「出版から書籍PRまで」が成功の秘訣
企業出版

「出版から書籍PRまで」が成功の秘訣

1日に約200冊、年間で約7万冊の新刊が出版される中で、自社の書籍を知り、買いたいと思ってもらうかは企業出版を成功させるために欠かせないポイントです。本記事では、書籍の認知・販促に向けた「書籍PR」について、事例と一緒に解説します。

※出版の基礎についてはこちらの記事で解説しているので、まず出版の種類や方法について知りたい方は併せて読んでいただければと思います。

書籍PRとは

新刊情報をメディアに情報提供し、報道(パブリシティ)を獲得させていく手法をいいます。出版後の広報PR=書籍PRは重要で、出版の波及効果に加え、書籍・筆者をフォーカスした報道を得ることで何倍ものメリットが生まれます。

その他に店頭展開、インフルエンサーを通じての認知・購入促進なども入ります。

書籍PRの方法

自社の書籍が完成のメドがたった時から、書籍PRの活動計画をたてます。

基本的には、書籍内容をプレスリリースとして作成し、書籍刊行直後からメディア露出させていきます。その他、広告出稿やサンプリングなどの手法を併用する場合もあるので、一つずつ解説していきます。

プレスリリースによる情報提供

新刊書のプレスリリースを作成し、メディアに情報提供をします。書籍PRにおけるプレスリリースの構成要素としては主に5つの項目が挙げられます。

①簡単なあらまし
②一番言いたいこと
③誰に向けての本か
④目次
⑤著者のプロフィールとなります。

露出先は、新聞、雑誌、web等の「書評」「新刊紹介」「話題の本」といったコーナーとなります。ここで気を付けなければいけないのが、マスメディアの場合、書評委員会という書籍の選択権を外部の有識者に委任している媒体もあります。

これは、より専門性の高い知見から公平中立に選択し紹介する編集方針に基づきます。つまり、マスメディアで紹介されると大きな影響力があることを意味します。

広告出稿

書籍出版の世界では、本の売上げを伸ばすために、新聞広告を掲載させる手法があります。皆さんも全国紙の1面下段に多くの新刊情報が掲載されているのを見たことがあるかと思います。大手出版社から中堅出版社刊行の多くの情報が掲載されています。

特に大手出版社から書籍が刊行できれば、全国紙1面で自社の書籍が紹介される可能性もあります。出版社として力を入れている書籍であれば、出版社側の費用負担で掲載されることもあります。

販促的にも、また全国紙に企業名や著者である代表者の名前が掲載されることは、企業ブランディング上でも、大きなメリットにつながります。

ぜひ皆さんも大手出版社での書籍化を考えてみて下さい。

店頭展開

書店の売り場でPOPを出してもらったり、売り場の中でも目立つ位置に書籍を置いてもらうことです。通常、出版社の営業部がこの仕事をしていますが、著者が「書籍のセールスマン」となって書店にPOPを配ったり、書店の店員に挨拶をすることが稀にあります。

献本(サンプリング)

書籍PRでは、上記で解説したプレスリリース作成後、献本という書籍のサンプリング活動があります。プレスリリースと書籍を合わせてメディアへ情報提供します。

プレスリリースの内容だけでは情報が乏しいので、献本をすることで実際にどのような内容なのか、担当者に読んでもらった上で読者に有益な書籍か判断してもらうことが可能になります。

ストレートな新刊紹介や著者インタビュー、書籍をフックとした執筆企画、読者プレゼントなど様々な報道が実現できます。

書籍PRの事例

クライアントの事例から、書籍PRについて解説していきます。

書籍について

『全員を戦力にする人財育成術 離職を防ぎ、成長をうながす「仕組み」を作る』(ダイヤモンド社)
著:㈱ホスピタリティ&グローイング・ジャパン 代表取締役社長・有本均
本書は「商業出版」です。

・著者の有本代表は国内唯一、マクドナルドとユニクロの企業教育の責任者を歴任されていた
・「人手不足」「離職」の社会課題を企業教育で解決していた

この2点が商業出版を実現できた最も重要なポイントになります。出版社としても、マクドナルド&ユニクロのブランド力と、社会課題を解消できる手引き書として、多くの部数が見込めると考えることができます。

書籍PR

発刊直後に日経新聞1面に広告を掲載頂きました。その後、新刊用のリリースを作成し、書籍サンプリングも合わせて展開していきました。

一般メディアから飲食・宿泊関連業界にいたる多くの媒体で、新刊紹介や著者インタビューの報道が書籍に関するものだけでも20件以上されました。

また、メディア主催のセミナー登壇や、Amazon売れ筋ランキング人事部門1位獲得も実現しています。

書籍出版の効果

書籍の影響力とPR活動の両輪により、Webサイトの流入数の増加、広範な業種・業態企業より問合せ増加など、サービス導入促進・マーケティング活動への貢献も実現できました。同書籍はその後、中国版も発刊。近々タイ版も発刊予定です。

海外拠点を持つ企業は、一つのコンテンツで世界に向けた書籍刊行も可能です。発刊後2年が経ちますが、現在も著者インタビューや著書の寄稿、また書籍コンテンツをそのまま記事として報道もされています。

1冊の書籍出版ですが、長い期間メディアにも露出されており、広報PRに限らず、マーケティングやブランディングにも大きく貢献していると言っても過言ではありません。

まとめ

書籍の出版を予定されている方、またこれから出版を計画される方は、ぜひ出版の企画だけでなく書籍PRまで取り組み、最大限の効果を生み出すことをお勧めします。

ベンチャー広報では成果報酬型で書籍出版プロデュースをおこなっています。
ご興味のある方は是非ご相談ください。

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記事の執筆者
三上毅一
三上 毅一
シニアPRコンサルタント・書籍プロデューサー

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学/地域活性と事業構想の特別講師。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」講師。PR業界歴36年。上場企業、中堅・ベンチャー企業問わず、戦略策定から広報担当者の育成までこなすベテランPRマン。豊富なマスコミ人脈を活かし広報PRの指南役として、BtoBからBtoC企業を幅広く担当、500社以上の実績を持つ。

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【媒体研究】4大ビジネス誌を攻略する
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