2020/06/16

「ブームをつくる 人がみずから動く仕組み」殿村美樹・著

広報PRノウハウ

お世話になっております。

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の堀北です。

今回は、広報に関するおすすめの書籍をご紹介したいと思います。

書 籍:『ブームをつくる 人がみずから動く仕組み
著 者:殿村美樹 氏
発行元:集英社

著者である殿村美樹さんは大阪市に拠点を置くPR会社、TMオフィスを創業し「ひこにゃん」や「うどん県」、「佐世保バーガー」などこれまで地方PRを3000件以上手掛けてきたPRプロデューサーです。年末の風物詩として定着した「今年の漢字」の仕掛け人でもあります。

メディアのインタビューにもよく登場するので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

大手広告代理店出身で、TMオフィス創業時は巨大テーマパークや地方博といった数千万円規模の“儲かる仕事”ばかりしていましたが、1995年の阪神・淡路大震災で被災したのをきっかけに、地域の役に立ち、個人が幸せを感じるためのPRをと考え、地方や中小企業のPRに特化するようになったそうです。

 

【書籍の概要】
「ひこにゃん」はなぜあれほどブームになったのか?

この書籍では、ゆるキャラブームの火付け役「ひこにゃん」や「うどん県」、「今年の漢字」などがブームとなり根付くまでの舞台裏を明かしながら、時間や予算など条件が制約されたなかでどうすればPRを成功させられるかを解説しています。

読者のみなさんの多くは、地方のPR戦略のコツならあまり関係がなさそう、小さな会社がブームをつくるなんて難しそう、と思われたかもしれませんが決してそのようなことはありません。

この書籍がPRや広報に携わる方の参考になるポイントは

  • 少しの工夫で人々の認知の仕方は変わる
  • ターゲットが明確なら身近に“次の「ひこにゃん」”を発見できる

ということだと思うからです。

 

① 少しの工夫で人々の認知の仕方は変わる

日本漢字能力検定協会が行う「今年の漢字」を日本文化の中枢として世界で認められている京都の清水寺で発表したのは、「誰が発表するか」ではなく「どこで発表するか」に人々の注目を集めた方が良いと考えたからだといいます。

言葉の選び方一つで売り上げが伸びる例も紹介しています。

畳の需要を喚起したい、という全国畳産業振興会からの依頼があったときは、いま使っている畳の張り替えを毎年してもらおうと日本人の心に訴える響きを持つ「供養」という言葉を使い、畳供養を新しい風物詩として育てようとしたそうです。

 

② ターゲットが明確なら身近に“次の「ひこにゃん」”を発見できる

滋賀県の依頼で「国宝・彦根城築城400年祭」の集客のためのPRを依頼されたとき、一部の城マニア層しか興味を持ちそうにないイベント内容に頭を抱え、目にとまったのが一般公募で誕生してすでにいた「ひこにゃん」だったといいます。

観光をリードする女性客を集めるためには、母性本能に訴えかける存在が共感を呼びやすいと考えたある社会的な背景があったと語っています。

そして自分の周囲を注意深く見ていれば、一発大逆転の鍵を握る存在を発見することはできると強調しています。

また消費者個人の行動を変えるためのコツは、職場の上司・部下を説得するコミュニケーション術やプレゼン術にも共通すると書いています。

実は「今年の漢字」は当初、正式なイベント名がもう少し長いもので、協会もその名称に強くこだわっていたそうです。

しかし長すぎてメディアにはウケないと考え、ある作戦により既成事実を積み重ねて「今年の漢字」を定着させていったというエピソードを紹介しています。

クライアントに納得してもらうためのこの作戦は、提案したPR施策を反対されたときなど上司や経営陣を説得したいときにも応用できそうです。

畳供養のPRが成功する前に、あの手この手でPRプランを考えたなかでクライアントに「畳ネクタイ」を提案したが却下されたという話も出てくるのですが、トレンドにからめた小手先のアイディアだったので職人たちが反対したのは正しかったと振り返るところはコンサルタントとして興味深く感じました。

その他、

  • 大分の宇佐市が打ち出した「USA」の表記はなぜ失敗したのか
  • NHKの朝ドラ「マッサン」や「あさが来た」はなぜヒットしたのか
  • 情報が拡散し最終的に社会的なムーブメントとなる“臨界点”とは
  • いわゆる三面記事のような身近な情報がネット上で拡散しやすい理由

なども参考になるトピックかと思います。

【まとめ】
小さな会社もブームを仕掛けることはできる!

