2020/03/16

「メディアと広報 – プロが教えるホンネのマスコミ対応術」尾関謙一郎・著

広報PRノウハウ

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報の武田です。

今回は、広報に関するおすすめ書籍をご紹介したいと思います。

書 籍:『メディアと広報 プロが教えるホンネのマスコミ対応術」
著者名:尾関謙一郎氏
発行元:宣伝会議

著者の尾関謙一郎氏は、1975年に読売新聞社へ入社し、記者として社会部で10年、その後に経済部で記者とデスクを担当、1996年にJリーグ ヴェルディ川崎の広報部長、2002年にはプランタン銀座の取締役広報担当として活躍されました。その経歴はまさに「メディアと広報」それぞれの現場を経験され、双方の視点を併せ持った方です。

書籍概要

この書籍では、メディアで異なる取材方針、広報であれば知っておきたい心構え、多様化するメディアに対応するヒントと危機管理、企業トップの記者対応、広報とコンプライアンス、特殊な広報事例が順を追って紹介されています。

広報の方が知りたい「記者の視点・感覚」と、学んでおきたい対応姿勢、そして、メディアと広報の関係性構築についてエピソードベースで書かれ、企業広報をされている方には納得・共感できるポイントも多い内容かと思います。

1. 広報パーソンの心得

その中でも、私が特に興味深かったポイントを挙げてみます。

まずは、『第二章 誰も教えてくれない広報パーソンの心得』

この中で、広報にマニュアルは不要という言葉が出てきます。これはメディアに対し、媒体や部署で括って画一的な対応はできないことを指しています。日頃のPR活動と照らし合わせると確かに、同じ新聞社内の記者さんでも取材に繋がるポイントや個性は大きく異なっていると実感があります。それを思うとやはり、正確な情報を伝え、いかに誠実に対応するか、この心構えがあるかないかでメディアとの関係構築は変化するものと改めて理解できる内容でした。

2. 危機管理

次に、「第四章 次は我が身!危機管理はできていますか』

「広報は社内連携が命」という節があり、社内(現場)と広報の密接な距離感が危機管理にも取材獲得にも重要であることが判りやすく紹介されています。

私が企業の広報担当をしていた当時も、プレスリリース情報が集まりにくかったり、出所不明の内容が記事になってしまったり(結果的には営業担当が外出先で会った記者に「オフレコで…」といって喋っていた)、取材で役員が誤解を招く表現で話したりと、いろいろな事がありました。

そのどれもが、この章で示される「社内連携」が取れるうちに、取材の機会ロスが減り、不用意な情報が出ることもなくなっていった覚えがあります。

一言で広報担当といっても企業内での立場は様々なため、役員や社員に広報が進言や要望を出すのは難しいかもしれません。

しかし、社内の各部門や役員に「とりあえず広報に聞けば判るかも」「広報に相談すれば何かできるかも」と上手く使うことを覚えてもらえれば、おのずと社内の情報制御や協力を得られる体制づくりができていきます。

「社内連携」による正確な情報把握と誠実な姿勢が企業を守ることに直結するのだと、改めて考えさせられました。

3. 企業トップと記者

第五章では『トップ広報と夜回り』と題されています。

広報をしていると、ネガティブな取材や記者からの追求に対し「広報なんだから何とかしてよ」と役員から言われることがあります。

自分の経験においても役員から「記者が家に来た!」と言われ、早朝に会社の前で待機している記者さんに遭遇したこともありました。

一方で、とある新聞記者さんが「自分が担当している間は1本でも多く記事を書いて業界を盛り上げたい」と言ってくださったこともあります。

この書籍では、記者と広報の両視点で企業トップのメディア対応例が書かれており、本来は避けたい取材にどう対応するのが最善か見識を深めることができます。

今の自分ならどう対応するか考える切っ掛けにもなります。

そして、この章だけでもよいので、企業トップの方にもぜひ一読いただきたい内容です。

4. CSR、コンプライアンス意識

この他に、広報・宣伝・CSRの連携PRの事例は、まさにこれから役立ちそうだと参考になりました。

自社の商品・サービスは売り込みをするのに、CSRはPRしない企業は多々あります。

その背景には、自社がやっている活動を「やってますよ!」と声高に言うのはどうか…という考えや、売り上げに直結しないから…という考えもあるのかもしれません。

この本が発行されたのは2007年とかなり昔ですが、昨今「SDGs」が注目されている風潮を見ると、CSRにも広報を役立てることが必要になってきていると感じます。

例えば2019年は、海洋プラスチック問題に取り組む企業が環境省大臣との意見交換会をしたり、G20関係閣僚会合の会場で展示を行ったりと、今までと異なった切り口でメディア取材を受けているケースもあります。

さらには、企業の社会貢献活動に賛同する消費者やビジネスパートナー開拓の一助としてもPR活用は有効に思います。

また、「商標」のエピソードも興味深かったです。

本の中でも書かれている商標問題は、メディア対応を主とする広報業務では気づきにくいポイントです。この他にも「景品表示法」でよくあるケースとして、「日本初」「業界No.1」などの文言はメディアの関心を引くために使いたくなる一方、根拠なく使ってしまうと行政処分の対象になるリスクがあります。

加えて、事実として、プレスリリース内容を法務部門がチェックする会社・しない会社が存在しています。広報・PRを行う立場として、情報の中に潜むリスクの確認を心がけたいと再認識させられるエピソードが印象的でした。

