関係者が証言する「ここがダメだよPR会社」
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関係者が証言する「ここがダメだよPR会社」

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報
代表取締役の野澤直人です。

今回は業界関係者の証言をもとに、普段はあまり表に出てこないPR会社に関する業界裏話をご紹介します。
※各証言については、野澤が実際に聞いた話をもとに再構成したものです。

<マスコミ関係者A氏の証言>
PR会社ってあんまり良い印象ないな。
彼らが持ってくる情報って、プレスリリースが出てから何週間も経過した古い情報だったりして、全く役に立たない。
あとPR会社の人って勉強不足じゃない? プレスリリースに書いてないことを聞くとその場で答えられないことが多いよね? 「クライアントに確認します」と回答を得るのに2~3日かかったりするし。

(野澤解説)
事業会社の広報さんがプレスリリースを出してみたものの、全く取材がとれずに困って、「このネタなんだけど、なんとか報道とれないかな」とPR会社に急遽メディアプロモートを依頼するケースが良くあります。
そもそも筋の悪い(ニュースバリューが低い)ネタを渡されるPR会社もかわいそうですが、一番の被害者はそんな情報を売り込まれるマスコミの人ですね。

質問への回答が遅いというのは、コミュニケーションに関わる人が多すぎるために起きる問題です。特に大企業がPR会社を使う場合、広告代理店が間に入ることがあり、このような伝言ゲームが発生しています。
「事業会社の広報担当者⇔広告代理店の担当者⇔PR会社のAE※⇔PR会社のプロモーター⇔マスコミの人」
※AE:アカウントエグゼクティブ。PR会社の中でクライアントサイドを担当する営業スタッフのこと。

PR会社のプロモーターが勉強不足、広告代理店の担当者がPRのことをわかっていないという意見もありますが、そもそもこんな伝言ゲームになっているという構造上の問題ですね。

<大手PR会社の元社員B氏の証言>
僕が以前いたPR会社は年間の離職率が30%超えてたよ。これってつまり、数字上は3年間でほぼ全ての社員が入れ替わるってことだから。これじゃ人も育たないし、やばいよね。
<人材紹介会社社長C氏の証言>
PR会社さんは本当にいいお客さんです。いつも人材を募集してますから。広報PRの経験がそれほどない人でも採用してくれますよ。よっぽど人不足で困ってるんですね。

(野澤解説)
PR会社の離職率は高いです。長時間労働・低賃金がその主な原因だと思います。平日は終電まで働き、土日出社も当たり前。それでも20代の若手だと年収300万円前後です。子育てしながら働ける環境じゃないし、そりゃ辞めますよね。

PR会社としては、スタッフが辞めてもクライアントはいるわけだから、採用は待ったなしです。人材を選んでいる余裕はありません。入社したスタッフも経験を積む前に退職してしまいますので、結果、いつまでたっても、社内には未経験でレベルの低いスタッフばかり。これがPR会社の実情です。

こうなってしまうのは、PR会社の経営者のレベルが低いからです。通常、広報PRの仕事で実績を上げたトップコンサルタントが、出世したり独立起業してPR会社の社長になります。
しかし、「名選手必ずしも名監督ならず」という言葉があるように、広報PRの仕事と会社の経営は全く別物。経営力のない社長の下で酷使されるPR会社のスタッフは本当にかわいそうだと思います。

最後に。
手前味噌になりますが、僕が経営するPR会社(ベンチャー広報)では、以下のやり方で普通のPR会社が持つ問題を解決しています。
・広告代理店の下請け仕事はせずに、クライアントと直契約する。
・AEとプロモーターなど分業制にせず、1人のスタッフがクライアントとマスコミ両方の窓口をする。
・無駄な仕事(報告書作成や社内会議など)をできるだけ排除し、スタッフの長時間労働を回避する。
・経営努力で黒字体質を維持し、利益をスタッフに還元することで、スタッフの報酬レベルを一定以上に保つ。
・スタッフの定着率を上げることで長期間経験を積んでもらい、人材のレベルアップを図る(離職率が低いと、採用コストも低く抑えられるため、会社の収益性もアップする)。

皆さんもPR会社との接点があれば、話を聞いてみてください。
いろんな会社があって面白いですよ。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

記事の執筆者
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