2019/06/19

「スタートアップは広報を内製化すべきか外注すべきか問題」を考える

社長ブログ

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。

最近、広報PR界隈で「スタートアップの広報担当者は、愛社精神のあるWHY型人材で内製化するのがいい」という声をよく聞きます。

PR会社を経営している私がいうのもなんですが、「広報は内製化すべき」という意見には大賛成です。それが理想だと思いますし、本来はそうすべきでしょう。

しかし現実的には、スタートアップやベンチャー企業が広報機能を内製化するの本当に難しいです。

今回はその理由について書いてみようと思います。

理由1:広報の仕事は専門的かつ多様なスキルが必要

広報担当者になることは誰でもできます。

しかし、会社に貢献できる広報担当者になれる人はそう多くはありません。

実は、広報として経営に貢献できるレベルのアウトプットを出せる人材は極めて少ないのです。

広報PRの仕事は極めて専門性が高く、素人が簡単にできる仕事ではありません。広報担当者には、高いコミュニケーション能力に加えて、ライティング力、企画力も必要です。そんな万能な人はなかなかいないということはお分かりいただけると思います。

理由2:結局、結果を出すためには「HOW」が不可欠

確かに広報担当者はWHY型の人材が向いています。

しかし、いくら会社に対する愛情があっても、広報に適性のない人が広報担当としてアサインされた場合、残念な結果になる可能性が高いです。プレスリリースを書いて一斉配信するくらいなら素人でもすぐできるでしょうが、インパクトのあるマスコミ報道を継続的に実現するなど、会社が期待する高いレベルのアウトプットを出すのは容易ではありません。

広報の内製化に取り組んだものの広報担当者が全く成果を出せず「やっぱり広報は素人には無理ですね」「広報はプロに任せた方がいいと判断しました」と社長さんがおっしゃって、我々に広報代行をご依頼頂くことも少なくありません。

そうして広報を内製化から外注に切り替えた結果、比較的早く成果が出ることも多いです。

WHY型人材ではなくても「HOW」を知っている外部人材が取り組むことで結果が出るケースをいくつも見てきました。特に短期的な成果を広報に求めるなら「WHY」<「HOW」なのかなと思います。

理由3:広報のスキルやノウハウを教えられる人が社内にいない。

スタートアップの場合、社内に広報PRの経験者がおらず、広報の仕事で結果を出すのに不可欠な「HOW」を教える人がいないというのも大きな問題です。

素人が広報担当者にアサインされて、業務のやり方を指導できる上司や先輩もいないなんて、広報担当者がかわいそすぎます。

でもコレ残念なことに、スタートアップの広報あるあるなんですよね。

理由4:企業が担当者の成長を見守れない・待てない

広報担当者はそう簡単には育ちません。

たとえポテンシャルのある人材でも、広報として一人前になるまでには頑張っても最低一年はかかります。通常は2年くらいはかかるでしょう。ただ、スタートアップの場合、そんな長い期間成長を見守っていられませんし、待てないはずです。

実際に、広報を内製化しようとして、様々な理由で断念する企業をたくさん見てきました。残念ではありますが、それが現実なのです。広報の内製化は甘くはありません。

外注も簡単にはできないという現実

内製化が難しいなら、PR会社に広報業務を外注すればいいと思うかもしれませんが、そう簡単にいかないのが、スタートアップの悩み深いところです。

大手PR会社に広報業務を外注すると月額100万円くらいかかります。安くても月額60万円からでしょう。しかもそれを年間契約しなければいけません。つまり年間1000万円前後のコストがかかるのです。スタートアップがこの費用を捻出するのは予算的にかなり難しいのではないでしょうか。

そうなると、PR会社よりも費用をおさえられるフリーランスのPRコンサルタントに依頼しようと考えるわけですが、実はここにも大きな落とし穴が。

次回は、「フリーランスのPRパーソンは大丈夫か問題」について考えてみたいと思います。