部下を助けるのは”上司の保身”? 社員の成長に必要な「上司の胆力」
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部下を助けるのは”上司の保身”? 社員の成長に必要な「上司の胆力」

スタートアップのためのPR会社 ベンチャー広報の野澤です。 ベンチャー広報には、研修がありません。 必要なスキルはある程度教えますが、細かく指示したり、 手取り足取り教えたりすることもありません。 一見、冷たく感じるかも…

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。

ベンチャー広報には、研修がありません。
必要なスキルはある程度教えますが、細かく指示したり、
手取り足取り教えたりすることもありません。

一見、冷たく感じるかもしれませんが、実はその逆。
本人の成長を考えた、あえての放置です。

社員を放置するのはかなりの胆力がいるため、やっている側はめちゃくちゃキツい。
本当は介入したほうがラク。

それなのに、なぜあえて放置するのか。その理由をお話ししましょう。

部下の失敗の芽を摘む上司は、成長のチャンスも摘み取っている

私が以前、部下として働いていたとき
手取り足取り教える上司を見て「そこまでやったら本人が考えなくなるのにな」と思っていました。

手取り足取りやり方を教え、部下が失敗しそうになったら常に早い段階で助けに入る。
こんな上司は、一般的には部下思いの良い上司と思われるでしょう。

でも、自分が上司の立場になって気づきました。
上司の「やさしさ」は部下のためではなく、自分のためだったんです。

部下のクレームで自分が謝罪したくない
自分の評価が下がるのはイヤだ

その人たち(上司)は自身の保身のために、未然に失敗の芽を摘んでいました。

でも、みなさんご自身を振り返って欲しいのですが、
失敗して乗り越えた経験は、ものすごく成長につながりますよね。
つまり、事細かく指示して失敗を防ぐことは、成長のチャンスも奪ってしまうということ。

そのため私は、当時の上司を反面教師にして、放置するスタンスを貫くことにしたのです。

上司に必要なのは、失敗しそうなときもグッとこらえて見守る胆力

私は、基本的に「何も教えない上司が最高」だと思っています。

そのため、例えば部下がクライアントとやり取りしているメールをCCで見ていて失敗しそうになっていても、
あえて何も言わず、グッとこらえて見守ります。

もちろんクライアントから「あの担当はなってない」などとクレームが来たら対応しますし、
社員から助けを求められれば助けに行きますが、
そのような動きがあるまでは、私からアクションを起こしません。

たとえ失敗に終わったとしても
その過程で自分の力で解決しようと考えることが、社員の成長に繋がると思うから。

もし本当にクレームになってしまえば私が謝罪に赴きます。
社員と一緒に「なんでこうなったんだろうね」と振り返り、
そこで初めてアドバイスもします。
「こういうところが問題だったよね」と。

でも、事の最中に「これは言っちゃだめだよ」とか、「なんでもっと早く対処しないの?」とか、
自分で考える機会を奪うようなことは一切しません。

社員自身の成長は、果ては仕事のやりがいにもつながるはず。
だからこそ、上司がどれだけ我慢できるかが重要だと思います。

とはいえ、そのスタンスを貫き通すにはかなりの胆力が必要です。
こればっかりは、上司の立場に立ってみないとわかりにくいかもしれません。

自己保身のために介入してくる上司には気を付けろ

ここまでベンチャー広報のスタイルをお話してきましたが
マネジメントスタイルは人によって違うし、合う合わないもありますから、
私のやり方だけが正解だとは思っていません。

また、ベンチャー広報には自立している人しかいないので放任スタイルで上手くいっているけれど、
新卒や未経験の人であれば、もう少しいろいろと教えていかなければいない場合もあります。
本人のフェーズによるところもあるでしょう。

ただ、保身のために介入ばかりをする上司には、やっぱり注意が必要だと思います。
なぜなら、「あなたのため」と介入してくるのは、過保護な親みたいなものだから。

実際、介入しすぎる上司に思考力を奪われてしまった同僚もいましたからね。

本当の愛情は、最終的に責任を取る覚悟の上で、失敗しながら学ぶのを見守ること。
そして、自立させてあげることだと私は思います。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

記事の執筆者
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