マーケティングメッセージの作り方から広報PRの切り口を学ぶ
広報PR・おすすめの一冊

マーケティングメッセージの作り方から広報PRの切り口を学ぶ

以前は、メディアといえばテレビ・新聞・雑誌といったマスメディアのことを指していましたが、現在はインターネットの普及によって、Web上にはニュースサイトやSNSなどさまざまな新しいタイプのメディアが存在しています。情報環境の変化が目まぐるしい中ですが、消費者を動かすストーリーや題材と切り口がどこにあるのかを探す、という本質は変わりません。本書籍では、その本質の探し方を、藤田康人氏が経験した事例を交えて解説しています。

おすすめ書籍

書籍:『どう伝わったら、買いたくなるか 絶対スルーされないマーケティングメッセージの作り方』
著者:藤田康人
発行元:ダイヤモンド社

この書籍は、マーケティングの本質を説いているものですが、広報PR担当者にも必要な切り口の作り方やストーリー構築までの工程において参考になる考え方が多く、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

著者について

藤田康人氏は、株式会社インテグレートの代表取締役CEO。

1964年東京都生まれ。慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社に入社。1992年、ザイロフィンファーイースト社(現ダニスコジャパン)を、フィンランド人の社長と2人で設立。1997年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛け、ガムを中心とするキシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication:統合型マーケティング)プランニングを実践するマーケティングエージェンシー 株式会社インテグレートを設立。

著書に『ヒットを育てる!食品の機能性マーケティング』(日経BP社)、『カスタマーセントリック思考』(宣伝会議)、『The Real Marketing』(宣伝会議)、『99.9%成功するしかけ』(かんき出版)などがあります。

書籍概要

本書の中で、広報PR担当者にとって特におすすめしたいのは下記の章です。
Chapter 1-1 広告が届きにくい時代
Chapter 3-1 コミュニケーションはここまで変わった
Chapter 3-2 そのメッセージに伝達力はあるか
その他事例紹介:ワコールプロジェクト、東芝掃除機クワイエ など

広告が届きにくい時代で重要なことを明示

Chapter 1-1では、インターネットの普及により一変した情報環境、その情報環境変化によって「伝える」ことと「伝わる」ことの違いや難しさ、広告が効かなくなった要因について言及しています。

その違いや難しさを説明した上で、どう伝わったら消費者は買いたくなるのか・・・インターネット上で多くの情報を手に入れることができる今、消費者(受け手)側の立場に立って、誰から・どんなストーリーを・どこで・どう伝えられたら心が動かされるか、というように、消費者の立場になってメッセージの開発と発信を行うことが重要ということが説明されています。

また、消費者がどう伝えられたら心が動かされるかという点において、公共性や権威性の高い第三者からの情報、つまり新聞・テレビ・雑誌などによる客観的な情報発信がカギになるということも述べられており、情報環境が変化した今でもマスメディアは消費者の購入意思決定に大きな影響を与える情報の信頼性や客観性を備えていることを再認識できる章になっています。

「伝わる」には「自分ごと化」とトクする情報が必要

Chapter 3-1と3-2では、「伝わる」ことにフォーカスした、情報の伝え方について解説されています。「伝わる」ことでは、消費者主体の新しいアプローチに発想を転換することが重要で、それは「自分ごと化」してもらえるキーワードを使うことだと言われています。

消費者が情報を「自分ごと化」するかどうかは、その情報に自分にとってのベネフィット=なにかトクをする、というのが大きなポイントとなります。人によっても、その状況によっても違うベネフィットを確実に届けるメッセージを工夫することが必要であり、「どう伝えるか」よりも「何を伝えるか」を意識することが重要というのが藤田氏の主張です。

これは、プレスリリースやメディアアプローチの際にも役立つ事項になるかと思いますので、事例紹介も交えながら参考になる部分でした。

まとめ

発行から約10年経っている書籍ですが、インターネットの普及や世の中の状況・環境変化がありながらも広報担当者が大切にする視点・・・「消費者を動かすストーリーと題材と切り口がどこにあるのかを探す」はいつの時代も不変であることを再認識できる書籍でした。

消費者を動かすために必要なものをは何なのかの本質を探し出すヒントを具体的な事例(ワコールプロジェクト、東芝掃除機クワイエなど)を用いて解説されているので、メディアへアプローチする際のネタづくりに困っている広報PR担当者にもおすすめの書籍です。

書籍:『どう伝わったら、買いたくなるか 絶対スルーされないマーケティングメッセージの作り方』
著者:藤田康人
発行元:ダイヤモンド社

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記事の執筆者
佐藤裕子
佐藤 裕子
PRコンサルタント

大学卒業後、ブライダル業界、エンジニアを経験した後、PRに転身。大分のスタートアップ企業で広報機能の立ち上げに携わる。その後、ベンチャー広報に入社し、人材や教育業界のPRを担当。

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佐藤裕子
佐藤 裕子
PRコンサルタント

大学卒業後、ブライダル業界、エンジニアを経験した後、PRに転身。大分のスタートアップ企業で広報機能の立ち上げに携わる。その後、ベンチャー広報に入社し、人材や教育業界のPRを担当。

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