『儲かる会社はNewsづくりが上手い』竹村徹也・著
広報PR・おすすめの一冊

『儲かる会社はNewsづくりが上手い』竹村徹也・著

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報の荻野です。

今回は、広報に関するおすすめ書籍のご紹介をしたいと思います。

一般社団法人PRコンサルタント協会 代表理事PRコンサルタントの竹村徹也氏が書いた「儲かる会社はNewsづくりが上手い」です。

書籍:『儲かる会社はNewsづくりが上手い』
著者:竹村徹也氏
発行元:実務教育出版

PRコンサルティング会社を運営する著者が、さまざまな情報を「ニュース化」し、広告に頼らずにマスコミに取り上げてもらう方法、事例を豊富に紹介しています。「うちの会社には何も新しいニュースがないんだけど、PRなんてできるの?」という中小ベンチャー企業の広報担当の方に、ぜひおすすめしたい書籍です。

【著者について】

著者の竹村さんは、大学卒業後、新規事業開発やマーケティング担当を経て、PR会社に勤務。その後PRコンサルタントとして独立し、2007年にPRコンサルティング会社であるバンブークリエイティヴ株式会社を設立。2018年には一般社団法人PRコンサルタント協会(PRCA)を設立し、代表理事に就任しました。

【書籍の概要】

本書では、PR活動をする上での「ニュース作り」についてのノウハウがたくさん紹介されています。特に、第2章と第3章はわかりやすく、実践的なアドバイスたっぷりで、広報初心者の担当者の方には必見です。

抜粋してご紹介しますと…

第2章「PRでブレイクするには『ニュースづくり』から」
・ニュース価値のある情報とは何か
・PRのためのニュース作りとは何か
といった、“そもそも「ニュース価値」とは何か”、というニュースの定義から、自分がPRしたい会社・商品・サービスにからめて、マスコミに訴求力のあるニュースをつくっていくということの重要性と具体例が解説されています。

第3章「あなたの会社のニュースはこうしてつくろう」
・ニュースネタの種類にはどういうものがあるか(○○で初めて、○○で一番、唯一の○○、など)
・ニュースになる「テーマ」のつくり方
・ニュースがないならばアイディアで創造するという技
など、より実践的に、どのようにニュースをつくり出すかという方法を教えてくれています。

【感想、評論】

本書で紹介されているように、マスコミに取り上げられやすいニュースの傾向を理解すること、さらには、ニュースがなければつくりだそうという考え方は、広報としては不可欠な知識です。

中でも、私が本書で一番共感したことの一つは、第3章にあった
「社長は最高のニュースネタ」
という言葉です。

中小・ベンチャー企業のサービスや会社自体についてPRするとき、どうしてもPRネタに困ることがあります。
例えば、
・PRしようにもそのサービス自体に新規性が薄い
・ごく一部の業界にしかニュースバリューがない
・まだ実績が少なく、PRするためのエビデンスが弱い
といった場合など、いろいろな事情があると思います。

そんなときに、社長をPRネタとして、“モノ”ではなく“ヒト”切り口でマスコミへアプローチして成功した経験が私にもあります。

実際に私が、あるクライアントの製品PRを行った際の話です。新発売ではない製品でしたが、当時はまだ実績が少なく、他の類似製品のデータと比較して優位性を示すことが難しかったため、製品自体をニュースとして取り上げてもらうことが困難な状況でした。

そのため、ストレートに製品をとりあげてもらうことを狙うのではなく、社長のこれまで歩んできた経歴や、特異な経験などをニュースネタとしてまとめたプロフィールシートを作成し、社長自身のことを取材してもらうようメディアにアプローチしたのです。

社長切り口で取材が入ると、そこから自然と同社の開発する製品の話題もインタビューの中にいれてもらうことができ、製品についての情報もちゃんとメディアに露出することができました。

また、本書の著者の竹村さんはマーケティングの経験者でもあり、マスコミで取り上げられた後、そこで得た世間からの注目や世論をマーケティング活動に活用し、集客につなげる「ニュース・マーケティング」の大切さを説いています。

通常の広報PR活動は、直接的に営業利益に結びつけるのがなかなか難しいものではありますが、PRとマーケティングを兼任するようなベンチャー企業の担当者の方には、本書は特に参考になるのではないでしょうか。

【まとめ】

そもそも「ニュース価値」とは何なのか、何をニュースとして発信して良いのか、特に広報を始めたばかりだと、迷うことも多いと思います。それを丁寧に解説し、ニュース作りから発信までレクチャーしてくれ、さらに実際の事例も豊富に紹介されているので、PRの初心者からある程度経験のある方まで、誰が読んでも学ぶことがあると思います。

「自分の会社には何も発信するニュースがない…」と思っている広報担当の方は、ぜひ読んでみてください!

書籍:『儲かる会社はNewsづくりが上手い』
著者:竹村徹也氏
発行元:実務教育出版

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