媒体研究 ~ 一般(総合)週刊誌編 ~
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媒体研究 ~ 一般(総合)週刊誌編 ~

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株式会社ベンチャー広報の三上です。

昨年は、全国紙・産経新聞について解説しました。今回は、一般週刊誌の基本について解説します。私が新人時代に、先ずは全国紙を学び、次に雑誌の中でも一般週刊誌の基本について先輩から学びました。それは情報提供メディアとして週刊誌の接触が多く、重要な媒体として捉えていました。

新聞と週刊誌の違いは

新聞はディリーで発行される事から、速報性=第1情報が重要視されます。週刊誌は、新聞よりも週単位で発行される事から、新聞よりもより深い情報=第2次情報が重要視されます。その次にマンスリーで発行される月刊誌が存在します。

週刊誌はニュース素材を独自の観点から掘り下げた解説や娯楽性にウエイトを置いて、加工し情報を報道していきます。

一般週刊誌は、「読者の生活の一部になる」ことを目指して編集されています。

カバーされる分野はニュース、社会動向、経済、文化、美容、健康、食、旅、投資、ライフスタイルなど、一般生活者の関心事を分かりやすく解説した、“手頃な情報源”として位置付けています。

新聞社系の週刊誌として、週刊朝日、AERA、サンデー毎日(※現在、3誌とも分社化)。
出版社系は、週刊現代、週刊ポスト、週刊文春、週刊新潮、週刊スパ、週刊アサヒ芸能、週刊大衆などに大きく分類されます。

週刊誌の制作工程・発行スケジュールは複雑怪奇?

皆様は、雑誌の制作工程は知らない方も多いのでは・・・。
週刊誌の制作工程は新聞とは異なります。

毎週月曜日発行の場合は、発売の2~3週刊前に企画会議でテーマが決定~取材開始。
特集記事は、1か月前から決められたテーマで取材が開始。原稿は適宜入稿され、月曜から印刷開始。
1冊綴込みの中央部分から順に印刷。水曜に最新ニュースが入稿され、表紙に近いページが印刷されて完了となります。

グラビアページの入稿は活版ページより数日早く、次に実用情報・小説など腐らないネタの活版ページを入稿。

最後は最新ニュースや事件・事故を入れます。週刊誌のホットなニュースが最初と最後のページにあるのは、この折の関係によるものです。

木曜日に取次店に搬入、月曜日に店頭に並ぶスケジュールです。そこで、ニュース性(速報性のある)の高い情報の場合は、月・火曜日に提供するとメディアも喜びます。また、翌週号の企画会議もありますので翌週号のネタとしても検討頂けます。

週刊誌は編集長が一番偉い人!

まずは絶対的権限を持つのは、“編集長”です。雑誌を会社に例えると、社長は編集長となります。

編集長が変わると、編集志向や誌面構成・コーナー・コラムが変わります。
編集長の役割は、社長の役割と同様に担当雑誌の売上を伸ばすことが課せられます。

つまり発行部数と広告収入を伸ばす事です。最近では、企業・組織とイベントやキャンペーンなどの事業収益にもウエイトが置かれています。
次に、企画(大・中・小特集)、トッピックス、グラビア、実用、コラムなどを担当する数名の副編集長やデスクが直轄の責任者となります。
その下に社員編集者がいます。

媒体によってですが、編集者は取材・原稿執筆をしない媒体も多く、企画が決定するとフリージャーナリスト・ライター、外部の編集プロダクションと組んで誌面を担当するケースが多くあります。

また、出版社系週刊誌は、新聞と違い情報を堀下げたり、記事の面白さで読者をひきつけることが重要となり、ニュース素材を集める「データーマン」と、データをもとに記事を書く「アンカーマン」の分業制を敷いている媒体もあります。

週刊誌の攻め方は、リサーチ力と想像力の得意な人が優位!

私が長年報道傾向をみていると、新聞社系週刊誌は、新聞記者経験がある編集の方も多く、新聞報道をベースに広げ、それを掘り下げていく印象があり、出版社系週刊誌は、よりスクープ志向の強いように思えます。週刊文春や週刊新潮はその代表格かと思います。

<攻め方のポイント>

  • その1:自社情報だけでなく、競合情報も含めることも重要特集記事で報道獲得のチャンスも多く、その場合、自社情報だけでは企画が成立しません。競合での類似情報や世の中全体の流行や関心事などのトレンド情報もセットに売り込むと関心度upとなります。ここ重要です。
  • その2:読者層を意識・イメージした攻め方もポイント狙いたい媒体を2週分程、リサーチすると、大よそ関心分野が判明し、読者層を想定できます。そこから、売り込みたい情報とターゲットが近ければ売り込めるチャンスが生まれます。
  • その3:1~2か月先に話題となる情報を素早く発信前段で、制作工程と発行スケジュールを解説しましたが、発売の1か月前から企画を検討していきます。つまり、その前に売り込めば先々の企画会議で提案してもらえる可能性があります。編集者は、企画提案の前に周辺情報のリサーチや編集方針と異なるかなど、調査しますので、早めの情報提供が提案にのる確率も高まります。
  • その4:時季を意識・イメージし攻めましょう週刊誌は、時季的な情報に趣をおきます。例えば、冬の寒い時季は、インフルエンザ・風邪の予防対策の企画。また夏の暑い時季、脱水症・熱中症予防対策の企画といった特集を組みます。季節感をイメージして売込むことも重要です。また毎年、定番の企画もありますので、売込みのねらい目です。
  • その5:具体的にどのコーナー・コラム欄なのか、リサーチも重要こちらも媒体を2週分程、リサーチするとコーナー・コラム欄が判明、また報道傾向も把握できます。売り込みたい情報が、マッチしていればストレートにアプローチができます。因みに、コーナー・コラム欄は担当編集者がいますので、名前が分からなければ、コーナー・コラム名を編集部に伝えれば情報提供方法も教えてもらえます。また特集企画は、署名記事のケースが多いので、編集部に名前を伝えれば繋げてもらえるケースもあります。

知っておくべき最近の媒体傾向とは。週刊誌もデジタルファースト?

新聞同様に、読者層の高齢化が進んでいると聞いています。ある媒体ではなんと70~80代の比率が高いとも聞いています。

昨年は、年金問題・終活・健康の特集が読者に支持されたとも聞きました。新聞同様、デジタルメディアでミドル層の獲得や新たなビジネスモデルの構築も、生き残りをかけて各社注力しているようです。

誌面にはない紹介分野・コーナー・コラムなど、媒体ごとにリサーチの上、意識的にデジタルメディアへの売込みも報道獲得の可能性が広がります。ぜひリーチを怠らずに。

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記事の執筆者
三上毅一
三上 毅一
シニアPRコンサルタント・書籍プロデューサー

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学/地域活性と事業構想の特別講師。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」講師。PR業界歴36年。上場企業、中堅・ベンチャー企業問わず、戦略策定から広報担当者の育成までこなすベテランPRマン。豊富なマスコミ人脈を活かし広報PRの指南役として、BtoBからBtoC企業を幅広く担当、500社以上の実績を持つ。

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【媒体研究】4大ビジネス誌を攻略する
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