まとめ

広報・PRのノウハウ本が多数ある中で、今回の「メディアと広報 プロが教えるホンネのマスコミ対応術」は、広報になったばかりの方にはケーススタディとして活用でき、経験を積んだ方には「あるある〜」といった共感をしながら日頃のメディアとの関係性を見直せる書籍です。

また、広報の面白さや、記者さんがどのように取材をされているのか理解が深まる1冊だと思います。

書 籍:『メディアと広報 プロが教えるホンネのマスコミ対応術」
著者名:尾関謙一郎氏
発行元:宣伝会議

 
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スタートアップのためのPR会社・株式会社ベンチャー広報 代表取締役の野澤直人が、雑誌編集者→ベンチャー企業の広報PR担当者→PR会社社長、という異色の経歴から培った、令和時代を生き抜くための広報戦略と野澤独自のゲリラ的広報PRノウハウをお届けするメールマガジンです。
 

株式会社ベンチャー広報
代表取締役 野澤直人
大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。 マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、当時無名だった海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ毎年100~140件のマスコミ露出を実現。5年で売上10倍という同社の急成長に貢献。

2010年に日本では珍しいベンチャー企業・スタートアップ専門のPR会社として株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間、プレスリリースに頼らない画期的な手法で、400社を超える企業の広報活動を支援。

講演・講師実績も多数。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』。 2014年より名証セントレックス上場のIT企業・株式会社ガイアックスの執行役を兼務。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」を主宰。

 
 


 
 
 
以下、最新イベント(2020.7.21)のご案内です。
 

『SNS時代こそ、テレビに取り上げられる価値がある』
現役放送作家から学ぶ "テレビアプローチの成功術"


 

SNS時代だからこそ、テレビの影響力は絶大!?

「若者のテレビ離れが加速している...」

そんな報道を目にするようになりましたが、巷で言われるように、"本当に" テレビの影響力は低下しているのでしょうか?

この疑問に対し、これまで数々の民放テレビ局・ニュース情報番組に放送作家として関わってきた石田章洋氏は「SNS時代だからこそ、テレビの影響力は絶大だ」と断言しています。

そこで、今回の広報PRセミナーでは、テレビ現場の裏側まで知り尽くしたベテラン放送作家(兼 PRアドバイザー)の石田氏をお招きし、SNS×テレビ露出に求められる広報戦略に不可欠な要素とは何か、SNSとの相乗効果が生まれるテレビ番組への露出とはどのようなものか、これらのテーマについて、石田氏が実際にテレビ局の中の立場でこれまで受け取った数多くのプレスリリースから成功した事例&失敗した事例に基づく実践的 "テレビアプローチの成功術" について余すところなく語っていただきます。

概要

日 時:2020年7月21日(火)13:00~14:30(12:55から入室可能)
    トークセッション 60分 / 質疑応答 30分
料 金:無料
対象者:企業の広報パーソン ~3年程度の方
    スタートアップ、ベンチャー企業の経営者
会 場:オンラインのみです。Zoom(ウェビナー)での開催です。

【ご留意点】
・本セミナーは、企業の経営者や広報担当者向けです。弊社の競合企業(PR会社)の社員、関係者の方はお申込みをご遠慮ください。
・新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外出規制が発令された場合、オンライン配信ができなくなる場合もございます。その際は開催を中止させていただくことになりますので、あらかじめご了承ください。

セミナーコンテンツ

  • 基本の「き」、テレビPRのメリット/デメリット
  • テレビ露出からのSNS活用法
  • 狙うのはバラエティではなく情報報道番組!?
  • テレビ番組スタッフはどうやってネタを探しているのか
  • テレビ用のプレスリリースは、タイトルが9割!?
  • こんなタイトルのプレスリリースは絶対読まれない
  • テレビが飛びつく4原則とは

※一部変更になる場合があります。

講師プロフィール:石田章洋氏

放送作家 兼 PRアドバイザー(ビジネス書著者としても活躍中)
石田 章洋(いしだ あきひろ)氏
1963年岡山県生まれ。放送作家。日本脚本家連盟員。日本放送協会会員。

テレビ朝日アスク放送作家教室講師・市川森一藤本義一記念東京作家大学講師。30年にわたり各キー局のバラエティ番組・情報番組・クイズ番組・報道番組など、様々なジャンルのテレビ番組の企画構成を担当。

主な担当番組は「世界ふしぎ発見!(TBS)」「TVチャンピオン(テレビ東京)」等。手がけた番組の合計視聴率は5万%超え。構成を担当した「世界ふしぎ発見!~エディ・タウンゼント 青コーナーの履歴書」が第45回コロンバス国際フィルム&ビデオ・フェスティバルで優秀作品賞を受賞するなど番組の企画構成に高い評価を得ている。

主な著書は、『企画は、ひと言。』(日本能率協会マネジメントセンター)『スルーされない技術』(かんき出版)『ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?』(日本能率協会マネジメントセンター)『インクルージョン思考』(大和書房)『一瞬で心をつかむ文章術』(明日香出版社)『おもしろい伝え方の公式』(日本能率協会マネジメントセンター)等、10冊以上を執筆。

2019年より、長年かけて培った放送作家の経験と人脈を活かした"PRアドバイザー"としても活動中。企業や店舗、商品やサービスの知名度改善および売上向上のための"テレビ取材獲得ノウハウ"に強みを持つ。

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