2019/04/24

採用広報てなぁに?
スタートアップ・ベンチャー企業の採用問題のヒント

広報PRノウハウ

2020年春入社予定の内定者も決まり始め、既に就活活動が本格化しつつあります。

新卒の面接時期などを定めた就活の「経団連ルール』は、今から1953年にさかのぼり長きにわたり根付いていました。

しかし、21年卒から廃止、22年からは通年採用の検討も表明したことにより、自由な就活となり、大手企業がより有利になるのは予想されます。

まず採用広報とはなんでしょうか。

“コーポレートPRの一つで、人材採用を目的とした広報活動”です。会社が求めている人材に対して、業界並びに企業情報を採用候補者(新卒・中途者)に対して広く発信していきます。
これまでの求人広告を出す、人材紹介エージェントに依頼するなど従来通りの採用活動だけでは伝えられない自社の魅力や将来性なども訴求できます。

最近、採用広告分野でもテレビでよく目にするBtoB企業のテレビCFです。生活者に直接商品やサービスを提供していない企業、例えば間接的な部品を開発・製造している素材メーカーや総合商社の社員が出演し、仕事内容を紹介しています。自社の仕事や社風を強くアピールされる企業が増えています。

採用広報の重要性とは

私のクライアントの中でも、ここ3年程前から、採用支援になる広報メニューを加えて欲しいと、要望される企業が増えてきています。

この背景には人手不足によるものが要因で、いい人材が、より一層大手企業へ流れてしまう背景があります。売り手側に企業が選ばれる時代となりました。選ばれるためには自社の魅力や将来性を伝える必要があります。

多様な働き方の選択肢が増え、日本でも受け入れられる社会になってきています。また、終身雇用が崩れ、会社にきぞくする意味が薄れてきています。なぜ社員としてこの会社で働く意義があるのか、どこまで自己実現が目指すことができるのかの理由やメリットも伝える必要がでてきています。

これまであたりまえだった人材紹介エージェントに依頼していたが、採用コストも上がり、ミスマッチも生じ、離職率も高くなったとはいった声も良く聞きます。そもそもベンチャー・スタートアップ企業では予算がそこまで投下できないのが現状です。

採用広報では、従来の採用手法よりコストパフォーマンスが良く、直ぐにでも取り組むことができます。

どのような組織体制がベストか

“広報と人事”の連携が重要となります。又は自社に人事部署がないようでしたら経営陣・経営トップと連携が必要となります。

自社の情報共有の一元化。また広報の視点から人事へ「働き方」や「企業文化」の取組みについての提案も可能となります。

どんなコンテンツが必要か

親御さん対策がキーになります。

私も5年前、息子の就活時は様々な情報提供をし、色々と相談にのって判断していきました。私が息子に助言したのはとにかく企業トップの人物像や経営方針、入社後の福利厚生、研修体制、離職率などの情報を集めるように勧めました。また、企業説明会と合わせて、希望企業先のロビーで直接社員に聞き取りをする方法も提案しました。

親の立場ですと、やはり子供の就活は徐々にヒートアップしていくのは理解できます。

最近の親御さんは、マスメディアに報道されないような知名度の低い企業には就職させない。内定が決まっていても辞退させるケースもよく聞きます。

有効なコンテンツ 3つのポイント

  • ポイント1「企業トップの人格・経営に対する考え方のコンテンツ」

    企業理念に加え、企業トップの人柄や経営方針、また新入社員に対する経営の位置づけ・期待する点など企業の将来性が垣間見えます。

    私は、経営者の苦労・失敗談、特技や趣味といった人間性にも注目しました。

    特に、ベンチャー・スタートアップ企業は、企業トップのコンテンツをどれだけ多く発信させていけるのかが、最も重要と考えます。

  • ポイント2「社内制度や社風・働き方コンテンツ」

    私の担当クライアントで、企業の教育コンサル機関があります。ここでは離職率を下げるポイントは、“社員教育と評価制度”の充実と聞きました。特に新卒者はOJTではなく、システム化した研修制度や客観的な評価制度については、重要視されてきています。なぜその制度や働き方を採用したのか。他社にはないユニークな社員制度や働き方があれば信頼性が高まります。

    また、自社が社会にとってどれだけ寄与しているのか。社会貢献の取組みも訴求することで共感が生まれます。

  • ポイント3「社員紹介コンテンツ」

    入社先に魅力のある社員やカリスマ社員がいれば、より関心度が高まります。
    社員インタビューはコーポレートサイトで定番化しつつあります。

    私がお薦めしたいのは、マスメディアにあるコーナーです。

    優れた技術を持つ社員、成績の良い営業マン、独自の技術を開発した社員、理系出身の若手女性、製品・サービス企画を発案しヒットを生み出した社員。

    働き方の多様性では、「働くママさん社員」「地方移住社員」「復職社員の制度化」「週休3日制度」「シニア社員」などのテーマも報道チャンスがあります。

    これらの報道を通して自社の文化や社風、働き方・仕事の内容が訴求できればマッチング精度も上がり志望度も高まります。

効果的な発信メディアのポイントは

ではどのようなメディア・媒体が有効かは以下になります。

  • ポイント1「オウンドメディア(自社メディア)&アーンドメディアの活用」

    主にコーポレートサイト/採用サイト/自社ブログ/SNSとなりこれらは必須です。

    大変ユニークな取組み例をお伝えします。
    千葉県にある日本一会社案内を制作している企業・㈱アートバリエトップです。

    こちらでは、コーポレートサイトで社内を毎日、営業時間帯は動画配信しています。これも採用広報の一環で、知名度が低く、また都心郊外の為若手人材の採用が見込めなかった打開策として着手。会社の雰囲気が見られることで、毎年、コンスタントに応募者の問合せが増えました。

    ㈱アートバリエトップ http://www.varietop.com/

  • ポイント2「多くの業界専門紙・誌への報道」

    ベンチャー・スタートアップ企業の皆さんが重要なのは、まずは自社製品・サービスも含め様々なメディアに報道させていく事も重要となります。

    これらの報道は、自社コーポレートサイトで報道をニュースとして紹介させていく。
    また、企業説明会時には資料としも活用されるのも有効と考えます。(※無断での記事コピーは認められていませんので、各社の著作権管理部署に申請が必要となります。)

    報道獲得を上げる方法として、人事セクションとより採用広報に効果的な制度、取組みを創り出してメディアサイドへ売り込むことも検討下さい。

  • ポイント3「マスメディア」

    先程もお伝えしましたが、親御さん対策として日々目にする媒体で報道させるかが重要となります。

    因みに、弊社の若手社員に就活中どのような方法で情報収取したのか聞いた所…

    • 就活サイト・アプリ(リクナビ、マイナビ、ウィンテッドリー)で条件にあった企業を見つけ、コーポレートサイトでの情報収集。
    • 大学のキャリアセンター推奨媒体は、日経本紙がトップ。その他、朝日新聞、読売新聞、日経MJ…
    • との事。

    最後に何よりまず、記事として取り上げてもらえるようにメディアに働き掛けていくことが欠かせません。メディアには「企業のトップ」「社員」「取組み」を取り上げる企画が数多くあります。これらの切口で、皆さんもぜひ採用に関する情報を発信してみて下さい。(了)