「新聞記事のコピーを社内に配布」は著作権侵害 広報はどう考えるか
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「新聞記事のコピーを社内に配布」は著作権侵害 広報はどう考えるか

広報にとって、社内広報(インターナルコミュニケーション)は重要な仕事のひとつです。そのひとつに「報道記事の社内共有」があります。今回はその目的と手段について考えてみたいと思います。

「新聞記事をスキャンして社内配布」は著作権侵害

先日、こんな報道がありました。

■TX運行会社の著作権侵害を認定 本紙記事をスキャンして無断で社内ネットワークに掲載 東京地裁判決(東京新聞 TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/206824

「自社について報道された新聞記事をコピーして社内の関係者に配る」というのは、昔から多くの会社で、広報担当者が業務として行ってきたことです。

改めて法廷の場で、これが著作権侵害、つまりは違法行為であると明言されました。

グレーゾーンとして多くの会社で行われていたことが、グレーではなく黒と認定されたということですから、多くの広報担当は意識を変える必要があるでしょう。

Web掲載のものであれば、URLを共有すれば問題ないのですが、誌面しかない場合の共有方法を見直さなければなりません。

社内共有のために、媒体にお金を払って全て二次利用の許可取りすべきなのか。それとも、新聞や雑誌なら数部購入してそれを回覧するべきか?

いずれにしても、社内共有目的だという言い訳はもう効かないと認識し、媒体側に一定の費用を支払うべきでしょうね。

報道記事の社内共有の目的とは?

そもそも「新聞記事を(コピーして)社内の関係者に配る」は何のためにやっているのでしょうか。

ひとつの目的は、自社が社会や世の中からどう見られ、どう評価されているかを、経営幹部や社員に知らせることです。

自社に関するポジティブな報道は、社員のモチベーションを高める効果があります。

逆に、ネガティブな報道の共有は、社外からの視点で会社に問題提起を行い、自社の課題を広く社内に認識させる意味があります。

「広報部門は社会の窓」といわれます。

社外に情報発信するだけでなく、マスコミ報道を社内にフィードバックし事業活動に役立ててもらうことも、広報担当者の仕事です。

広報担当者の社内への情報発信は軽視されがちですが、実はとても重要。

情報発信することで、広報が何をしているかを社員に伝え、広報活動への社内理解を促進できます。

また、「情報は発信する人のところに集まる」という傾向があります。

つまり、広報が社内に情報発信すればするほど、社内からPRネタなどの情報が集まりやすくなるのです。

これを機に、皆さんも「広報担当者としての社内への情報発信」について、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

記事の執筆者
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