BtoB企業こそ広報をやるべき理由
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BtoB企業こそ広報をやるべき理由

難しいと言われがちなBtoB企業の広報ですが、コロナ禍で加速したデジタル化を受け、「うちは営業が強いから広報は必要ない」などと言っていられなくなりました。今や、BtoB企業こそ、広報活動が重要になってきています。

BtoB企業とBtoC企業の事業特性の違い

BtoC企業とBtoB企業は事業特性がまったく異なります。だから、広報活動のやり方や評価指標も違って当然です。

例えば、お客様が企業の商品を買うときの「意思決定」。BtoCの場合、一般に商品の単価が安い(100円のジュースとか)ので、ある意味で衝動やノリで買うことが多い。

一方で、BtoBでは、基本的に、商品が高額(数十万円から数百万円以上)なため、意思決定が慎重に時間をかけて行われます。その時に重視されるのは、商品の良さだけでなく「信頼できる会社かどうか」です。

コンビニでジュースを買って、そのジュースのメーカーが仮に明日倒産しても、顧客に何の影響もありません。ところがBtoBでは、顧客が何千万円のシステムや機械を買った途端に製造元が倒産してしまったら大問題でしょう。だからこそBtoBでは、会社の信用や信頼が大事になる。

その信用や信頼を作るという意味で、実は、BtoB企業にこそ広報をやるべきなんです。

また、BtoBの場合、顧客ターゲットが狭い(少ない)という特徴があります。だから、BtoB企業の広報では「(少なくていいので)自社ターゲット媒体に繰り返し露出する」ことにより、自社の対象顧客に対して、深い認知を取りにいくのが効果的です。これは、BtoC広報との大きな違いでしょう。

「お得意さん」の媒体をいかに作れるか

BtoB企業の場合、BtoC企業に比べて、ターゲット媒体の数が少ない傾向があります。アプローチすべき媒体の数が少ないので、結果的に報道される記事の数も少なくなるのは当然です。

その状況の中で報道件数を増やそうと思うなら、一つの媒体でいかに頻繁に記事を載せてもらうか、ということがとても大事になります。つまり「お得意さんの媒体をいかに作れるか」ということ。

例えば、
・日経新聞(本紙朝刊、日経産業新聞、MJ、電子版など)であれば、さまざまな切り口で、3ヶ月に1回くらいはコンスタントに報道してもらうことを目指す。
・自社の業界の業界紙や専門誌であれば、毎月掲載してもらう。
・ビジネス系の媒体で連載コーナーを持つ。
などのやり方です。

BtoB広報の2大目的「営業支援」と「採用」

BtoB企業が広報を行うことの大きな目的は「営業支援」だと思います。広報活動によって、営業部門が契約を受注し売上を上げることの側面支援をする。

無名企業や新しいサービスの場合、営業の初期段階で「怪しい会社だと思われない」というのはとても大事です。このフェーズでは、日経新聞などで報道されているという「信用力」が大きな武器になります。

購入の最終意思決定段階でも、報道が多いことで「この会社の記事ならこの間、私も新聞で見たよ。最近よく聞く会社だよね」と、社内稟議が通りやすくなるという話もよく聞きます。

もうひとつは「採用効果」です。

会社の業績が伸びてくると、人手が足りなくなります。営業がうまくいっている企業ほど多くの人を採用しないといけないのに、知名度がないので採用で苦労する、という現象がよく起こる。

無名なBtoB企業への転職には、どれほど会社の業績が良くても、結婚している方なら配偶者ブロックが、新卒採用の場合なら親ブロックが入りがちです。

この二つのブロックを回避できるほとんど唯一の方法が広報です。報道をたくさん獲得できていれば、「一般にはあまり知られていないけど、日経新聞なんかでもこんなに報道されている、知る人ぞ知る優良企業なんだよ」と、転職者や新卒者が家族を説得しやすくなります。

環境変化でより重要になる「BtoB広報」

コロナ禍で、BtoB企業の営業のやり方が大きく変わりました。以前は、実際にお客様を訪問して御用聞きをし、接待をしながら関係性を作り受注を取っていました。

しかし、今や、営業は対面ではなくZoom(オンライン)、会食は自粛です。対面営業という「地上戦」がしづらくなってきたので、その分、広報などの「空中戦」の重要性が増してきています。うちは営業が強いから広報は必要ない、なんて言ってられなくなりました。

もう一つの環境変化はDX、「デジタルトランスフォーメーション」です。

今や、BtoBマーケティングの世界では、顧客が企業に問い合わせの連絡を入れたり、営業担当に接触したりした時点で、すでに意思決定プロセスの6割から8割が終わっているといわれています。

だからこそ、BtoB企業は、しっかり広報活動をして、「どこかで見たことがある会社だな」とか、「新聞に載っていたから、この会社は信用できそうだ」という良い評判を作っておくことが、リード(見込客)獲得に直結するのです。

コロナ禍とDX、この二つの大きな環境の変化もあって、広報をきちんと行うことがBtoB企業にとってもますます重要になってきています。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

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