新人広報パーソンのための広報いろは。媒体研究~産経新聞/フジサンケイビジネスアイ編

新人広報パーソンのための広報いろは。媒体研究~産経新聞/フジサンケイビジネスアイ編

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の三上です。

前回はマスメディアについて解説しました。

<前回の記事>
新人広報パーソンのための広報いろは
~マスメディアの変化を敏感に捉える方法~

今回はマスメディアの中で、新人時代より長きにわたりお付き合いしている産経新聞/フジサンケイビジネスアイについて解説していきます。

「産経新聞/フジサンケイビジネスアイ」はどんな新聞?

産経新聞は、株式会社産業経済新聞社が発行する全国紙。産業経済新聞社は、フジテレビジョンやニッポン放送、ポニーキャニオンなどフジサンケイグループです。関連媒体は、フジサンケイビジネスアイ、サンケイスポーツ、夕刊フジも発行しています。

ここで気が付かれた方も多いのでは。そうなんです。全国紙の中でも、日本経済新聞同様に、“産業・経済”に強い媒体なんです。因みに株式会社日本工業新聞が、フジサンケイビジネスアイを発行しています。産経新聞の発行部数は約150.2万部(朝刊/日本ABC協会2018年1~6月平均調べ)。FujiSankei Business-iは約15.3万部です。

編集体制は日本経済新聞と同様、各媒体を書き分ける体制。産経新聞の記者がフジサンケイビジネスアイも記事を書きます。また、国際ニュースはBloombergの記者により、フジサンケイビジネスアイ内のBloomberg GLOBAL FINANCEを担当しています。東京と大阪の2本社&福岡の1本部制となっています。

産経新聞/フジサンケイビジネスアイの特徴は

その1)「新聞とデジタルとの融合を早くから取り組んでいるメディア」
新聞業界の中でも、いち早くデジタル化を進め2005年に新聞社のデジタル子会社として産経デジタル社を立ち上げ、早い時期にヤフー!ニュースと提携。そのため産経新聞社の報道は、ヤフー!ニュースに多数反映されます。

2007年には、マイクロソフト社と業務提携を結び「MSN産経ニュース」をスタート(2012年に提携解消し、現在は産経ニュースにリニューアル)。また、2008年には日本でのiPhone発売と同時に、無料で読めるスマホの電子新聞「産経新聞iPhone版」を始めています(現在は有料化)。

2011年には自転車サイトの「サイクリスト」、2014年には言論サイト「iRONNA」、2016年には全米のゲームサイト大手と提携し「IGN JAPAN」を立ち上げるなど、産経デジタルはニュースサイトだけに留まらず、次々に新しいサイトをPCとスマホで作り続けています。

産経デジタルは、その他のニュースウェブ/イザ!、SANSPO.COM、ZAKZAKも運営しています。

産経デジタルの主要サイトのメディアパワーは以下です。

  • 産経ニュース(PC=3514万PV/月間、531万UU/月間+スマホ=6206万PV/月間、26,783,000UU/月間)
  • サンスポCOM(PC=2171万PV/月 190万UU/月+スマホ=2378万PV/月、900万UU/月)
  • ZAKZAK(PC=1547万PV/月、155万UU/月+スマホ=1265万PV/月、502万UU/月)
  • イザ!(PC=2084万PV/月、443万UU/月+スマホ=2975万PV/月、738万UU/月)
  • SankeiBiz(PC=380万PV/月間、103万UU/月+スマホ=432万PV/月、222万UU/月)

◎5サイト計(PC+スマホ)=2億2953万PV/月
※産経新聞メディアガイド2019年4月より

その2)「関西に影響力がある産経新聞」
私の新人時代から、全国紙の中でも関西エリアに強いのが産経新聞と言われていました。背景は戦前の「新聞統制」で東日本を日本経済新聞、西日本を産業経済新聞に統合したことが原因で現在も残っています。

例えば、日本経済新聞は朝刊約61.2万部、夕刊約32万部。産経新聞は約87.1万部、夕刊約38.2万部(日本ABC協会2018年1~6月平均調べ)と、部数を比較しても関西エリアが強いと言えます。

関西企業の方は、日経新聞で取材が難しい時には、産経新聞の記者へ相談されるのも得策かも知れません。

その3)「産経新聞とフジサンケイビジネスアイ連携しきめ細かな経済・企業情報をカバー」
産経新聞、経済面は1~2面ですが、フジサンケイビジネスアイも産経新聞経済本部の記者が書きますので、産経新聞で報道できなかった情報は、フジサンケイビジネスアイできめ細かに報道されています。

その4)「フジサンケイビジネスアイに自社情報の売り込むチャンスあり!」

フジサンケイビジネスアイは前身の日本工業新聞時代より、中堅・ベンチャー・スタートアップ企業の報道には定評があり、私も多くの企業を取材頂きました。

フジサンケイビジネスアイでも「起業・経営面」が常設しています。こちらは1or2社、中小企業でも、社長のインタビューが報道されます。また現在連載の「働き方ラボ ワークスタイル最前線」もテーマに合致した企業や人をフォーカスされています。

その5)「自社の製品・サービス報道も充実」

毎週月曜日に「新商品ワイド」があります。こちらは、自社の新製品や新サービスについて、なんと2面も使ったタイトル通り“ワイド”な面です。この面には、「ヒットのポイント」コーナーがあり、開発の経緯やヒットの要因など開発者インタビューで報道されます。

その他、ユニークな着眼点で開発したり、今までにはない珍しい商品を紹介する「気になる商品」コーナーもあります。これらは、皆さんの会社の製品やサービスも取材されるチャンスがありますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。

最後に、どのようにしたら自社の情報を売り込む事ができるかをお教えします。私が長年お付き合いをしていて、以下のポイントで攻めれば成功の確率が上がります。

産経新聞/フジサンケイビジネスアイへの売り込み方のまとめ

(1)産経新聞・経済面やフジサンケイビジネスアイの各媒体で記事内の署名記者を調査。
売り込みたい情報分野で書いている記者を調べ、その記者へコンタクトをとって、相談をしてみる。
(2)新製品&新サービス情報なら、「新商品ワイド面」へ情報提供してみる。
“初もの、業界唯一、特許、大手企業と共同開発”といった、希少性、企業コラボであれば比較的にハードルは低くなります。
(3)記者とどのように接触するかのテクニックとして…
・産経新聞社で運営している「大手町経営者クラブ」の会員向け広報セミナーで記者と接触を図る。
・関連グループの「フジサンケイ広報フォーラム」の会員向けセミナーで記者と接触を図る。
・ご自身の知合いや他の広報パーソンから記者を紹介してもらう。

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記事の執筆者
三上毅一
三上 毅一
シニアPRコンサルタント・書籍プロデューサー

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学/地域活性と事業構想の特別講師。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」講師。PR業界歴36年。上場企業、中堅・ベンチャー企業問わず、戦略策定から広報担当者の育成までこなすベテランPRマン。豊富なマスコミ人脈を活かし広報PRの指南役として、BtoBからBtoC企業を幅広く担当、500社以上の実績を持つ。

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【媒体研究】4大ビジネス誌を攻略する
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