年末に自社の重大ニュースを考えてみましょう

年末に自社の重大ニュースを考えてみましょう

スタートアップのためのPR会社
ベンチャー広報の三上です。

今年も余すところ残りわずかとなりました。令和元年の初めての師走を迎えます。世の中では、「ユーキャン新語流行語大賞」や各メディアで重大ニュースといった、今年を総括したニュースが話題となっています。今月は、独断と偏見で、私が気に事になった出来事について総括してみたいと思います。

広報PRパーソンからみた、今年気になった重大ニュースとは

    • 令和元年、新年号による企業の情報発信が活発に数十年に一度あるかないかの元号改訂。

      様々なメディアで、元号の名称についての推測報道から、元号にあやかっての企業の様々な取組みが報道されました。私のブログでも、自社で元号にひもづく事業の取組みを情報発信できるノウハウを解説させて頂きました。

    • 過去に類をみない、長時間記者会見が発生企業の不祥事が大変印象に残った一年でした。

      吉本興業所属タレントが、「闇営業」をしていた問題で、社長が7月に記者会見しましたが、5時間以上に及ぶダラダラ長時間会見。メディアやSNS上では「ますます信用できない」などの声が。タレントからも「芸人を守ってくれているように思えない」といった不満が噴出しました。

      この他、印象に残った長時間会見は・・・
      ・韓国 チョ・グク氏の釈明記者会見が11時間
      ・関西電力 金品受領問題、2度目の記者会見は6時間

      私が注目した点は・・・

      会見のタイミングや説明内容、説明者の姿勢やコメント内容です。

      新聞、週刊誌、月刊誌、テレビ、webの各メディアが報道する内容について、それぞれどのような報道内容だったのか。報道分析ができる絶好の事例だった点です。

      単に、芸能ネタ、社会ネタと捉えず、
      「もし自社がこのような不祥事を起こしたなら・・・」
      「もし社長会見があった時は・・・」
      と、自身がその企業の広報責任者或いはスタッフの一員だったらどうするのか。

      どのようなタイミングで会見を開いた方が得策なのか。と、妄想でも結構です。意識を持って頂く事も、広報PRパーソンとしては大切な事です。少しでも関心を持って頂いたら、ぜひ広報リスク分野の書籍も多数出版されていますので、参考にして頂ければと思います。

      私はコーポレートコミュニケーションを長きに亘り経験しています。トップの対応次第では、トップが責任をとり辞任したり、時には企業の存続さえ危うくなるケースも多くみています。

 

    • 個人会見と報道機関の関わり方の変化・雨上がり決死隊・宮迫氏とロンドンブーツ1号2号田村氏が涙の会見をされました。

      私が注目したのは、所属事務所が対応せず、個人として会見を開いた点です。こちらも過去に類をみない会見でした。

      会見の案内もSNSを活用した事も驚きました。通常会見の場合は、企業・組織が案内状を作成し、メディア編集部へのFAXやメール案内が基本となります。

      社会的影響力のある人は、個人でも会見が成立し、会見内容もリアルに報道され大変参考となった事例でした。

 

    • カルロスゴーン逮捕から1年。新体制を発表。・日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告が東京地検特捜部に逮捕され1年となりました。

      私が注目した点は

      私が企業広報的に関心を持った点が2つあります。

      1)想定外記者会見の運営
      昨年11月の逮捕当日の深夜、当時の西川社長が会見を開きました。企業で逮捕者が出て、当日緊急で会見を開き、テレビやネットで同報される事例として捉えました。
      きっと、担当広報の方は情報が錯綜し、また情報不足の中、会見をのりきったかと思うと、大変なご苦労かと推測できます。この場では、想定外の質問が多く飛び交った会見でした。どのように進行したのか、どのような質疑応答があったのか、同報や翌日の報道がどのような論調だったのか。

