テレビ番組制作の裏方「リサーチャー」とはどのような仕事なのか?
広報PR・おすすめの一冊

テレビ番組制作の裏方「リサーチャー」とはどのような仕事なのか?

テレビ番組の制作に「リサーチャー」が関わっていることがあるのをご存知でしょうか。番組制作を裏から支えるリサーチャー。その役割や仕事ぶりを紹介するのが、高橋直子氏が書いた『テレビリサーチャーという仕事』という書籍です。第一線で活躍するリサーチャーへのインタビューもあり、立体的にその存在意義を解説しています。

おすすめ書籍

書籍:『テレビリサーチャーという仕事』
著者:高橋直子
発行元:青弓社

高橋直子氏の著書『テレビリサーチャーという仕事』は、広報PR担当者に読んでもらいたい書籍です。高校生や大学生などの若い世代に向けて、リサーチャーの仕事を紹介した入門書のため、リサーチ会社という存在についてよく分からないという方にもおすすめです。

テレビ番組を制作する上で、リサーチ会社が「どのような役割を担い、どのように仕事をしているか、またその存在意義」を著者自身の経験談と分析に加え、第一線で活躍するリサーチャーへのインタビューを織り交ぜて紹介しています。また、発行が2020年9月29日のため、コロナ禍で番組制作が、どう変化したのかも垣間見られるでしょう。

著者について

高橋直子氏は1972年生まれ。大学を出た後、リサーチの専門会社に入社し、その後フリーのリサーチャーとして数々の番組で活躍されています。

また、國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了、博士(宗教学)という研究者としての一面も持ち、著書には『オカルト番組はなぜ消えたのか――超能力からスピリチュアルまでのメディア分析』(青弓社)、共著に『媒介物の宗教史』(リトン)、『神道はどこへいくか』(ぺりかん社)があります。

書籍の概要

この本は、次のような疑問や興味を持つ方におすすめできます。

  • 番組制作の現場を知りたい。
  • リサーチ会社が、番組制作にどのように関わっているかよく分からない。
  • リサーチ会社に、情報提供すべきか分からない。
  • リサーチャーの仕事内容を知りたい。

「テレビリサーチャーとは何なのか」「依頼を受け、どのようにリサーチ資料が作られ、どう使われるのか」「テレビリサーチャーの歴史」「なぜテレビ制作にリサーチャーが必要なのか」などについて書かれています。

実際にリサーチャーとして活躍する方々へのインタビューからわかる現場でのやりとりや、リサーチ会社について紹介した広報会議や日経トレンディ、DIMEなどの記事に対して、著者の感想が記載されているのもポイントです。「何となくリサーチ会社ってこういうものだろうな」と思っていたイメージが、明確なものになるでしょう。

そして、何よりもテレビ番組関係者とコミュニケーションを取り、取材を申し込む広報PR担当者にとって、制作現場の経験談というのは、番組側の視点に合わせたコミュニケーションを取る上でとても有益な情報です。

どのような番組に関わっているか

リサーチ会社がどの番組から依頼を受けているのか、番組のカテゴリや依頼者によってもその内容が大きく異なると紹介されています。また、『世界遺産』などの具体的な番組名も出ているため、この番組でもリサーチャーが活躍しているのかと活躍の幅の広さが分かります。

アプローチしたい番組にリサーチ会社が携わっているか調べたい場合は、放送のエンドロールを確認してみてください。リサーチ会社を活用している場合は、そこにクレジットが記載されています。

リサーチャーが作る資料

テレビ番組へアプローチしたいが、「どのような資料を作れば良いか分からない」という悩みをお持ちの方も多いと思います。特にコロナ禍になって、ディレクターやコーナー担当者と直接会って話す機会が減っている今、資料作りがより重要になっていると感じます。

書籍の中では、ディレクターによるリサーチ資料のダメ出しや、著者がどんなリサーチ資料を作ったかも紹介しています。リサーチ資料と広報PR担当者が作る資料は、全く同じものではないですが、それを目にするのは同じディレクターです。

本書には、広報PRパーソンがどのような資料を作れば、多忙なディレクターの目に止まるのか、そのヒントが数多く散りばめられています。特に、書籍内で登場する「読まれないものと思って作りなさい」という言葉は、改めて資料作りをするときに、意識しておくべきだと感じました。

なぜテレビ番組にリサーチャーが必要なのか

書籍の終盤に、なぜテレビは社会的影響力が大きいのかについて、加えて、調査・分析した内容を通して、テレビのためにリサーチャーができることが述べられています。分析には、テレビとインターネットそれぞれのコミュニケーションのあり方の違いもあり、マスメディアやコミュニケーションが、身近な領域の広報担当者に興味深い内容になっています。

本書は、タイトルにある通り、テレビリサーチャーの仕事について深く理解できる書籍です。企業の広報PR担当者が直接リサーチャーと会う機会は少ないかもしれませんが、番組関係者とコミュニケーションを取る上で知っていると良い情報が盛りだくさんですので、ぜひ手に取ってみてください。

書籍:『テレビリサーチャーという仕事』
著者:高橋直子
発行元:青弓社

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記事の執筆者
高橋 和輝
高橋 和輝
シニアPRコンサルタント

国立大学卒業後、マーケティング領域のコンサルティング会社を経て、ベンチャー広報に入社。
現在は、介護業界やIT業界など、BtoB/BtoC問わず様々な業界のPRを担当。
更に、地方企業のPRにも携わり、全国メディアでの露出実績を多数持つ。既に多くのクライアント経験も豊富で、クライアント満足度が抜群。

記事の執筆者
高橋 和輝
高橋 和輝
シニアPRコンサルタント

国立大学卒業後、マーケティング領域のコンサルティング会社を経て、ベンチャー広報に入社。
現在は、介護業界やIT業界など、BtoB/BtoC問わず様々な業界のPRを担当。
更に、地方企業のPRにも携わり、全国メディアでの露出実績を多数持つ。既に多くのクライアント経験も豊富で、クライアント満足度が抜群。

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