媒体研究~全国紙のデジタルメディア編~
新人広報パーソンのための広報いろは。

媒体研究~全国紙のデジタルメディア編~

36年のベテラン広報PRパーソンが伝授!

かつてはWEBサイトがあっても、新聞紙面での報道を優先していた全国紙。ですが、時代のすう勢とともに、今では積極的にデジタルメディアを活用するようになっています。では、全国三大紙である朝日新聞、読売新聞、毎日新聞が、どのようなデジタルメディアを展開しているか紹介しましょう。

新聞社運営のネットメディアを知る

ここ数年、新聞社の多くは“デジタルファースト”が進んでいます。そこで全国三大紙の朝日新聞、読売新聞、毎日新聞に絞り、デジタル活用状況を紹介します。朝日新聞は「朝日新聞デジタル」、読売新聞は「読売新聞オンライン」、毎日新聞は「毎日新聞デジタル」を運営。各社それぞれ工夫を凝らし、情報満載です。

また、新聞報道とデジタル報道の融合に取り組み、スクープなど速報性を有するニュースを、先ずはデジタルで報道するケースが多くみられます。記者会見中に、その場で原稿をあげ、デジタルで報道することも珍しくありません。その後の後追い情報や詳細情報を、新聞でフォローする傾向にあります。

デジタル報道から、ヤフーニュースなどにも拡散されることも増えており、1つの情報でより多くのメディアにも紹介され、影響力が増しています。広報歴の浅いPRパーソンにとって、先ずは三大紙の各メディアを知り、徐々に自社に関わるメディアも広げてリサーチしもらえたらと思います。ここからは、それぞれのデジタルメディアの概要を紹介します。

朝日新聞デジタル

1995年に「asahi.com(アサヒ・コム)」の名称で開設されました。その後2012年に、「asahi.com」から「朝日新聞デジタル」に改名しました。WEBサイトの運営はデジタルメディア本部。ニュース配信は、主に朝日新聞の編集局が行なっています。

トップのジャンル構成は、トップ、社会、経済、政治、国際、スポーツ、IT・科学、文化・芸能、ライフ、教育・子育て、地域です。このジャンルから様々なコーナーが細分化されています。

その他に、朝日新聞社の関連サイトとして、論座、&M &w &Travel、就活ナビ、EduA、Moovoo、NewsVideo、bizble、withnews、CNET Japan、CNN.co.jp、Huffpost、AERA dot.、bouncy、ミズノートがあります(2021年12月現在)。

「AERAdot.」は、朝日新聞出版のサイトです。主体は「AERAdot.編集部」で、「AERAdot.、AERA、週刊朝日」のコンテンツが満載です。雑誌情報も把握する上で、こちらのサイトは大変参考になります。

また、サイト内にある「記者イベントカレンダー」も注目です。現役記者が各界のゲストと語り合う「記者サロン」があります。無料のオンラインイベントで、コンタクトしたい部署の記者さんが登場する企画もあり、大変勉強になります。

読売新聞オンライン

1995年6月に「YOMIURI ONLINE」として開設。新聞社が運営する日本初の本格的なニュースサイトとされています。2019年2月に「YOMIURI ONLINE」と有料会員制のサービス「読売プレミアム」を統合し、名称を「読売新聞オンライン」に改めサービスを開始しました。

サイトトップの構成は、新着、社会、政治、経済、スポーツ、国際、地域、科学・IT、エンタメ・文化、ライフ、医療・健康、教育・就活(2021年12月現在)。このジャンルから様々なコーナーが細分化されています。

その他の関連サイトは、働く女性に寄り添い、働く女性を応援するサイト「OTEKOMACHI(大手小町)」。女性向け掲示板で、女性のホンネが分かる「発言小町」。医療・介護・健康情報サイト「yomiDr.(ヨミドクター)」。「idea market(アイデア マーケット)」は、クラウドファンディングのサイトです。

「たびよみ」は、旅に関する便利なメディアです。「福岡ふかぼりメディアささっとー」は、読売新聞西部本社が運営する福岡県のローカルWEBメディア。「挑むKANSAI」は2025年大阪・関西万博をはじめ、大きな変化に直面する関西の姿を多角的に伝えます。このように、多くのサイトが展開され、情報が充実しています。

