営業資料じゃダメなんです!プレスキット制作に取り組もう

営業資料じゃダメなんです!プレスキット制作に取り組もう

広報セミナーに参加すると、「メディアの方に渡すプレスキットを作りましょう」と言われることは少なくありません。そんな中、企業広報の担当者さんから相談を受けている中で、意外とプレスキットを作っていない…?という印象があります。

プレスキットを作ることで、社内の変化を可視化でき、かつ記者さんの欲しい情報を漏らすことなく伝えられる可能性も高まります。ということで、本記事では、プレスキットの必要性と作り方についてお伝えします。

なぜプレスキットをつくるのか?

プレスキットを作れと言われても、「何をどのようなストーリーで盛り込むべきか」「他社や競合がどんな内容を盛り込んでいるか」など、プレスキットの「正解」がわからないと感じたことがあるのではないでしょうか?

その結果、営業部門で活用している営業資料や会社パンフレットをそのまま使っているケースも見かけます。なぜ営業資料があるのに、わざわざプレスキットをつくれと言われるのでしょうか。

それは、見込み客とメディアで必要な情報が違うからです。

プレスキットと営業資料の違い

見込み客は、購買するかやサービスを導入するかを費用や機能で検討するため、
・他社との違い
・料金
・その会社の強み
などを知りたいケースが多いです。
したがって、営業資料にはそうした内容が組み込まれます。

一方、プレスキットは、その名の通りプレス(メディア)に提供することを前提としています。
メディアは、
・取材が検討できるネタがあるか
・取材時のヒントになること
・報道時の確認事項
などを知りたいので、そういった情報を盛り込むことが必要とされます。

プレスキットの作り方

プレスキットの作り方は、十人十色ならぬ十社十色です。
手順としては次の3つが挙げられます。
(1)必要な項目の洗い出し(後述します)
(2)関係者へのヒアリング
(3)数字などの市場をあらわすファクトをあつめる

ヒアリングで気をつけることは、プロダクトやサービスの表層的なヒアリングに終わらず、業界のトレンドや市場性などをどんどん教えてもらうことが重要です。こうした周辺情報の肉付けにより、営業資料を超えてメディアに関心を寄せてもらえるプレスキットが完成します。

また、ツール(何で作るか)はパワーポイントやgoogleスライドなどをおすすめしています。平易に作成・更新ができることはもちろん、オンラインでの情報提供時に、アプローチする記者さんの興味関心に合わせてページ順が変えられ、画面共有時にも見やすいので、使いやすいと思います。

プレスキットに必要な情報

では、メディアに提供すべき情報、つまり、プレスキットに盛り込むべき内容とは何なのでしょう。

メディアリレーションを行う際に、以下の4つの切り口でアプローチすることが多いかと思います。これらの切り口いずれの場合でも通用するように仕上げるのが理想です。

(1)会社(事業や独自の福利厚生などコーポレートに紐づくもの)
(2)事業(サービスや商品に紐づくもの)
(3)代表(社長の人となりや企業背景に紐づくもの)
(4)ノウハウ(寄稿獲得に向けたノウハウのアウトプットに紐づくもの)と取材可能なこと

詳しく解説していきます。

会社(事業や独自の福利厚生などコーポレートに紐づくもの)

会社概要
設立日や代表者名など、コーポレートサイトに記載されている会社概要を記載します。資本金を記載する際は最新の数字になるよう注意しましょう。

ミッション、ビジョン(企業が実現したい世界観や思い)
ミッション、ビジョンをページ1枚にドンと記載するのもかっこいいのですが、なぜやるのか、何を課題に感じてその事業を手掛けているのかを明確に記載しましょう。

この課題を明確にすることで、後述するサービスの存在意義などがより一層伝わりやすくなります。特定の業界の課題解決をミッションとしている場合は、業界動向も記載するとなお良しです。

独自の福利厚生
最近では従業員満足度を高める施策として、独自の福利厚生がある企業も多いです。独自性が高かったり、その福利厚生ができた背景に課題性が強いものは、メディアへのアピールポイントになる可能性もあるので記載しましょう。

事業(サービスや商品に紐づくもの)

提供しているサービスや商品とその概要
サービス名、商品やサービスがわかる写真、どんな価値を提供するのかを記載します。一言でまとめたハイライト文を掲げることも忘れずに!

