気番組に携わってきました。アイディアをいかに面白く話せるかが重要になるテレビの企画会議の中で話し方や提案力、雑談力を鍛えられてきたとしています。

また「SoftBank」「ライフネット生命」「Expedia」「hulu」など国内外の90社以上の企業の戦略的PRコンサルタントとして活躍しています。

書籍の概要

野呂氏がメディア関係者や自身のクライアントとの仕事の中で実践している話し方を、自身のエピソードを交えながら述べています。そのなかで話のおもしろい人の法則や会話が続く人の法則、頭がよく見える人の法則など大きく分けて6種類の法則を紹介しています。

1. 話のおもしろい人、つまらない人の話し方の法則
2. 会話が続く人、続かない人の話し方の法則
3. 頭がよく見える人、おバカに見える人の話し方の法則
4. なぜか好かれる人、煙たがられる人の話し方の法則
5. なぜか怒られない人、すぐ怒られる人の話し方の法則
6. Facebookがおもしろい人、おもしろくない人の書き方の法則

ここでは、法則を2つピックアップし、ここから学べるポイントについてお伝えします。

1「話のおもしろい人、つまらない人の話し方の法則」から広報の心得を学ぶ

野呂氏はこの法則の1つに「話がおもしろい人は断らない。つまらない人はすぐ断る」ことをあげています。この中では、一流ホテルのレストランで働くウエイターがメニューにない料理を注文され、すぐに断ったことで、危うく大きな機会を逃しそうになったというエピソードが紹介されています。野呂氏はマニュアルにない難しそうな要望も「一度持ち帰ることが重要だ」と解いています。

これを読み、以前テレビ番組のディレクターをしていた筆者は、あるテレビ局の制作スタッフから聞いた話を思い出しました。その制作スタッフが以前、社長インタビューも含めた取材に向けBtoB企業の広報と打合せをした時の話です。その広報は「社長にそのような考えはないと思う」「その撮影は無理だと思う」と、ほとんどの提案を即答で却下したそうです。

「このままではテレビ番組が作れない。解決策はないか」と考えた制作スタッフは、社長との顔合わせをお願いしました。その席で広報に聞いた先の質問を念のため社長本人にもしたところ、社長の考えは制作スタッフが想定していた通りで撮影も可能だとわかりました。広報は事実を知らないのに、憶測で無理だろうと判断し断っていたのです。

番組制作スタッフは、この広報との打ち合わせについて「話にならなかった」と口にしていましたが、野呂氏の法則のように一度持ち帰れば番組制作スタッフから”できない広報”と思われずに済んだかもしれません。マスコミは横のつながりもありますし、評判を落として取材チャンスを逃さないためにも意識したい法則のひとつです。

2「会話が続く人、続かない人の法則」でプレゼンのテクニックを学ぶ

野呂氏はこの項目で「会話が続く人は前フリから入る」と述べていて、本題に入る前にどんな話をするのか、簡単にまとめて話すことで聞く側の期待感が高まるとしています。テレビ番組でも前フリは、視聴者にこのコーナーを見たいと思ってもらえるかどうかの重要な役割で、特に短い時間でわかりやすく伝えるニュースでは欠かせないパートです。

筆者も番組制作時代に企業の広報担当者やPR会社から多くのご提案をいただいてきましたが、なかには前フリもなくイチから会社の経営理念など説明し始める方がいらっしゃいました。この方法では番組側が一番知りたい情報が数十分たたないと聞けず、その間にこの企業に対する興味が薄れてしまうことがよくありました。話す順番も重要です。

野呂氏は書籍の中で「相手に合わせて話し方を変える」といったことにも触れるなどなるほど!と思えるテクニックを数多くあげています。くすっと笑いながら読めるエピソードも交えて紹介していて、とても読みやすいです。

まとめ

本書は、必ずしも広報担当者向けに書かれた本ではありませんが、テレビ業界とPR業界の両方で活躍する野呂氏だからこそのエピソードや考えに出会えます。難しい要望を受けた際の対応方法や心得などにも触れているので学びの多い一冊となるでしょう。

メディアが頼りにする、柔軟な対応ができる広報になるための一歩として手に取ってみてはいかがでしょうか。

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