媒体研究~夕刊紙編~
新人広報パーソンのための広報いろは。

媒体研究~夕刊紙編~

~36年のベテラン広報パーソンが伝授!~

新聞紙は社会的な影響力も大きく、権威性も高いため、広報PRパーソンにとって重要なメディアであることは間違いないでしょう。ですが、夕刊紙、タブロイド紙となると、やや接点が少なく、馴染みの薄い方も多いかもしれません。夕刊紙とは、どのようなメディアなのか、詳しく解説します。

朝刊と夕刊の違いは

広報PRパーソンであれば、日々の情報提供先として、新聞メディアとのコミュニケーション経験はお持ちではないでしょうか。そこで、意外と盲点なのは夕刊紙です。ここで改めてどのようなメディアなのか、基本的なことから解説いたします。

一般的に、朝夕刊のセット刷りで新聞を発行する地域においては、その日、最も早く午前中には印刷し、早い版では昼過ぎから、概ね午後から夕方にかけて、夕刊紙が読者に届きます。

・夕刊の種類
全国紙の朝夕刊セット刷りによる発行の他に、夕刊のみを発行する媒体もあります。それが、「夕刊フジ」「日刊ゲンダイ」「東京スポーツ(大阪スポーツ、中京スポーツ)」です。タブロイド紙では、「夕刊フジ」と「日刊ゲンダイ」がライバル関係とにあります。

タブロイド紙は通勤途中のビジネスパーソンのために、通常の新聞サイズに比べコンパクトサイズにして、電車内でも読めるように工夫をされています。夕方の帰り道に、駅の売店に陳列され、その日の目玉ニュースが大きく掲示されている光景をよく目にします。

「夕刊フジ」と「日刊ゲンダイ」とは

夕刊フジ
1969年2月25日に、日本初の駅売りタブロイド紙として創刊。株式会社産業経済新聞社(産経新聞社)が発行しています。関東・近畿での即売(駅・コンビニ売り)が中心で、発行日は原則日曜日と祝日を除く毎日です(12月30日~1月3日休刊)。

新聞名はフジテレビジョンから由来します。創刊当初から、見出しにオレンジ(橙)色を採用したことから「オレンジ色のニクい奴」というキャッチコピーが付きました。テレビCMで話題になったこともあります。

読者層は40代以上の男性、ビジネスパーソンの読者が中心。日刊ゲンダイも近い読者層です。また、いち早く、オンラインメディアにも着手しています。1996年8月に「ZAKZAK」を開設。インターネット普及初期から、オンラインでのニュース記事配信を行ってきました。

夕刊フジの紙面からの転載だけでなく、インターネットネット限定記事の配信も行っています。その他「こちら夕刊フジ編集局」でTwitterアカウント(@yukanfuji_hodo)も開設しています。

日刊ゲンダイ
1975年10月27日に創刊。講談社系の出版社である株式会社日刊現代が発行しています。東京、大阪、名古屋、札幌の4大都市などを中心に全国で発行。発行日は夕刊フジと同様です。創刊当時から、夕刊フジのライバル紙と言われています。

紙面報道の他にも、オンラインメディア「日刊ゲンダイDIGITAL」があります。「情報の総合デパート」として、気になるニュースの真相から実用ネタまで、幅広いジャンルでニュースを配信。また、YouTubeに公式チャネルも開設しています

夕刊紙の紙面構成の特徴

主な紙面は、政治、経済、文化、スポーツ、芸能、健康、書評など。夕刊2紙で少し違う点は、日刊ゲンダイは、講談社系の出版社から創刊されていることから雑誌編集に近い印象です。

創刊当時の編集長は、「日刊雑誌」と位置付けており、紙面構成では1面のレイアウトを雑誌の表紙に見立てたと言われています。夕刊紙は、全体的に執筆記事が多い印象です。各分野で活躍されているジャーナリストや評論家、健康面は医療ジャーナリストや専門医も執筆されています。

もし広報歴の浅い担当者の場合、夕刊紙の存在はあまり馴染みがないかも知れません。ただ、筆者の経験では、これまで様々な情報提供により、取材してもらっています。企業広報の視点では、社長の人物紹介、新製品紹介。医療系企業でしたら健康啓発情報の紹介、新刊紹介などが挙げられます。

紙面構成や連載コーナーが曜日によって違いますので、媒体リサーチしてみて、売り込みたいコーナーをチェックして下さい。皆さんの会社情報も、取材されるチャンスがきっとあると思いますので。

セミナーのご案内

弊社の広報PRオンラインセミナーでは初めて、夕刊紙メディアについての解説が聞ける企画が実現しました。登壇者として、夕刊フジ代表(兼編集局長・営業局長)の佐々木浩二様をお招きします。

本セミナーでは、夕刊紙の編集方針・紙面構成や、企業情報でも提供できる具体的なコーナーやコラム欄の事例も交えて解説頂く予定です。詳細は、後日、弊社ホームページにてお知らせします。メールマガジン「広報PRラボジャーナル」でも告知しますので、まだ購読されていない方は、ぜひこちらから登録(無料)ください。

なお、佐々木様のプロフィールは次の通りです。

佐々木浩二
1987年、産経新聞夕刊フジ入社。報道部で事件・事故、政治など、文化部で映画・演劇、芸能ニュースなどを担当。永田町取材の翌日に大阪でストリップ嬢にインタビューするなど、ジャンルにとらわれない夕刊紙記者生活を送る。

1990年代中頃からデジタル分野にも取り組む。96年に公式サイト「ZAKZAK(ザクサク)」開設。紙面でヤフージャパン、楽天、DeNA等と協業。2004年には日本の新聞社初のブログサイト「夕刊フジBLOG」を開設した(現在は終了)。

毎日の紙面発行のかたわら、2014年には「ゴジラ」イベントを東京、大阪で実施。東京・新橋に居酒屋「夕刊フジ酒場」も期間限定でオープンした。2020年6月、中高年男性向け医療・健康サイト「DANTES(ダンテス)」を開設。男性更年期障害、ED、男性不妊からメンズファッション、婚活まで幅広いジャンルのコンテンツを取り扱っている。

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記事の執筆者
三上毅一
三上 毅一
シニアPRコンサルタント・書籍プロデューサー

学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学/地域活性と事業構想の特別講師。2019年より広報初心者のためのオンラインサロン「ゼロイチ広報」講師。PR業界歴36年。上場企業、中堅・ベンチャー企業問わず、戦略策定から広報担当者の育成までこなすベテランPRマン。豊富なマスコミ人脈を活かし広報PRの指南役として、BtoBからBtoC企業を幅広く担当、500社以上の実績を持つ。

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【媒体研究】4大ビジネス誌を攻略する
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