『広報の仕掛け人たち~ PRのプロフェッショナルはどう動いたか ~』公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会

『広報の仕掛け人たち~ PRのプロフェッショナルはどう動いたか ~』公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の小熊です。

今回は、広報に関するおすすめの書籍をご紹介したいと思います。

書 籍:『広報の仕掛け人たち PRのプロフェッショナルはどう動いたか
著 者:公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会
発行元:宣伝会議

話題の商品・サービスが生まれる背景や、著しい成長曲線をたどる企業には、PRのスペシャリスト、つまり広報の仕掛け人が必ずいるといっても過言ではありません。この本では、その仕掛け人たちにフォーカスし、事業会社とPR会社のパートナーシップによって築き上げられた成功事例を、当事者の声とともに紹介しています。

書籍の概要

  • 話題を呼ぶプロジェクトは、いかにして生まれるのか。

この書籍では、宣伝広報活動の発信主体である企業や団体と、企画・実施の主体となるPR会社の双方の実務担当者が登場し、どんな課題があり、どんなやり取りを経て、話題や感動を呼ぶプロジェクトまで導いたのかという軌跡を、業種も様々な9つの事例で紹介しています。

PR活動において、これをやれば間違いない!というようなマニュアルはなく、重要なのは、届けたい情報と届けたい対象者のライフスタイルや嗜好性に沿ったストーリーを、いかにオリジナリティをもって組み立てられるかだと、書中でも語られていますし、実際にPR業に携わっている身としても実感しています。

と、言葉にするのは簡単ですが、限りある予算や時間の中で、ただの夢物語ではなく、実現可能性のある中で売上への貢献も道筋として見据えて、となると、なかなかに難儀です。そんな、“生みの苦しみ”を、強固なパートナーシップで乗り越えた事業会社とPR会社の物語に触れることができる、そんな1冊がこの本です。

具体的に一例を、ご紹介します。

  • [東北大学×博報堂]伝えたい想いを、どう形にするのか

「みんなの防災手帳」という、あらゆる自然災害を想定し、被災直後から生活を立て直していく時期までを時系列で、何が必要でどんな行動をとったら良いかということがまとめられている、自治体によって配布される書物があります。

これが生まれた背景にあるのが、東北大学と博報堂。

2011年の東日本大震災後、東北大学災害科学国際研究所では、被災者1,412人に聞き取り調査を行い研究していくなかで、災害を乗り越えていくための様々な知見=生きる力が蓄積されていきました。しかし、災害というのは個々人だけの動きでどうなるものでもなく、地域社会全体に広める必要がある。それも、表面的な知識ではなく、常識として知られるような深度で。

そこで博報堂が提案したのが、母子手帳から着想を得た「防災手帳」。

確かに妊娠出産時、今がどういう時期で何に気を付ければ良いのか、母子手帳を何度も眺め、産院での記録を見たり自分で書き込んだりしていたなとふと思い出しました。
災害時の不安な状況で、道標になりコミュニケーションが図れるものとして、”防災手帳”というアイディアはさすがの一言!

  • 両者の熱意と専門性が生んだ化学反応

調査を行い情報を集め、その情報から導きだされた結論をメディアに提供し発信してもらう、ということはPRマンであれば誰でも思いつくことだと思います。

しかし、その情報をどんな深さで誰に届ける必要があるのかを、両者が徹底的に追求した結果、手帳というツールに落とし込み地域社会に根付かせるというアイディアに行きついたのです。

これはまさに、災害研究とPRのプロフェッショナルが二人三脚で作り上げたからこそ生み出されたものだなと、読み進めながら興奮しました。(笑)

そのほかにも、[スターバックス×電通パブリックリレーションズ]や、[川崎市×フルハウス]など、全部で9事例が紹介されています。

当事者がその時の想いを振り返りながら紹介されているので、自分だったらその時どう判断しただろう、なんて自分事に置き換えて読むことができます。

まとめ

  • PRの先にいる、利用者の顔を思い浮かべて

どんな業種や職種でも、かならずサービスを提供する先があり、利用してくれている誰かがいますよね。

サービスを知って利用して喜んでいる、救われているその”誰か”を、一人でも多く増やすための活動がPRだと思います。

私は以前、規模の小さい事業会社で広報に携わっていたので、営業や販促業務はもちろん、店頭での販売に携わることもありました。そうすると、エンドユーザーとの距離がとても近いので、深く考えずとも、そのマインドが染み込んでいたように思います。

PR会社という立場で携わるようになり、どうしても目先に設定される、露出数や話題のインパクトが最終ゴールのように思っているところがあったのでは、と、読了し反省もありました。

利用者の行動やマインド、サービスを体感したあとの満足度まで想像してPR活動に落とし込めるかが、PR会社と事業会社のパートナーシップを強固にし、よりよいプロジェクトに導けるのではないかと、この本を読んで改めて実感でき、とても良かったです。

いま”生みの苦しみ”の渦中にいる方、ぜひ読んでみてくださいね。

書 籍:『広報の仕掛け人たち PRのプロフェッショナルはどう動いたか
著 者:公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会
発行元:宣伝会議

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