「ひこにゃん」誕生の年に滋賀県彦根市で地元紙の記者をしていた私は当時、ブームの裏にこのような仕掛け人がいることを知りませんでした。後にわかってからPRという仕事に興味をもったのが、この業界に転身したきっかけの一つでもあります。

(彦根市長を取材していたため、「保守的な彦根市ではなくPRに前向きな県からの依頼だったことがせめてもの救いだった」と殿村さんが話すのにも納得してしまいました…。)

身近な逸材を見つけて戦略的に発信することがいかに大事か、あらためて気づかされましたし、限られた予算のなかでニュースとなりうる話題作りを仕掛けることは、小さなスタートアップの企業でも可能だと思いこの書籍を皆さんにおすすめしました。

過去にお手伝いした、店舗を運営するベンチャーはニュースになる材料がなかった時期に、店舗で販売していた誰もが好きなある食べ物に目をつけてイベントを行うことで一から話題作りを行い、TVなど露出をいくつも獲得して売り上げを大きく伸ばしたという実績があります。

書籍のタイトルと矛盾しますが殿村さんは、一過性のブームで終わらせず文化として根付かせることがPRの役割といいます。彼女がPRコンサルタントやPRプランナーではなく、「PRプロデューサー」という肩書きで仕事をするのも、メディアに取り上げられ商品の購入やサービスの利用が増えたあとに、人々ができる限り長く行動を起こし続けることが大事だと考えるからだそうです。

ぜひ一度この書籍を手に取り、「永続性を生むPR」を仕掛けることを目指してみてください!

書 籍:『ブームをつくる 人がみずから動く仕組み
著 者:殿村美樹 氏
発行元:集英社

 
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以下、最新イベント(2020.7.1)のご案内です。
 

『SNS時代こそ、テレビに取り上げられる価値がある』
現役放送作家から学ぶ "テレビアプローチの成功術"


 

SNS時代だからこそ、テレビの影響力は絶大!?

「若者のテレビ離れが加速している...」

そんな報道を目にするようになりましたが、巷で言われるように、"本当に" テレビの影響力は低下しているのでしょうか?

この疑問に対し、これまで数々の民放テレビ局・ニュース情報番組に放送作家として関わってきた石田章洋氏は「SNS時代だからこそ、テレビの影響力は絶大だ」と断言しています。

そこで、今回の広報PRセミナーでは、テレビ現場の裏側まで知り尽くしたベテラン放送作家(兼 PRアドバイザー)の石田氏をお招きし、SNS×テレビ露出に求められる広報戦略に不可欠な要素とは何か、SNSとの相乗効果が生まれるテレビ番組への露出とはどのようなものか、これらのテーマについて、石田氏が実際にテレビ局の中の立場でこれまで受け取った数多くのプレスリリースから成功した事例&失敗した事例に基づく実践的 "テレビアプローチの成功術" について余すところなく語っていただきます。

概要

日 時:2020年7月21日(火)13:00~14:30(12:55から入室可能)
    トークセッション 60分 / 質疑応答 30分
料 金:無料
対象者:企業の広報パーソン ~3年程度の方
    スタートアップ、ベンチャー企業の経営者
会 場:オンラインのみです。Zoom(ウェビナー)での開催です。

【ご留意点】
・本セミナーは、企業の経営者や広報担当者向けです。弊社の競合企業(PR会社)の社員、関係者の方はお申込みをご遠慮ください。
・新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外出規制が発令された場合、オンライン配信ができなくなる場合もございます。その際は開催を中止させていただくことになりますので、あらかじめご了承ください。

セミナーコンテンツ

  • 基本の「き」、テレビPRのメリット/デメリット
  • テレビ露出からのSNS活用法
  • 狙うのはバラエティではなく情報報道番組!?
  • テレビ番組スタッフはどうやってネタを探しているのか
  • テレビ用のプレスリリースは、タイトルが9割!?
  • こんなタイトルのプレスリリースは絶対読まれない
  • テレビが飛びつく4原則とは

※一部変更になる場合があります。

講師プロフィール:石田章洋氏

放送作家 兼 PRアドバイザー(ビジネス書著者としても活躍中)
石田 章洋(いしだ あきひろ)氏
1963年岡山県生まれ。放送作家。日本脚本家連盟員。日本放送協会会員。

テレビ朝日アスク放送作家教室講師・市川森一藤本義一記念東京作家大学講師。30年にわたり各キー局のバラエティ番組・情報番組・クイズ番組・報道番組など、様々なジャンルのテレビ番組の企画構成を担当。

主な担当番組は「世界ふしぎ発見!(TBS)」「TVチャンピオン(テレビ東京)」等。手がけた番組の合計視聴率は5万%超え。構成を担当した「世界ふしぎ発見!~エディ・タウンゼント 青コーナーの履歴書」が第45回コロンバス国際フィルム&ビデオ・フェスティバルで優秀作品賞を受賞するなど番組の企画構成に高い評価を得ている。

主な著書は、『企画は、ひと言。』(日本能率協会マネジメントセンター)『スルーされない技術』(かんき出版)『ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?』(日本能率協会マネジメントセンター)『インクルージョン思考』(大和書房)『一瞬で心をつかむ文章術』(明日香出版社)『おもしろい伝え方の公式』(日本能率協会マネジメントセンター)等、10冊以上を執筆。

2019年より、長年かけて培った放送作家の経験と人脈を活かした"PRアドバイザー"としても活動中。企業や店舗、商品やサービスの知名度改善および売上向上のための"テレビ取材獲得ノウハウ"に強みを持つ。

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スタートアップのためのPR会社・株式会社ベンチャー広報 代表取締役の野澤直人が、雑誌編集者→ベンチャー企業の広報PR担当者→PR会社社長、という異色の経歴から培った、令和時代を生き抜くための広報戦略と野澤独自のゲリラ的広報PRノウハウをお届けするメールマガジンです。