PRパーソン・小池百合子氏に学ぶ
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PRパーソン・小池百合子氏に学ぶ

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報
代表取締役の野澤直人です。

先月出版された『女帝 小池百合子』(石井妙子・著)が話題ですね。
現在、アマゾンの本の総合ランキングでも、トップ10を維持しています。7万部を超える勢いなのだとか。

小池百合子氏は広報の天才だと思います。
PRパーソンとして彼女から学ぶべき点はとても多い。

まず、彼女はマスコミ受けするストーリー(物語)を作るのがとても上手です。

1976年、エジプトのサダト大統領夫人が来日した際、当時20歳前半だった小池氏は日本でのアテンド役になりました。それだけでなく、彼女は自分をマスコミに売り込み多くの媒体に自分を取り上げさせることに成功します。それが彼女のマスコミデビューです。

その時のストーリーがこちら。

「芦屋のお嬢様が単身エジプトに留学し現地で戦争を体験。難関のカイロ大学を日本人として初めて4年で卒業。しかも首席。アラビア語と英語を使いこなす20代の才女」

マスコミが何をよろこぶか、どんな話題を欲しがっているか、彼女は本能的に理解していたのでしょう。当時、新聞、ラジオ、テレビがこぞって彼女について報道したのもうなずけます。

また、マスコミ受けするエピソードを多数持っているのも彼女の強みです。

  • カイロ大学の卒業を記念してピラミッドの上で着物を着てお茶を立てた。
    (その時の写真を多数のマスコミが掲載)
  • 中東で搭乗予定の飛行機をキャンセルして滞在を延ばしたら、その飛行機が戦闘機に撃墜された。その後同じことがもう一度あった。飛行機事故を2度も回避して生き残った強運の持ち主・小池百合子。

彼女が日本新党の議員として国会に初登院する際、サファリルックで登場し「国会には猛獣とか珍獣とかがいらっしゃると聞いたので」という名言を披露したのも有名なエピソードです。

常にマスコミから注目されるにはどうするかを考えて行動していることがよくわかります。

小池氏は、1979年から1985年まで「竹村健一の世相講談」というテレビ番組でアシスタントキャスターを経験。その後、1988年よりテレビ東京『ワールドビジネスサテライト』初代メインキャスターをしています。このマスコミ経験は「PRパーソン・小池百合子」の大きな強みになっているはずです。

国会議員時代の彼女は、日本新党でも、新進党、自由党でも常に党の広報を担当し、党の広告塔として活躍しています。政党を企業に置き替えれば、彼女の役割は企業の広報担当者ということになります。

キーメッセージ作りに長けているのも小池氏の特徴です。

最近では都知事として、「3密(密閉・密集・密接)」「STAY HOME週間」などインパクトのあるフレーズを用いたメッセージを発信。日本新党時代には「無責任嘘つき政治家総とっかえ」というインパクトのあるキャッチフレーズを発案しています。環境大臣のときに「クールビズ」の仕掛け人としてブームを作ったのは彼女のPRパーソンとしての最大の実績でしょう。

彼女が仕掛けるPR手法も多彩です。

国会議員時代には複数の週刊誌で連載を持っていましたし、書籍も多数出版しています。最近では都知事としてYouTubeの動画での発信にも積極的ですね。その時代に合わせて有効なメディアを使い分けるセンスがあります。

前述の『女帝 小池百合子』(石井妙子・著)では、小池氏がマスコミ報道を最大限に活用しながら小池百合子ブランドを作り上げていく様子が詳細に書かれています。

注目すべきは、小池氏がマスコミを通じて発信している内容に、虚偽や誇張が多分に含まれていると指摘している点です。もしこれが事実であれば問題でしょう。

広報活動をする上で「ウソ」は絶対に許されません。PRパーソンには正直さと誠実さが強く求められます。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

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