「考える力と情報量が身につく新聞の読み方」池上彰・著

「考える力と情報量が身につく新聞の読み方」池上彰・著

お世話になっております。

スタートアップのためのPR会社
株式会社ベンチャー広報の高橋です。

今回は、広報に関するおすすめ書籍をご紹介したいと思います。

書 籍:『考える力と情報量が身につく新聞の読み方
著 者:池上彰 氏
発行元:祥伝社

著者の池上彰氏は、わかりやすいニュース解説でお馴染みのジャーナリスト。土曜夜にはテレビ朝日で「池上彰のニュースそうだったのか!!」という冠番組をお持ちです。そんなテレビキャスターのイメージが強い池上氏ですが、実はNHKの記者を16年間務めており、地方記者や警視庁の記者クラブなどを担当されていました。ニュースの最前線で「記事を書く立場」と「テレビを通して伝える立場」をそれぞれ経験されている方です。

書籍概要

この書籍は、「新聞に未来はあるのでしょうか」というドキッとするような書き出しで始まります。池上氏は、今こそ新聞が必要であるとし、ネットニュースで充分とする人が増えている状況に「新聞がなくなると、どんな危険があるのか」という警笛を鳴らすと同時に、新聞社側にも問題があると、記事の比較検証や批判を本書の中で行っています。

その池上流の記事比較によって見える記事の良し悪しや、世間をにぎわせたニュースに対する各新聞社の報道姿勢を知ることができ、新聞の新たな読み方・楽しみ方を体験できる一冊です。

広報PRパーソンにぜひ読んでほしい注目箇所

私がこの本で最も知れてよかったと感じたことは、新聞の読み方ではなく池上氏の記者時代を通して語られている「記事はどうやって作られる?」部分です(もちろん新聞の読み方にもついても多くの学びがあります)。この部分は19ページから始まる、いわば書籍の冒頭になりますが、我々PRパーソンにとって非常に有益な情報が書かれています。

それは、記者が「新人時代にどんな経験をし、どんな教育を受けるか」です。

記者が最も重要視する「特ダネを抜く」ためどんな環境で取材し、どんな叱責を上司から受けるのかよく分かります。

日々、記者とコミュニケーションをとりながら、取材を獲得するPRパーソンにとって、「相手を知る」というは非常に重要なことです。相手というのは、情報提供する媒体にどんな面やコーナー、コラムがあるのかはもちろん、記者自身がどんなことに興味があり、どんな経歴を持ち、どんな趣味があるかというパーソナルな部分にもおよびます。相手への理解が取材に結び付くことは多々あります。

新聞記者とコミュニケーションをとるのであれば、相手がどんな経験をし、どんな教育をうけてきたかというのは、知っていて損はない情報です。

新聞に未来はあるのでしょうか

この問いに関連して、実際に担当するクライアントから「新聞に出て効果はあるのでしょうか」という質問をいただくことがあります。

なぜこのような質問が出るかというと、やはり発行部数の減少があるかと思います。調査データなどを調べると分かりますが、確かに朝刊発行部数は減少傾向にあります。

しかし、私はPRパーソンの立場から、新聞から取材されることは非常に有益だとお答えしています。その理由は3つです。

  • 各新聞社のデジタル化新聞各社はデジタル化に力を入れています。デジタル版に掲載された記事は、Yahoo!ニュースやスマートニュースなどのキュレーションサイトへの転載、SNSでの拡散と、多くの人に見られる機会がむしろ多くなっていると感じます。
  • 新聞で紹介されることで報道の連鎖につながるテレビ番組の製作スタッフが、番組で取り上げるネタ探しをする際、情報源として比率が高いメディアは新聞です。▼ 詳しくはこちらのブログ記事に記載されていますので、ぜひご覧ください。
    新人広報パーソンのための広報いろは。~媒体研究 テレビ編~
  • 信頼が厚いメディアで紹介されることによる権威付け『広告ビジネスに関わる人のメディアガイド2019』博報堂DY,メディアパートナーズ/編,宣伝会議/発行所によると、情報の内容が信頼できる媒体は「新聞」68.0%、「テレビ」47.6%、「インターネット」31.1%という結果でており、新聞は信頼できる情報が掲載されている点で評価されています。信頼できる媒体で紹介されたという事実は、サービスの購入理由になり、会社や商品・サービスへポジティブなイメージを持つことに良い影響を及ぼします。一方で、発行部数の減少、総売上高の減少により、新聞社は記者をこれまでのように大人数抱えることが難しくなり、一人の記者がひとつの記事にかけられる時間が少なくなっていることが考えられます。今だからこそ、新聞は効果がないと間違った認識をせずに、より丁寧に情報提供することが必要になってきますね。

 

最後に

本書は、分かりやすくニュースを伝える池上氏がどんな風に新聞を読んでいるのか、知ることができ、いち読み物として楽しいだけでなく、記者が「新人時代にどんな経験をし、どんな教育を受けるか」というPRパーソンが知っておきたい裏側も分かるお勧めの一冊です。

書 籍:『考える力と情報量が身につく新聞の読み方
著 者:池上彰 氏
発行元:祥伝社

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記事の執筆者
高橋 和輝
高橋 和輝
シニアPRコンサルタント

国立大学卒業後、マーケティング領域のコンサルティング会社を経て、ベンチャー広報に入社。
現在は、介護業界やIT業界など、BtoB/BtoC問わず様々な業界のPRを担当。
更に、地方企業のPRにも携わり、全国メディアでの露出実績を多数持つ。既に多くのクライアント経験も豊富で、クライアント満足度が抜群。

記事の執筆者
高橋 和輝
高橋 和輝
シニアPRコンサルタント

国立大学卒業後、マーケティング領域のコンサルティング会社を経て、ベンチャー広報に入社。
現在は、介護業界やIT業界など、BtoB/BtoC問わず様々な業界のPRを担当。
更に、地方企業のPRにも携わり、全国メディアでの露出実績を多数持つ。既に多くのクライアント経験も豊富で、クライアント満足度が抜群。

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