あなたの会社を知らない人があなたの目の届かないところで目にしても理解ができることが重要です。

サービスや商品の売上推移やユーザー推移など
その事業に対する勢いやニーズの高まりを視覚的に訴求するため、可能な範囲で自社に関する「数字」を可視化しましょう。契約数/出荷台数などだけでなく、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた3年前と比較してここで売上が伸びた、など、会社としてのターニングポイントが拾えるのもいいですね。

ビジネス媒体等は「売上」を判断基準としてチェックすることも多いです。

市場性
見込み顧客にとって、サービス/プロダクトの市場規模は営業段階ではあまり意思決定に影響しません。ただ、メディアにとってはそれは大きな判断材料や後押しになります。

その市場が伸びている、シュリンクしているがこの会社は伸びている、など、興味関心をひきそうなポイントをおさえ、盛り込みましょう。

代表(社長の人となりや企業背景に紐づくもの)

代表のプロフィール
代表インタビューの獲得に必要な情報です。出身地や出身大学、起業するまでのストーリーと写真を掲載します。ポートレートや学歴、経歴の羅列にならないように気を付けたいですね。

そのほか、何かのプロフェッショナルであるか、変わったこだわりはあるか、そして経営の参考にしている書籍、愛読書、人生を変えた1冊などもリサーチしましょう。多くの媒体で書籍を軸に社長紹介をするコーナーがあるので、アプローチの際に役立つ資料になるかと思います。

寄稿実績
寄稿実績があれば、過去にこんな記事を書いた、こんな連載をしているなどの情報も記載します。社長が積極的に寄稿をしていきたいという方であれば、絶対に記載しましょう。

ノウハウ(寄稿獲得に向けたノウハウのアウトプットに紐づくもの)と取材可能なこと

・こんなことが話せますよ!を記載する
どんなテーマでどんなことが話せるのかを簡単に記載します。寄稿の獲得を目指している場合は本格的な提案前の「打診」時に使えます。

・こんな取材ができますよ!を明確にする
記者さんへ情報提供に行った際に「取材獲得できなかった」と不完全燃焼に陥ることがあると思います。記者さんがほしい情報ではなかった、タイミングが合わなかった、準備不足だったなど、様々な理由がありますが、その中に「この会社にどんな取材ができるのかわかってもらえなかった」というのもあります。

記者さんの「取材したいこと」と自社の「取材対応可能なこと」が明確であれば、実りある情報提供の場になりますよね。

その他

広報の携帯番号
携帯番号というのがポイントで、いつでも直接連絡がつくホットラインの番号が書いてあるかどうかはとても大事です!

事例(取材可能リスト)
事例は営業資料でも盛り込まれているかと思います。ただ、メディアに向けて提出するにはそれだけでは不親切。取材可能な方で事例をピックアップし、取材可能リストも兼ねられると理想です。

メディアでの掲載実績
取材を検討する際に、その企業の信頼性を既出の報道で担保する場合があります。

プレスキットはどう活用する?展開方法は?

最近では、プレスキットをコーポレートサイトに掲載している企業も多いですね。これをおすすめするかどうかは会社の広報PR的ステージで異なります。

そもそも、あなたの会社のコーポレートサイトにメディアが来訪しているか?が焦点です。一度もインバウンドの取材がないということでしたら、無理にコーポレートサイトに載せなくてもいいかもしれません。

大事なのは届けることなので、ステージがまだ若い場合はサイトに載せるよりも媒体研究して合致しそうなメディアに自力で届けるのをおすすめします。

プレスキット作成時のコツと注意点

特に留意してほしいのは、アップデートを前提とすることです。

1年ごとではスパンが長いという程度の期間で、こまめに見直しをしてアップデートをかけましょう。事例や数字、代表のポートレートなどはこまめに更新します。

事務的な目線では、元データの保存が挙げられます。Excelやgoogleのスプレッドシートなどを活用してグラフを作ったけど、翌年にアップデートしようとしたら元データがない、、というようなことがあると、また数字を集めなおしてインポートしてグラフ化して、、と不要な手間が発生します。

かならず元データは残しておきましょう。

 

プレスキットは会社の成長に合わせて常にアップデートしていくものです。プレスキットを作成することで、自ずと社内リサーチの必要性が高まり、社内の「色々」が見えてきたりします。

社内の情報整理にも役立つので、ぜひプレスキットを作ってみてください。

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