注目すべきサイトは、「大手小町」「発言小町」です。女性に特化した情報が満載で、筆者も情報提供してお世話になっています。1999年10月に女性向け情報サイト「大手小町」を開設。ワークスタイル、ライフスタイルプロジェクト、お悩み相談のカテゴリーで構成されています。

企業情報としては、「ワークスタイル」内で多くのビジネスウーマンも登場しています。「私のハッピーアイテム」では働く女性の仕事と、お気に入りの「ハッピーアイテム」を紹介。等身大のライフスタイルと価値観を伝える人気コーナーです。ライフでは、結婚、エンタメ、美容、アート、フードなどの情報が紹介されています。

また、「発言小町」も1999年にスタートしました。女性系サイトでは日本最大級の規模です。恋愛や結婚、離婚、家族や職場の悩みなどを匿名で相談できます。また、小町ニュース、小町VOTE、ヒストリーの独自記事も紹介されています。

毎日新聞デジタル

「毎日jp」として2007年に開設。2012年にニュースサイト「毎日新聞」に変更。その後、2015年6月に「毎日新聞ニュース」が全面リニューアルされ、「デジタル毎日」のサービスを開始。今年に入り全面リニューアルを機に、「デジタル毎日」から「毎日新聞デジタル」に変更されました。

サイトトップの構成はトップ、速報、特集、連載、社会、政治、経済、国際、スポーツ、環境・科学、カルチャー、暮らし・学び・医療、地域、オピニオン(2021年12月現在)。関連コンテンツとして、「経済プレミア」「医療プレミア」「政治プレミア」「毎日小学生新聞」「サンデー毎日」「週刊エコノミスト」の情報も配信されています。

筆者のお勧めは、この「経済&医療プレミア」です。多くの企業人や専門家の執筆記事が充実しており、また執筆者一覧で、記者や執筆者のプロフィール情報もリサーチできます。

ネットメディアの見方のポイントとは

新聞と違い、情報を面で見ることができません。新聞は情報が限られていますが、面で見ることから、知らない情報でも一目でチェックできますが、ネットでは情報更新も早く、また情報量も豊富です。

ネットメディアの有効活用としては、コンテンツ構成やコーナーをしっかりとリサーチをしておき、必要なコーナーを把握しておくことが重要です。また記事数も多く、比較的に執筆記事も多いため、情報提供したい記者の過去記事もリサーチが容易です。ここから記者情報をリサーチしてアプローチしてみるのも得策です。

オンラインセミナー開催のお知らせ

今回、読売新聞社「OTEKOMACHI(大手小町)」「発言小町」編集長の小坂佳子様が、弊社セミナーに登壇いただくことになりました。

小坂様は、1993年、読売新聞社に入社。秋田支局、立川支局などを経て2000年から家庭面を担当し、子育てをしながら食や保育、働き方などについて幅広く執筆。2016年6月から秋田支局長を務め、2018年7月から「OTEKOMACHI(大手小町)」編集長に。「発言小町」は、2019年10月に20周年を迎え、2021年6月にサイトリニューアルを行いました。

小坂様には、サイト編集の方針や関心分野について。また、ベンチャー・スタートアップ企業の広報PRパーソンでも、情報提供できるコーナーや情報の分野についても解説頂きます。詳細は、後日、弊社ホームページにてお知らせします。メールマガジン「広報PRラボジャーナル」でも告知しますので、まだ購読されていない方は、ぜひこちらから登録(無料)ください。

サービス資料のダウンロード

私たちが提供するサービスの紹介資料です。

記事の執筆者
三上毅一
三上 毅一
シニアPRコンサルタント・書籍プロデューサー

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学/地域活性と事業構想の特別講師。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」講師。PR業界歴36年。上場企業、中堅・ベンチャー企業問わず、戦略策定から広報担当者の育成までこなすベテランPRマン。豊富なマスコミ人脈を活かし広報PRの指南役として、BtoBからBtoC企業を幅広く担当、500社以上の実績を持つ。

記事の執筆者
【媒体研究】4大ビジネス誌を攻略する
【媒体研究】4大ビジネス誌を攻略する
のほかの記事を読む