プレスリリースのテンプレートと例文|そのまま使える型と、業種別の書き分け

プレスリリースのテンプレートと例文|そのまま使える型と、業種別の書き分け

プレスリリースのテンプレートと例文|そのまま使える型と、業種別の書き分け

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の野澤です。

今回は「プレスリリースのテンプレート」について書きます。

プレスリリースを初めて書くとき、多くの人は白紙のWordを開いて固まります。何をどの順番で書けばいいのかがわからないからです。

型があれば、その迷いはなくなります。この記事ではそのままコピーして使える型と、3パターンの例文を載せました。あわせて、型を埋めただけでは載らない理由にも触れます。

なお、「なぜその構成になるのか」「どう書けば記者に読まれるのか」という考え方の部分はプレスリリースの書き方|記者に届く文章にするための基本構成と考え方にまとめています。この記事は実物の型と例文に絞ります。

この記事の執筆者

野澤 直人(のざわ なおひと)

株式会社ベンチャー広報 代表取締役

ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材後、海外留学関連のベンチャー企業で広報部門をゼロから立ち上げ。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業し、以来スタートアップ・ベンチャー専門で400社以上の広報を支援。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

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プレスリリースの基本の型(A4・1枚に収める構成)

プレスリリースはA4で1枚、長くても2枚に収めるのが基本です。記者は1日に何十本も目を通すので、長いだけで後回しになります。

1枚に入れる9つの要素

上から順に、この並びになります。

  • 報道関係者各位(宛名)
  • 発信日
  • 会社名・ロゴ
  • タイトル
  • サブタイトル
  • リード文(3〜5行)
  • 本文(背景・詳細・今後の展開)
  • 画像
  • 会社概要と問い合わせ先

この順番には理由があります。記者は上から読んで、タイトルとリード文の時点で「読む・読まない」を判断します。詳細を先に書くと、そこまでたどり着きません。

ヘッダー・発信日・会社名の置き方

最上部に「報道関係者各位」、その下に発信日と会社名を置きます。発信日は配信する日付です。

日付を入れ忘れたまま送られてくるリリースが意外に多いのですが、記者は「いつの情報か」を必ず確認します。古い日付のまま使い回すのも避けてください。

タイトルとサブタイトルの文字数の目安

タイトルは30字前後を目安にします。長くなる場合は、言いたいことが2つ以上入っていないか見直してください。

サブタイトルは補足で、数字や固有名詞を入れる場所です。タイトルで興味を引き、サブタイトルで具体性を足す、という役割分担にすると収まりがよくなります。

リード文に入れる5W1H

リード文は3〜5行で、いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうやってを一度に伝えます。ここだけ読めば概要がわかる状態にしてください。

記者がベタ記事(短い記事)にする場合、リード文がほぼそのまま使われることがあります。それを想定して書くと、精度が上がります。

本文・画像・会社概要・問い合わせ先

本文は「背景 → 詳細 → 今後の展開」の順です。背景は、なぜ今このタイミングなのかを説明する部分で、ここが弱いとニュースとして成立しません。

画像は本文中に1〜2点。会社概要と問い合わせ先は最後にまとめます。問い合わせ先には、必ず当日つながる連絡先を書いてください。

そのまま使えるテンプレート

以下をコピーして、角括弧の中を書き換えてください。

テンプレート本文

  • 報道関係者各位
  • [発信日:2026年○月○日]
  • [会社名]
  • 【タイトル:何がどうなったのかを30字前後で】
  • 【サブタイトル:数字・固有名詞で具体性を足す】
  • [会社名](本社:[所在地]、代表取締役:[氏名])は、[日付]より[何を]を[どうする]ことを発表しました。[この取り組みの特徴を1文で]。[今後の目標や数値を1文で]。
  • ■背景
  • [なぜ今なのか。市場環境、課題、自社がこれに取り組む理由を3〜5行]
  • ■[商品・サービス]の概要
  • [名称/提供開始日/価格/対象/主な機能や特徴を箇条書きで]
  • ■今後の展開
  • [いつまでに何を目指すか。数値があれば入れる]
  • ■会社概要
  • [社名/所在地/代表者/設立/事業内容/URL]
  • ■本件に関するお問い合わせ先
  • [部署/担当者名/電話/メール]