      このような視点で、会見の分析をされるのも大変勉強になります。
      こちらYouTubeに動画もアップされていますので、広報の視点でご覧なってみて下さい。

      2)トップの名前が知られていない・・・?
      緊急時ではあったが、国内NO.2の企業トップの名前がメディアに認知されていなかった。これは、逮捕当日の夕方から深夜のテレビ報道で、西川“さいかわ”社長を“にしかわ”社長と読み違ったアナウンサー複数いました。自社のトップの名前を間違えられることは、企業広報として避けなければいけません。名前は様々な読み方があります。日々のプレスリリースや広報資料にはルビをふるなど、細心の配慮が必要だと肝に銘じました。

 

    • ヤフー ZOZOTOWNの子会社化の報道合戦・こちらも会見の解説となりますが、貴重な事例と捉えました。

      皆さんも、ZOZOTOWNの前澤氏とソフトバンクグループの孫代表がTシャツを着て、肩を組んでいるシーンをご覧になられたかと思います。
      この一連の報道について、全国紙の経済部の方に伺った話では、9月12日の朝4時30分に、第一報がテレビ局のネット配信され、次に全国紙のメルマガにも配信。その後、全国紙ネットやテレビ報道等で次々と報道されました。当日夜の8時から記者会見の運びとなりました。経済部記者は、朝の6時から自宅で情報収集から原稿作成。昼までに部内で20本近くの電子版記事を配信。

      昼に社に入り、夜の会見まで取材。その後、会見場で原稿作成。深夜、社に戻り朝刊原稿作成で午前1時30分まで仕事になり、大変だったと聞きました。

      因みに、日経電子版の報道をみると会見中に8回も記事が更新をされています。紙とネットの融合で、記者も両方の出稿に追われる時代になりました。

      私が注目した点は

      9月17日、INTERNET Watch/webの報道で、ITカンファレンス「BIT VALLEY 2019」(9/13開催)で、ヤフーの川邊社長がZOZOTOWN買収について言及した内容を報道されました。

      また9月19日、NewsPicks/webで、【緊急独占】「ヤフー川邊社長が明かす、ZOZO買収の舞台裏」と独占インタビューが報道されました。今までの企業広報の手法であれば、日経本紙でインタビュー報道を優先するのがこれまでのやり方でした。

      今回は、企業サイドが意識的にwebメディアを優先した印象が強く、大変興味深いものがありました。企業広報の戦略も“デジタルファースト”が、より加速しているように強く感じました。

 

  • 「第46回東京モーターショー2019」来場者が130万人を突破!国内産業の代表格、自動車のイベント「第46回東京モーターショー2019」(於・東京ビッグサイト)が11月に開催しました。

    前回の累計入場数は77万人超。ここ数年は100万人を切り、外資系メーカーの不参加など後ろ向きの報道もありました。

    主催団体 日本自動車工業会の定例会見で、イベントに関する豊田会長の説明を聞いて胸を打たれたと、ある全国紙の記者が言っていました。今回は、「OPEN FUTURE」をテーマに、未来のモビリティ社会を体感してもらう様々な施策を説明。豊田会長自ら、目標来場者数を100万人突破と発表されました。

    なぜ、胸を打たれたか尋ねると、その時の説明が感動的で、トップの意気込みや熱いメッセージを聞いて、今回は100万人突破も実現するのでは。と会見場で感じたと言います。

    今年も企業の不祥事での会見が多く、企業・組織のトップとしての品格が問われたり、リーダーシップに欠けたトップの露呈が目だった年だったと。久々、清々しい会見に出席ができて、記者冥利に尽きると。

    また、関係メディアとも日頃良好なコミュニケーションをとり、トップの考えに賛同し、シンパシーを感じている記者も多くいるとも言っていました。

    皆さんも、トップの考えに賛同され理解して、シンパシーを感じてもらえる記者がどの位いるのか、改めて考えてみて下さい。きっとそこから、広報課題も浮き彫りになってくるはずです。

