「広報を内製化すべきかPR代理店に外注すべきか問題」を考える
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「広報を内製化すべきかPR代理店に外注すべきか問題」を考える

中小・スタートアップのためのPR会社 ベンチャー広報の野澤です。 「スタートアップの広報担当者は、愛社精神のあるWHY型人材で内製化するのがいい」という声をよく聞きます。 PR会社(PR代理店)を経営している私が言うのも…

中小・スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。

「スタートアップの広報担当者は、愛社精神のあるWHY型人材で内製化するのがいい」という声をよく聞きます。

PR会社(PR代理店)を経営している私が言うのもなんですが、「広報は内製化すべき」という意見には大賛成です。
それが理想だと思いますし、本来はそうすべきでしょう。

しかし現実的には、スタートアップやベンチャー企業が広報機能を内製化するのは本当に難しいです。
今回はその理由と、内製化を成功させるための王道について考えてみます。

広報の仕事は専門的かつ多様なスキルが必要

まず一つ目は、広報の仕事が非常に専門的かつ幅広いスキルが欠かせないからです。

広報担当者になることは誰でもできます。
しかし、会社に貢献できる広報担当者になれる人はそう多くはありません。

実際、広報として経営に貢献できるレベルのアウトプットを出せる人材は極めて少ないのです。

広報PRの仕事は極めて専門性が高く、素人が簡単にできる仕事ではありません。
広報担当者には、高いコミュニケーション能力に加えて、ライティング力、企画力も必要です。
そんな万能な人はなかなかいないということはお分かりいただけると思います。

結果を出すためには「HOW」が不可欠

確かに広報担当者はWHY型の人材が向いています。

しかし、いくら会社に対する愛情があっても、広報に適性のない人が広報担当としてアサインされた場合、残念な結果になる可能性が高いです。
プレスリリースを書いてツールを使って一斉配信するくらいなら誰でもすぐできますが、インパクトのあるマスコミ報道を継続的に実現するなど、会社が期待する高いレベルのアウトプットを出すのは容易ではありません。

広報の内製化に取り組んだものの、広報担当者が全く成果を出せず
「やっぱり広報は素人には無理ですね」「広報はプロに任せた方がいいと判断しました」とご相談を頂くことも少なくありません。

そうして広報を内製化から外注に切り替えた結果、比較的早く成果が出ることも多いです。

WHY型人材ではなくても「HOW」を知っている外部のプロフェッショナルが主軸となって取り組むことで結果が出るケースをいくつも見てきました。
特に短期的な成果を広報に求めるなら「WHY」<「HOW」なのかなと思います。

広報のスキルやノウハウを教えられる人が社内にいない

スタートアップの場合、社内に広報PRの経験者がおらず、広報の仕事で結果を出すのに不可欠な「HOW」を教える人がいないというのも大きな問題です。

素人が広報担当者にアサインされて、業務のやり方を指導できる上司や先輩もいないなんて、広報担当者がかわいそうすぎます。

でもコレ残念なことに、スタートアップの広報あるあるなんですよね。
誰ひとり右も左もわからない状態で、成功に向かうことが難しいのは言うまでもありません。

企業が担当者の成長を待てない

広報担当者はそう簡単には育ちません。

たとえポテンシャルのある人材でも、広報として一人前になるまでには頑張っても最低一年はかかります。
通常は2年くらいはかかるでしょう。
ただ、スタートアップの場合、そんな長い期間成長を見守っていられませんし、待てないはずです。

実際に、広報を内製化しようとして、様々な理由で断念する企業をたくさん見てきました。
残念ではありますが、それが現実なのです。広報の内製化は甘くはありません。

広報予算に年間1000万円あてられない

内製化が難しいならPR会社に広報業務を外注すればいいと思うかもしれません。
そう簡単にいかないのが、スタートアップの悩み深いところです。

大手PR会社に広報業務を外注すると月額100万円くらいかかります。安くても月額60万円からでしょう。
しかもそれを年間契約しなければいけません。つまり100万円×12か月=年間1000万円前後の予算が必要です。
スタートアップがこの費用を捻出するのは予算的にかなり難しいのではないでしょうか。

広報を最短で内製化する王道とは

それでは、スタートアップ企業の広報はどうすればいいのでしょうか。
「内製化を前提に、自社の広報の土台作りをプロに依頼する」のが最短にして確実な王道だと思います。

①PR会社やフリーランスに依頼して自社の広報機能の土台をつくる

まずはPR会社に広報の代行を依頼して、
広報PRの戦略設計、年間計画立案、マスコミに刺さるストーリー作り、メディア向けの資料作成、マスコミ人脈の開拓(メディアリレーションズ)など、
企画戦略から実行までPDCAが回せる体制をプロに作ってもらいます。
広報体制を作る立ち上げの部分が一番難しく時間がかかるので、そこはプロに任せて最初の半年から1年で広報の基盤を作ってもらった方が早くて確実なのです。

②内製化を支援してもらう

ベースができたら、次は内製化を進めます。
社内で広報担当者を立てて、プロのPRパーソンに伴走してもらう形に移行します。
ここで正式に広報担当者をアサインするわけですが、愛社精神のあるWHY型人材が良いことは間違いありません。
プロのPRパーソンに担当者を育成してもらうことで、広報PRの経験豊富な上司・同僚がいるような環境が作れます。
このパターンで進めると、効率よく広報の内製化が完了します。

広報立ち上げのために即戦力の経験者を採用したい場合に、採用が難航しているケースにもこのパターンが有効です。
私の経験上、これがスタートアップ企業が広報を短期間で構築し内製化できる最適な方法です。

スタートアップ企業の広報体制をどう構築すべきかについて私なりの考えを書いてきました。
実際に、内製化に向けて弊社が伴走しているお客様も多くいらっしゃいます。
ぜひ参考にしてください。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

記事の執筆者
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