書き換えるのはどこか

角括弧はすべて置き換える箇所です。そのうえで、手を入れる優先順位はタイトルとリード文、そして背景です。

商品概要や会社概要は事実を並べるだけなので差がつきません。タイトルと背景は、同じ事実でも書き方で読まれ方が変わります。時間をかけるならここです。

例文|新サービス・新商品の発表

最も多いパターンです。以下はすべて架空の記載例です。社名・サービス名は角括弧のままにしてあるので、自社のものに置き換えてください。

例文の全文

  • 報道関係者各位
  • 2026年10月20日
  • [社名]
  • 【[サービス名]を提供開始。介護施設の勤務シフト作成を自動化】
  • 【1回あたり6時間かかっていたシフト作成を30分に短縮。試験導入50施設で検証】
  • [社名](本社:[所在地]、代表取締役:[氏名])は、2026年11月1日より、介護施設向けにシフト作成を自動化するサービス[サービス名]の提供を開始します。夜勤回数や資格要件などの制約条件を登録すると、法令と施設基準を満たすシフト案を自動で作成します。試験導入した50施設では、1回あたりのシフト作成時間が平均6時間から30分に短縮されました。
  • ■背景
  • 介護業界では人手不足が続き、管理者の業務負担が課題になっています。中でも勤務シフトの作成は、夜勤回数の上限や配置基準といった制約が多く、ほぼ手作業で行われてきました。[社名]が2026年[月]に実施した調査では、施設管理者の業務時間のうち[00]%がシフト作成に充てられていました。
  • ■[サービス名]の概要
  • 名称:[サービス名]/提供開始日:2026年11月1日/価格:月額[00]円(1施設あたり)/対象:介護施設
  • ■今後の展開
  • 2027年末までに導入[00]施設を目指します。
  • ■会社概要
  • [社名/所在地/代表者/設立/事業内容/URL]
  • ■本件に関するお問い合わせ先
  • [部署/担当者名/電話/メール]

この例文のポイント

注目してほしいのはサブタイトルと背景です。

「6時間が30分に」という数字がサブタイトルに入っているので、記者はタイトルだけで記事になるかを判断できます。そして背景で、人手不足という業界全体の文脈に接続しています。自社の都合ではなく社会的な文脈に乗せると、記者が記事の切り口を作りやすくなります。

例文|資金調達の発表

スタートアップで最も使うパターンです。

例文の全文

  • 【シリーズAで3億円の資金調達を実施。開発体制を2倍に】
  • 【引受先は[ファンド名]ほか2社。累計調達額は4.2億円に】
  • [社名](本社:[所在地]、代表取締役:[氏名])は、[引受先]を引受先とする第三者割当増資により、総額3億円の資金調達を実施しました。今回の調達により、累計調達額は4.2億円となります。調達した資金は、エンジニア採用と[サービス名]の機能拡充に充てます。
  • ■背景
  • [なぜこのタイミングで調達したのか。事業の進捗を数字で示す]
  • ■調達の概要
  • 調達額/ラウンド/引受先/実施日
  • ■資金の使途
  • [採用計画の人数、開発予定の機能など具体的に]
  • ■今後の展開
  • [次のマイルストーン]

この例文のポイント

資金調達のリリースは件数が多く、金額だけでは埋もれます。記者が見ているのは、そのお金を何に使うかと、その会社が何を変えようとしているかです。

使途を「事業拡大のため」とだけ書くリリースをよく見ますが、これでは記事になりません。採用人数、開発する機能、進出する地域など、具体的に書いてください。

例文|イベント・キャンペーンの告知

取材に来てもらうことを狙う場合のパターンです。

例文の全文

  • 【[イベント名]を11月15日に開催。介護業界の人材不足をテーマに】
  • 【施設管理者500名が参加予定。所管官庁の担当官と大手事業者3社が登壇】
  • ■開催概要
  • 日時/会場/参加費/定員/申込方法
  • ■プログラム
  • [登壇者と時間割]
  • ■取材のご案内
  • 報道関係者の方は当日[時間]より受付いたします。撮影可能な時間帯は[時間]です。取材をご希望の方は下記までご連絡ください。

この例文のポイント

イベント告知で抜けがちなのが「取材のご案内」の欄です。記者が来られるのか、撮影できるのか、いつ行けばいいのかが書かれていないと、検討の段階で止まります。

取材に来てほしいなら、受付時間・撮影可否・駐車場の有無まで書いてください。発表の場そのものの作り方は記者発表会とは?記者会見との違いと当日までの流れ・費用の目安にまとめています。