ベンチャー広報 令和元年の重大ニュースは

因みにベンチャー広報並びに私個人の重大ニュースをお伝えします。

    • 朝日新聞社&産経新聞社共催の広報PRセミナー開催・今年は、全国紙の新聞社と共催によるセミナーが実現しました。

      来年も、影響力の高いマスメディアの現況や取組み。なかなか会えない著名メディアの講師の方などをお招きしまして、皆さんの広報スキルアップの一助となる企画を計画しています。よりグレードアップしたセミナーにご期待下さい。

    • 「ゼロイチ広報」を開始。・もう一つ、広報支援事業として、広報初心者向けオンラインによる、広報コンサルティングサービスを開始しました。

      まずはゼロ期を募集し、お蔭様で即締切となりました。その後、1期生も即日締切となりました。
      ゼロイチの良さは、クローズドによる広報セミナーも開催しています。前回は、大手ビジネス経済誌の副編集長を講師に、編集方針や記者の実態など、なかなか聞けない話をして頂きました。また、私も会員の皆様の広報活動の課題や広報PRプラン策定のヒントなども個別にアドバイスさせて頂きました。ご関心ありましたら、ぜひ下記までお問合せ下さいませ。

      オンラインサロン「ゼロイチ広報」
      https://v-pr.co.jp/online-salon/

 

  • ベンチャー広報のPRコンサルタントを強化、コンサル力がよりパワーアップ!・今年は弊社に、PRコンサルタントの仲間が増えました。

    IT業界の営業からPR業界に転身された方、元民放テレビ局の報道記者の方、ヘルルスケア関連業界に特化したPR会社を経た方。
    また今月から元地方紙記者の方など、より精鋭部隊の体制になりました。
    皆さんの広報PR課題に対して、経験豊富なコンサルタントが対応しますので、ぜひお気軽にお問合せ下さい。

  • 学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学の特別講師に・既に皆さんには報告しておりますが、同校の特任教授・青山忠靖先生のご縁で「地域活性と事業構想」分野のなかで“広報PRスキル”について、
    授業をさせて頂きました。

    事業構想と一言で言っても、会社を辞めて起業される方もいれば、会社の新規事業として事業を立ち上げる方と、様々です。
    大学院生の方と交流を深めていくと、事業構想と“広報PR”は密接に関わっている事に気付かせて頂きました。

  • 株式会社ガイアックス 上田代表が、事業構想大学院大学のゲスト講師に・弊社親会社である株式会社ガイアックスの上田代表が、来年1月に事業構想大学院大学でゲスト講師として講義を行います。

    当日は、全国の大学院生や来春の入学予定者約200名が受講します。

    これまでの講師陣は、サイバーエージェントの藤田晋氏、ファッションデザイナーのコシノジュンコ 氏、ディー・エヌ・エーの南場智子氏、Twitter Japanの笹本裕氏など、ビジネス界の蒼々たる方々が登壇されています。

    詳細は追ってご報告致します。

最後に

広報PRの視点から、自社の事業活動や業界を振り返り、ピックアップし発信することも効果的な広報PR活動かと思います。

先般、弊社島田のブログで『「ニュースレター」を積極的に活用しよう!』の解説がありました。この1年間を振返り、ニュースレターで発信されてみてはいかがでしょうか。

最後に、1年間ブログをお読み頂きまして、有難うございました。

来年も、ブログやセミナー企画を通じ、広報PRパーソンの皆さんに役に立つ情報やスキルアップできるノウハウをお伝えします。

来年もどうぞ、宜しくお願いします。

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記事の執筆者
三上毅一
三上 毅一
シニアPRコンサルタント・書籍プロデューサー

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学/地域活性と事業構想の特別講師。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」講師。PR業界歴36年。上場企業、中堅・ベンチャー企業問わず、戦略策定から広報担当者の育成までこなすベテランPRマン。豊富なマスコミ人脈を活かし広報PRの指南役として、BtoBからBtoC企業を幅広く担当、500社以上の実績を持つ。

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【媒体研究】4大ビジネス誌を攻略する
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