マスコミ関係者とつながる5つの方法

マスコミ関係者とつながる5つの方法

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。

「記者さんと知り合ってマスコミ人脈を増やす」。これは広報業務の中でも難易度の高い仕事のひとつです。広報初心者はもちろんですが、実は経験を積んだ大企業の広報さんでもこれができる人はなかなかいません。

逆にいえば、「マスコミ関係者とつながる方法」を熟知し、自ら実行できる広報担当者・PRパーソンは、それだけレベルが高いということです。私が20年の広報経験の中で試行錯誤してきた具体的なノウハウを5つご紹介します。

1「電話」でつながる

「面識のない記者さんにいきなり電話して失礼になりませんか」と心配する初心者広報の方もいますが、全然大丈夫です。記者さんに連絡してコミュニケーションを取るのは、広報担当者の”仕事”ですから。それはマスコミの方もよく分かっています。

ただ、この電話コンタクトには、マナーやお作法、適切なやり方があります。これを知らずに電話をすると、記者さんに嫌われることがありますので、注意してください。まず、最低限のマナーは「電話をする前に、相手の媒体に必ず目を通す」ということです。

新聞、雑誌、WEB媒体であれば、必ず事前にその媒体の記事を読む。テレビであれば番組を視聴する。これをせずに電話をするのはマナー違反ですので注意しましょう。その上で、できるだけ記者さん個人宛に電話するのがコツです。

電話して受付の人が出た時に「誰でもいいから編集部の方につないでください」というのと「●●記者をお願いします」というのは、取り次いでもらえる確率が全然違います。事前に相手の媒体に目を通した上で「自分が提供する情報に、最も関心を持ってくれそうな記者さんを特定して電話する」これが成功の秘訣になります。

私が以前、海外留学の会社で広報をしていたときには、過去の海外留学の記事を探して、その記事を書いた記者をリストアップしていました。その記者が過去に海外留学について記事を書いているということは「海外留学の領域を担当している」もしくは「海外留学という分野に何らかの関心がある」と考えられます。

海外留学というテーマに関心のある記者に、海外留学の情報を提供するからこそ、面談のアポも取れるし、取材や報道にもなりやすいのです。

新聞であれば、署名記事を見れば、その記事を書いた記者さんの名前がわかります。雑誌であれば、目次や奥付けの近くに、編集部全員のスタッフクレジットが掲載されていることが多いです。

テレビの場合、番組の最後に流れるエンディングロールを見ればディレクターやプロデューサーの名前がわかります。

「媒体を隅々までチェックして、記者さんのフルネームを調べ、個人宛に電話をする」
シンプルにやることはこれだけです。

2「SNS」でつながる

「電話」と言う手法は今でも有効ですが、以前に比べるとやりづらくなった感は否めません。なぜなら、マスコミ関係者も在宅勤務が増えていて、編集部に電話をしても、不在のことが多いからです。

そこでここ最近、有効と言われているのが、SNS上でマスコミ関係者を見つけてDM(ダイレクトメッセージ)を送るという方法。色々なSNSがありますが、おすすめはX(旧Twitter)です。

Xのユーザー名のところで「記者」というワードで検索をしてみて下さい。

「私は●●●●で記者をやっています」とか「●●●●分野のジャーナリストです」等のプロフィールを持つユーザーがすぐに複数見つかります。

さらに「媒体名+記者」のアンド検索もやってみて下さい。これでも見つかるはずです。

記者さんのXのアカウントを見つけたら、まずはフォローしましょう。その記者さんの投稿内容を見ることで、相手の興味・関心が把握できます。その上で、記者さんにDMを送ってつながりましょう。

3「手紙」でつながる

このインターネット時代に手紙かよ!って突っ込まれそうですが、インターネット時代だからこそ「手紙」が有効なんです。コツは私信で手紙を出すということ。

まず、宛先を「編集部御中」ではなく「●●●●記者様」と個人名にします。記者さんの個人名の調べ方は先ほど説明したから大丈夫ですね。

さらに、自社のロゴの入った会社の封筒ではなく、文房具屋さんで売っている茶封筒を使います。

手紙のいいところは「高い確率で相手の手元に届く」ということです。会社の事務の人が、私信の手紙を勝手に捨ててしまうことはまずありませんから。

明らかにダイレクトメールではない、茶封筒に入った自分宛の手紙が届いたら、皆さんだったらどうします?普通は開封して中身を確認しますよね。

相手の手元に届いて、本人に開封さえしてもらえれば、あとは、内容次第です。

・なぜ広報のあなたがその記者さんに連絡したのか
・どんな情報を提供したいのか
・その情報にはどんなニュースバリューがあるのか
これらを手紙の中で熱意を持って伝えてください。

その記者さんからリアクションがあるかどうかは最終的には送った情報のニュース価値次第ですが、手紙作戦は意外と効果があります。

4「勉強会・セミナー」でつながる

新聞記者やテレビ番組のディレクターが講師をする広報PR関係のセミナー・勉強会はネット等で探せば結構見つかります。これに参加をして、講師の方と名刺交換をすればつながることができます。

ただ、名刺交換はあくまで記者さんと知り合うきっかけ、スタートラインにすぎません。名刺交換後に、その記者さんとどんなコミュニケーションをとって関係性を深めていけるか。ここが広報としての腕の見せ所です。

ニュースバリューのあるPRネタがちょうどあるなら、最初からプレスリリースを送って「取材してください!」もダメではないですが、それだといきなりすぎて嫌われる可能性もあります。まずはやんわりと、関係作りから入りましょう。

例えば、
・記者さんが書いた記事をチェックして感想をメールで送る。
・自社のプレスリリースだけでなく、記者とって役立ちそうな情報を積極的に提供する。
・記者さんのSNSをフォローして「いいね」や「コメント」をする。
といったコミュニケーションがおすすめです。

5「広報担当同士の紹介」でつながる

「誰でもいいから記者を紹介して」ではなく「●●新聞の▲▲記者とつながりありませんか。もし面識があれば紹介してください」と具体的にお願いするのがコツです。

また「紹介してして」ばかり言っていると広報仲間から嫌われますので注意しましょう。記者さんをひとり紹介してもらったら、自分も相手に、自分の知り合いの記者を紹介する。広報同士の記者の紹介はギブアンドテイクが原則です。

では、そもそも広報仲間を作るにはどうしたらいいのでしょうか。

一番簡単なのは、広報担当者が集まるコミュニティに参加することです。無料のFacebookグループみたいなものから有料のオンラインサロンまで、色々ありますので、自分に合うものをネットで探してみてください。

もっと積極的にやるなら、SNSで直接つながるという方法があります。

facebookやXをしている広報担当者はたくさんいますから、そこにダイレクトメッセージを送って友達になるわけです。自社と近い業種業態の広報さんとピンポイントで仲良くなりたい場合は、このやり方がいいと思います。

サービス資料のダウンロード

私たちが提供するサービスの紹介資料です。

記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人