業種・目的による書き分け

同じ型でも、読む相手によって力点が変わります。

BtoB|取引先が読むことを前提にする

BtoBのリリースは、記者だけでなく既存顧客や取引先も読みます。誇張した表現を使うと、現場で説明がつかなくなる。

ネタの作り方そのものはBtoB広報とは?成果が出ない原因とネタの作り方7選・進め方を解説で詳しく扱っています。

BtoC・消費財|写真で決まる

消費財は、記事に載るかどうかが写真の質でほぼ決まります。背景が白い商品単体のカットと、使用シーンのカットの2種類を用意してください。

画像は高解像度で、ダウンロードできる形にします。メール添付で容量超過になると、そこで止まります。

採用に関する発表|求職者とメディアで読む人が違う

採用関連のリリースは、求職者向けの訴求とメディア向けの訴求が混ざりがちです。メディアが関心を持つのは「なぜその採用をするのか」という経営判断の部分です。

採用広報の考え方は採用広報とは?採用力を高めるために知っておきたい基本と進め方にまとめました。

テンプレートを使うときにやりがちな失敗

型があることの副作用もあります。

型は埋まったが、ニュースになっていない

最も多い失敗です。すべての項目が埋まっていて、体裁も整っているのに、新しいことが何も書かれていない。

型は「伝え方」の問題を解決しますが、「伝える中身があるか」は解決しません。ニュースとして成立しているかの判断基準はプレスリリースの書き方で整理しています。

社内用語と専門用語のまま出している

社内で通じる略称や、業界内でしか使わない言葉がそのまま残っているケースです。記者はその業界の専門家ではありません。

書き終えたら、その業界を知らない人に読んでもらうのが確実です。社内の別部署の人でかまいません。

画像がない、または使えない形式になっている

画像がないリリースは、Webメディアでは扱いづらく、テレビではまず取り上げられません。

PDFに埋め込んだだけの画像も、切り出せないので使えません。画像は別ファイルで用意してください。

問い合わせ先が代表電話だけになっている

記者が連絡するのは、締切直前の夕方や夜であることが多い。代表電話だけだと、その時間につながりません。

担当者の携帯番号を載せるのが理想ですが、難しければメールアドレスと、何時まで対応可能かを明記してください。

プレスリリースのテンプレートに関するよくある質問

リリースの書き方そのものを学びたい方向けに、当社では元新聞記者が教えるリリース文章講座もご用意しています。

プレスリリースは何枚が適切ですか?

A4で1枚が基本、長くても2枚です。補足資料が必要な場合は、別添にしてリリース本体は1枚に収めてください。

WordとPDFはどちらで送るべきですか?

PDFが無難です。レイアウトが崩れないためです。ただし媒体によってはテキストをコピーしたいという事情があるので、メール本文にも本文を貼っておくと親切です。

テンプレートをそのまま使っても問題ありませんか?

問題ありません。型は共通のもので、差がつくのは中身です。ただし角括弧の消し忘れだけは気をつけてください。実際に[会社名]のまま配信されたリリースを見たことがあります。

書いたリリースを見てもらうことはできますか?

可能です。継続支援の中で作成そのものを承ることもできますし、すでに書かれたものを拝見することもできます。広報の業務委託(リテナー契約)をご覧ください。

まとめ|型は出発点で、載るかどうかは中身が決める

テンプレートを使う目的は、書く時間を短縮して、中身を考える時間を増やすことです。型で悩まなくなった分を、タイトルと背景に回してください。

最後に要点を整理します。

  • A4で1枚。上から9つの要素を順に埋める
  • 時間をかけるのはタイトル・リード文・背景の3つ
  • 資金調達は金額より使途。イベントは「取材のご案内」を必ず入れる
  • 画像は別ファイルで用意する
  • 型が埋まってもニュースになっていなければ載らない

当社はスタートアップ・ベンチャー専門で400社以上の広報を支援してきました。書いたリリースを見てほしい、という段階からご相談いただけます。

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記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人
記事の執筆者
野澤直人
野澤 直人
代表取締役

大学卒業後、経営情報サービス会社に入社。マスコミ業界に転じ、ビジネス誌の編集責任者としてベンチャー経営者500人以上を取材。その後、海外留学関連のベンチャー企業に参画し、広報部門をゼロから立ち上げ、同社の急成長に貢献する。2010年に株式会社ベンチャー広報を創業。以来10年間でクライアント企業は400社を超える。著書に『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(すばる舎)。

野澤 直人